解析に使用するソフトウェア

ここでは、エンコードが完了した後の動画ファイルが期待通りの結果になっているかを、数値的に確認する方法と視覚と聴覚で確認する方法を説明します。

1.数値的な確認
数値的に確認するには、解析用ソフトウェアを使用します。
解析用ソフトウェアには様々なタイプのものがありますが、ここではコーデックチェッカーに分類されるものを紹介します。
対応フォーマットや機能(入手できる情報)も異なりますので用途に合わせて使い分けてください。
専用ソフトウェアでなくても、エンコーダの機能にも数値的な解析結果を表示する機能があるものもあります。
たとえば、ffmpegの-iオプションを使用すると動画ファイルの情報を表示することが可能です。

解析用ソフトウェア一覧
※ここで紹介するソフトウェアはすべてを導入する必要はありません。

真空波動研 http://www.kurohane.net/seisanbutu.html
真空波動研には通常版、簡易版(Lite)、超簡易版(SuperLite)があります。
コーデックチェックにはSuperLiteで十分だと思います。
MMname2 コーデックチェック用で説明の表示もされます。
※公式サイトは存在するようですが、TOPページにアクセスするとカスペルスキーがウィルス検知してしまうのでリンクを張るのをやめました。
GSpot http://www.headbands.com/gspot/
コーデックチェック用です。
GraphEdit DirectShowフィルタ編集ツール
マイクロソフト社から提供されているWindows SDKに同梱されていますので、各自でダウンロードするしかないと思います。グラフィカルに表示されるので直感的にわかりやすいと思いますがインストールが大変です。
GraphEditの使い方など
GraphEdit非公式サイト
MONOGRAM Graph Studio http://blog.monogram.sk/janos/
DirectShowフィルタ視覚化ツール
MediaInfo http://mediainfo.sourceforge.net/ja
メディア情報の詳細を取得できます。エンコードオプションも一部表示されます。
GUI版とCLI版があります。
VideoInspector http://www.kcsoftwares.com/
メディア情報の詳細を取得できます。

2.再生による確認
作成した動画を実際に再生してみて画質や音質などを人のセンサー(視覚・聴覚)で検証します。
おおげさな表現ですが、簡単に言えば再生してみて思い通りの動画ができているかの最終チェックです。
これには一般的な再生ソフトを使用しますが、DirectShowに対応したMedia Playerを利用するのがお勧めです。
また、再生には使われている映像および音声のコーデックをデコードする環境が必要になりますし、WindowsOSで標準サポートしていないファイル形式の場合は、別途DirectShowフィルタを導入する必要があります。
たとえばVistaの場合は、MP4ファイル形式はOSでサポートしていませんので、別途MP4対応のDirectShowフィルタ(スプリッター含む)が必要になります。

DirectShowフィルタおよび使用している映像・音声用デコーダが準備できれば、Windows Media Playerでも再生が可能になりますので、わざわざ他の再生ソフトウェアを導入する必要はありません。
どの再生ソフトウェアを使用するかは好みの問題です。
注意点は、再生ソフトウェア自体が多機能になり映像フィルタや音声フィルタ機能などがONになっている場合があります。
その状態で再生していると別の環境では全く違った結果になるのでなるべく素の状態で再生できるプレイヤーを使うのが好ましいと思います。

お勧めは
①Avisynthスクリプトファイルを直接読み取れるプレイヤ
動画作成中の中間ファイルを再生できるようになりますし、エンコード前の状態も確認できるので便利です。
AviSynthのデバッグフィルタが使用できますので更に便利になります。
②コーデック内蔵型(別途コーデックを必要とせずローカルフォルダに導入されるもの)でかつ更新が定期的におこなわれているプレイヤ
になります。
注意点は、プレイヤにコーデックが付属しておりインストール時に追加で共有フォルダにインストールをするタイプは別途コーデックを導入しているのと同等です。
そのため、別途コーデックパックを導入する場合と同じように相性問題(他のソフトウェアの動作に悪影響を与える可能性)があります。
※安定を求めるなら原則は不要なものは導入しないことです。

必要最低限の設定をすれば、Window Media Playerでも十分使えます。

再生ソフト一覧
※ここで紹介するソフトウェアはすべてを導入する必要はありません。

 

Windows Media Player OS標準
VistaはVersion11,Windows 7はVersion 12です。
標準で対応しているファイル形式が異なります。Version12はMP4にも対応しているはずです。
※32bit版と64bit版があります。64bitOSは両方導入されています。
GOMPlayer http://www.gomplayer.jp/
コーデック内蔵でほとんどの動画を再生可能
Media Player Classic http://sourceforge.net/projects/guliverkli/
さらに派生版があります。
Media Player Classic Home Cinema ※32bit版と64bit版、インストーラ版とポータブル版があります。
Media Player Classic BE ※32bit版と64bit版、インストーラ版とポータブル版があります。
コーデック内蔵でほとんどの動画を再生可能
各種フィルタ機能その他拡張機能があり多機能。
VLC Media Player http://www.videolan.org/vlc/
コーデック内蔵でほとんどの動画を再生可能
Real Player http://jp.real.com/
多機能ですが、すべての機能を利用するには有償版を使用することになります。
MPlayer http://www.mplayerhq.hu/design7/news.html
多くのファイル形式に対応しています。
エンコーダ機能もあり、音声分離なども可能です。Mencoder付属。
※AVIやMPEGを扱うには良いと思いますがH264を扱うにはイマイチだと思います。
※MplayerGuiもあります。
SMPlayer http://smplayer.sourceforge.net/
MPlayerのフロントエンドです。

その他
DirectShowフィルタおよびデコーダなど
※必要なものだけ導入してください。

 

 

 

Haali Media Splitter http://haali.su/mkv/
AVI,MKV,MP4,MPEG2 TS,Ogg用DirectShowフィルタ
インストーラ方式
MP4 Splitter MP4用DirectShowフィルタ
公式サイトは不明です。信用できるところからダウンロードしてください。
※regsvr32を実行する際は管理者権限でコマンドプロンプトを起動した上で実行しないとエラーになります。
ffdshow tryouts DirectShowとVFWコーデックの詰め合わせです。
映像・音声フィルタ機能もあります。
DirectShowやVFWに対応したMedia Playerではffdshowを利用して再生が可能になります。
http://sourceforge.net/projects/ffdshow-tryout/
※専用コーデックやDirectShowフィルタを導入している場合は、ffdshowの詳細設定でOFFにしてください。
※他のものと重複した場合は、メリット値で優先度が決定されます。
※設定でffdshowを使用するアプリケーションを選択できますし、メリット値も変更できます。

※メリット値の話をしましたが、例えばDivX7.xを導入するとH264デコードはDivXのデコーダが使用されます。それは再生開始時にロゴが表示されるのですぐに判断できると思います。

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