HTPCにWindows 8を導入するには

現在のHTPCにはWHS2011を導入してすでに運用を開始しています。

WHS2011ではNAS+地デジ録画サーバとしての役割とHDMIでプラズマTVに接続して録画番組の再生の役割があります。
地デジ録画はデジタルチューナにPT2を使用し、pTimerを導入して構成しました。

WHS2011に格納しているデータ量は約2TBあります。
このデータをHyper-Vで動作させるWHS2011で利用できなければならず、その安全な移行方法も確立しなければなりません。
さらにはHTPC(Core2Duo+P965チップセット+G35グラフィック、液晶7インチタッチパネルディスプレイ)であるPCでWindows 8ならびにHyper-Vを動作させることができるのだろうか

調査をかねWindows8導入のための前準備を行ないました。

Hyper-V3.0を利用

Windows 8のゲストOSとしてWHS2011を稼動させるためにHyper-V3.0を利用しますので、今回はこれが必須となります。
Windows 8 Proでは標準でHyper-Vが利用できますが、以前テストしたHyper-Vのバージョンは2.0であるため、3.0とは要件が異なっています。
Hyper-V 3.0の要件は次の通りです。
※Windows Server 8のコードネームで開発されたWindows Server 2012の場合の要件とはまた異なるようで多くのCPUが対象になっているような・・・

要件1.64ビット環境

Windows8もまた、32bitOSと64bitOSとを選択して導入することになります。
今回購入したWindows 8 Pro 発売記念優待版には32bit版と64bit版とで計2枚のDVDがありますので、好きな方を選択して導入できます。
Vistaでも64bit版を使用していますし、メモリも安くなりましたので特に64bit版に抵抗はありません。

要件2.第2世代仮想化支援機能

インテルCPUの場合は、Intel EPT(Extended Page Tables )、AMDの場合は、AMD RVI(Rapid Virtualization Indexing)が必要です。
この機能を搭載しているCPUは、Intel Core iシリーズ、AMDならPhenomシリーズとなるようです。
※インテルCPUの場合はバリエーションによってはサポートしていないCPUもあるので注意が必要です。

HTPCは要件2を満たさないため、CPUの交換が必要になりますが、Core2DuoとCore iシリーズは規格がことなるためマザーボードのソケット形状もことなります。
CPUを交換するということは、マザーボードとメモリの交換が必要になるということでもあります。

要件2を満たすために購入したCPU、マザーボード、メモリは以下の通りです。

  • Intel CPU “Ivy Bridge” LGA1155 Core i5 3570K(3.4GHz 6Mキャッシュ)
  • Intel CPU “Ivy Bridge”対応、Z77チップセット搭載、ミドルレンジ上位モデルのmicroATXマザー ASUS社製 P8Z77-M Pro
  • DDR3-1600 UMAX Cetus DCDDR3-16GB-1600(8GBx2、CL11)

WHS2011のデータを退避

HTPCのHDD構成は、1TB(OSと地デジ録画データ約600GB)+500GBx4(RAID5、アナログ録画データなど約700GB)+250GB(バックアップドライブ)です。
これらのHDDをWindows 8+WHS2011で利用したいので、データをどこかに一旦退避しなければなりません。

データの退避先として使えそうなのはRECBOX HVL-AVR(1TB、REC-iNスロット付き)とLANDISK250GBです。
HVL-AVRはファームウェアのバージョンアップにより、HVL-AVS相当に無料アップグレードが可能ですが、まだ行なっていないのでついでにやってしまおうと思います。
また、RECBOXにはGV-MVP/XSWで録画した地デジ番組をムーブしたままで、どうすることもできない状態でした。
今回、RACBOXのバックアップ用にRHDM-U500Bを購入し、これにRECBOXのデータのバックアップをとり、空いた場所にWHS2011のデータを退避させようと考えています。

RECBOX用に購入したカセットHDDは以下の通りです。

  • I-O DATA 2.5インチカートリッジHDD 500GB+アダプターセットモデル RHDM-U500B

USBアダプターつきなのでRECBOXを介さずUSBハードディスクとしてWHS2011に接続しデータを退避さえてもよいのですが、退避させるデータのなかにはクライアントPCから共有して利用したいものがあるため、移行作業中もネットワーク越しに利用できるようRECBOXに退避させることにしました。

