MediaRendererが発見できなくなった

先日、NIC二枚差しの件で記事を書きましたがそのときの作業で後遺症が残っていました。

1.症状

DiXiM TVからServiioのビデオコンテンツを再生すると操作のたびに接続が切れてしまう。
さらにMediaRendererが発見できなくなってしまった。

2.原因

Atheros L1 Gigabite Ethernet 10/100/1000T Controllerのドライバが英語サポートのみだったため

3.対処

バージョンを2.4.7.15にもどして問題なく動作することを確認しました。

4.詳細

現状確認を十分にせずに、DiXiM TVを再インストールすればなおるだろうと安易に行いました。
再インストール後は上記症状は改善したかのように思えましたが、以前は再生できていたコンテンツが再生できなくなったり一覧に表示されなくなったりと明らかに状況が変わってしまいました。
Serviioコンソールを確認するとデバイスが「Unrecognized Device」、Statusが「UNKNOWN」になっており、何度、再設定しても変化がありません。
そこで、「Developer Tools for UPnP 」のAV Media Controllerを使用してネットワーク上のUPnP機器の発見を試みましたが、発見できるのはMediaServerのみでMediaRendererは発見できませんでした。DiXiM TVを導入しているPCにはDiXiM Media Serverも導入してあるのですが、そちらは正しく発見できていました。

ここからMedia Rendererが発見できない原因の調査が始まりました。

(1)OSのUPnP機能の確認(Windows Vistaの場合)

MediaRendererが発見できないことからUPnPの機能が正常ではないのかと考えました。
そもそもDiXiM TV自体がOSのUPnPの機能を使っているのかそれともアプリケーションに内蔵されているのかは不明です。
とりあえずOSのUPnP機能の状態を確認しました。

①ネットワーク検索が有効

②使用しているネットワークアダプタの「Link-Layer Topology Discovery~」が有効

③UPnP関連のサービスの確認
UPnP Device HostサービスとSSDP Discoveryサービスが開始になっているのを確認しました。

④DiXiM TVのサービスの確認
DiXiM Digital TV Service(21) (DiXiM Digital TV Plus サービス:C:Program Files (x86)DigiOnDiXiM Digital TV plusServiceDoDMRService.exe)
DMRService Plus(DiXiM Digital TV Plus レンダラー:C:Program Files (x86)DigiOnDiXiM Digital TV plusDMRService plus.exe)

DiXiM Digital TV Plus起動時には、C:Program Files (x86)DigiOnDiXiM Digital TV plusDiXiM Digital TV Plus.exeが起動します。
DiXiM Digital TV Plusを起動していなくてもMediaRendererは発見できていましたので、上の2つがUPnP関連のサービスだと思われます。

※ダウンロードサービス起動時にはC:Program Files (x86)DigiOnDiXiM Digital TV plusDiXiM4_Loader.exeが起動するので上のものとあわせてWindows ファイアーウォールで許可するようにしておきます。

※③番のサービスを停止していてもMedia Rendererは発見できますし、それぞれのサービスの依存関係を確認しても無関係のようなので、OSのUPnP機能は使っていないように推測します。おそらくOSのUPnP機能は、Windows Media playerやWindows Messengerなどマイクロソフト製のアプリケーションで使われるだけかUPnPのネットワーク関連の製品だけに使われるように思われます。

以上を確認しても特に問題は見つけれませんでした。
そこで、前回、NIC2枚差し環境で行った作業を思い出しそれが原因ではないかと想定しました。
①ドライバーをアップデートしたこと(2.4.7.15⇒2.4.7.22)、さらには更新作業でもたついたこと
②PCを常時稼動させていたのをスリープで運用するようにとWOLの設定をしたこと(詳細設定でパラメータを変更した)

(2)ネットワークアダプタのドライバーのバージョンに関して

事象が発生するバージョンは、「2.4.7.22」です。
そもそも通常の方法では入手できないバージョンだと思います。
最新版を探し、あれこれやって見つけたのをインストールしました。
入手先はいろいろありますが、update用ユーティリティソフトつきのサイトのものは省き、以下の①~③があります。
※②番は現在使えないので実際には①番と③番です。