WHS2011の既存データは不要なものを削除すればトータルで約900GBになったのでRECBOXになんとか収まりそうです。

Windows 8の記憶域を利用

Windows Server 2012と同じくWindows 8にも記憶域という機能がありますので、データ領域はこの記憶域を利用します。
WHSv1のドライブエクステンダーに似た機能で仮想ディスクです。
記憶域では容量のことなる物理ディスクでも構成できますし、物理ディスク容量以上のサイズで記憶域プールを作成した場合は、不足したときに物理ディスクを増設すれば残りは利用可能になります。
RAID構成のときのように導入時に事前設計を厳密にしなくてよくなるのかなぁと思います。
記憶域の管理はWindows 8でするしかありませんが、作成した記憶域プールをゲストOSのWHS2011で使用できるようなのでWHS2011でDEの代用として使えそうです。
大きな1つの仮想プールを作成してそれを2つの仮想ディスクにわけてWindows 8用とWHS2011用に使えればいいのだけれども、プール単位でないとだめなのかがやってみないとわかりません。
復元性タイプはシンプル以外は使用可能容量が物理サイズより少なくなってしまいます。パリティにすればRAID5相当らしいのでパリティでやってみる予定です。
起動ディスクにはこの記憶域は仮想ディスクのため使えないので、Windows 8をインストールするHDDは別に1台必要になります。
複雑なことはせずにWindows 8のデータ領域(地デジ録画用)は500GBにして、WHS2011のデータ領域だけ記憶域にすれば安心かも

250GBx1台+500GBx4台+1TBx1台あるので、250GBx1台をWindows 8のシステム用、500GBx1台をWindows 8のデータ領域用、500GBx2をメインPCの1TBと交換して記憶域プールに1TBx2+500GBx1の計3台にする予定です。(※記憶域のパリティタイプには3台以上の物理ディスクが必要なため)
これだと、5台のHDD+ブルーレイディスクドライブを接続することになりSATAポート6個埋まります。あと1台HDDを削りたいところ。

HDD構成はいろいろ組み合わせを試してみないとわからないことが多すぎるので今は決めれません。

Windows 8のシステムのバックアップとリストア

WHS2011でクライアントのバックアップが可能ですが、WHS2011はWindows8が稼動していなければ利用できなくなるため、Windows 8のバックアップは別に考えなければなりません。
Windows 8にはリセットやリフレッシュといった新しい機能がありますが、それぞれバックアップから戻すというよりは初期状態に戻すといった機能です。
そこで「Windows 7のファイルの回復」を使えばよいのかなぁと考えています。
記憶域プールの復元性タイプをパリティにしているのでデータ領域はこのバックアップに含めなくてもよさそうで、それでも不安ならRECBOXに移動してカセットHDDに保存するか、今回購入したブルーレイドライブでメディアにバックアップすれば最悪の事態にはならないと考えています。
日常行なうバックアップは取得時間をできるだけ短くしたいというのもあってデータはこれには含みませんでした。
WHS2011は自身のシステム領域のバックアップも可能ですが、仮想マシンなのでWindows 8のシステムと一緒にバックアップを取得すればよさそうです。
イメージバックアップなのでシステム用ディスクはできるだけ容量が小さなものにしたいのですが、WHS2011のインストール要件に160GB以上とあるため、Windows 8と含め250GB以上はないと不足しそうです。

様々なケースでのバックアップを考慮して以下のブルーレイディスクドライブを購入しました。

  • I-O DATA BD-R最大16倍速書き込み 内蔵型ブルーレイディスクドライブ BRD-S16X

以前購入を検討した時から価格も約半額になり、レンタルDVDを再生するには初代PS2(DVD再生にメモリを挿入しないといけないタイプ)しかなくピックアップがよくないので再生が途中で止まることがしばしば、外付けのDVD書き込みドライブも壊れたしで、そろそろ買ってもいいかなぁと思った次第です。
GV-MVP/XSWで録画したデータをブルーレイにダビングできそうなので、コピーガード付きデジタルコンテンツに関しても便利になるのかなぁと思っています。
※AACSキーの発行が2016年6月30日までらしいのでそれまでの期限付き
 

Windows 8で録画サーバ

我が家は事情により受信できるのはCATV経由の放送波になりますが、STBは設置していないのでパススルー方式の放送波しか受信できません。
そのため、地デジ放送のみ録画できればよく、すでに所持しているPC用チューナはGV-MVP/XSWとPT2の2種です。
どちらも一長一短あるわけですが、PT2では録画後に保存用のために再変換する工程がどうしても受け入れられず、それよりは長く安定して使うことに苦戦することが予想されるGV-MVP/XSWを使ってみようと思います。
前回と異なり、RECBOX用カートリッジを購入しましたし、ブルーレイドライブも購入しましたので最悪の事態を回避できる術が準備できたように思います。
GV-MVP/XSWの次期製品が発売され1世代前の製品になりますが、一応、サポートソフトはWindows 8対応らいしいのでインストールは問題なさそうです。
 

Windows 8でビデオコンテンツの再生

Windows 8にはWMP12が搭載されているようですが、TV画面でWMPは操作し易いとはいえないわけで、どうせ無料ならWindows Media Centerが使えるようにしておいても損はないかなぁ程度です。
Windows 8にはWindows Media Centerは付属していないようで、Windows 8 Proを購入した場合はWindows 8 Media Center Packを別途購入しないといけないようです。
ただし、1月31日までは優待販売期間であり、Windows 8 Media Center Packは無料で追加可能です。
※追加とあるので、機能追加から追加する方法です。そのため1月31日までにライセンス認証済みのWindows 8 Proが稼動していないと追加できないと思われます。

WMP12が使えるからといってWindows 7と同じ機能があるというわけではありません。
たとえばDVD再生機能はありません。
※別途ソフトを用意するかWindows Media Center Packに付随しているのでそれを使うかになります。
他にもWMP12で最初から使えたコーデックがライセンス料の都合で導入されていない事も考えられます。
Windows 7のWMP12と全く同じと考えないほうがよいでしょう。

Windows 8 Pro とWindows 8 Pro Packの違い

Windows 8 Pro はWindows XP/Vista/7などからWindows 8 Proへアップグレード用です。
これのパッケージ版と次のWindows 8 Pro Packを混同してしまったり・・・気をつけてください
Windows 8 Pro Pack はWindows 8 からWindows 8 Proへアップグレード用です

DVD再生に関しては、今回、ブルーレイドライブ(製品版)を購入したため付属ソフトもあり選択肢が多数ある状況です。
DTCP-IPビデオコンテンツとその他ビデオはDLNAで再生できればよいので、RECBOXに付属していたDiXiM Digital TV Plus を使う予定です。

先に書いたようにマザーとCPUの交換により、GMA3500がIntel HD Graphics 4000に変わるため、再生支援機能はもちろん、Quick Sync Video 2.0(QSV2.0)によるハードウェア動画変換機能があるのでHD画像のビデオタイトルを扱うには恩恵があるはずです。QSVを使うシチュエーションは限りなくゼロですが・・・

とにかくHDDが使える状態になるまでの間にあーだこーだと書いてみました。

別の記事では操作性とか安定性では家電メーカー製ブルーレイレコーダをお勧めしましたが、DTCP-IPコンテンツをスマホでもとなると1社メーカで統一しなくてはいけなくなりそうで、その決心ができませんでした。
VAIOPCなんて買いたくないですしーずっと自作のままでいいかなぁ。買うんだったらMacにしたいしー

Windows 8+WHS2011のために、いろいろ買ってしまいましたがこれでもそれなりのブルーレイレコーダ(例えばSONY BDZ-ET2000)を買うよりは安くなっています。
が、肝心のメモリーがまだこなーい。Windows 8 Proを買ったところからレビュー依頼が1件きているのですが、まだかけません。すみません。

最新情報をメールで確認してみたいのだけれども、WHS2011の共有フォルダーにメールフォルダーがあるためにメールソフトを起動するとWHS2011がフリーズしてしまう。
データ移動中だと何時間もかけた作業が無駄になることも・・・
うーん、RAIDとそうでないドライブの混載はよろしくないのかなぁそれともHDDを繋ぎすぎなのか
この事象は改善したい
 

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この記事を書いた人

大阪府門真市に生まれ、高校卒業まで京都府福知山市で育ち、大学は工学部電子工学科を卒業。半導体設計会社に勤務ののちインフラエンジニアとして監視基盤の運用設計業務に就く。現在は都内の施設に勤務。横浜在住。人の役に立てることができればいいなと日々思っています。

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