ドライバーダウンロードサイト
①ASUSのマザーボードサポートページ
ここでダウンロードした最新版はSetup.exeがないために実行できませんでした。
FTPサイトからもダウンロード可能ですが、命名則がマチマチなのでどれが最新かはわかりにくいです。
とりあえず、lanアダプタ関連はこちらになります。
L1WinSetup_24727_Win7.zip が一番バージョンが新しいようです。
Win7と記載ありますが、Windows2000以降のx64bit版も含まれています。
ただ、WHQL認証かは不明です。
※Windows 7ではバグがあったようなのでどのバージョンでFixしているのかも不明です。

あと、同じコントローラチップを搭載していると思われるマザーではK5KPL-VMがあります。
そのダウンロードサイトから2.4.7.15が落とせます。

②Atheros ドライバ ダウンロードサイト
チップメーカのサイトもしくはパートナーサイトが何年か前には存在していたはずですが、そのときにダウンロードしたものを保管していました。
再インストールではそのときのものを使用しました。WHQL認証ロゴつきです。
※現在はサイトを見つけれませんでした。
そのときのURLはhttp://partner.atheros.com/Drivers.aspxです。

Windows Update カタログ
Windows Updateでインストールされるものと同じものがここにおかれています。
前回はここからAMD64版をダウンロードし、ドライバファイルを指定しゴニョゴニョしてなんとか最新版にしました。
解凍して得られるファイルは、CATファイル、INFファイル、SYSファイル(ドライバ本体)の3つです。

以下の画像は上から順に、③番からダウンロードした2.4.7.22(AMD64版)、2.4.7.15(AMD64版)と②番からダウンロードしてあった?WindowsOS用WHQLドライバ 2.4.7.15(setup.exe付き)です。

ver2.4.7.22のドライバはよくみると英語(en)専用でした。これが原因だったのだろうか・・・

保存してあった2.4.7.15のドライバをインストールして、MediaRendererが発見できることを確認しました。
その他の設定は何も変更していないのですが、ドライバを入れなおしたので詳細設定のパラメータがデフォルト値に戻っています。
※そのパラメータの可能性については、(3)のところではっきりさせていきたいと思います。

以下は正常であることの確認内容です。

現在のドライバのバージョン
WHQLなのでデジタル署名付です。

「Developer Tools for UPnP 」のAV Media Contorollerの結果
MediaRendererが発見されるようになりました。

Serviioコンソールの画面
Deviceが正しく「DiXiM Media Renderer」になり、Statusも「Active」になりました。それによりプロファイルも自動設定されました。

(3)スリープ運用のためのWOL対応に関して

現在はまだデフォルトのままなので、設定変更は反映していません。
この状態で安定稼動を確認してからWOL対応の設定をしたいと思います。
Atheros L1ドライバは以下の画面の設定次第で、ネットワーク負荷がかかるとハングアップしたりなどなどが報告されているのでその辺も意識して設定が必要なようです。
とくに「Flow Control」と「Task Offload」のON,OFFが重要なようですが、環境に左右されるためかどっちがよいかははっきりしていません。

とりあえず、WOLの設定としては、「Wake Up Capabilities」をMagic Packetにして、別途Magic Packetを送信して復帰するようにと思っています。
それに関連して、「Shutdown wake up」をONにしないといけないとか・・・これについてはまだ未確認です。

そのほか、BIOS側の設定はもちろん、「電源管理」タブの設定も必要ですし、電源管理オプションのほうも設定変更が必要になります。

この件については、また別の機会に記事にまとめることにします.

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この記事を書いた人

大阪府門真市に生まれ、高校卒業まで京都府福知山市で育ち、大学は工学部電子工学科を卒業。半導体設計会社に勤務ののちインフラエンジニアとして監視基盤の運用設計業務に就く。現在は都内の施設に勤務。横浜在住。人の役に立てることができればいいなと日々思っています。

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