エンコードに使用するソフトウェア

 

動画編集で出力したファイル(可逆圧縮方式)をアップロードサイトにあった動画ファイルに変換するために利用するエンコードソフトウェアの紹介です。

動画エンコードソフトは、映像・音声データをそれぞれ該当のコーデックを使って圧縮変換(エンコード)し、ある動画ファイル形式(コンテナ)に変換(格納)するソフトウェアです。簡単に言えば、動画圧縮専用ソフトウェアです。

広義では動画編集ソフトに分類されますが、ここでは勝手に区別しています。

 


ソフトウェア一覧

※コーデックおよびエンコーダ欄は、わかる範囲で記載しています。ご了承ください。
※出力ファイル形式は、基本的には標準機能(デフォルト)での内容です。
※2011.08.14 HandbrakeとautoMenを追加しました
※ここで紹介しているのはごく一部です。フリーソフトのほとんどが、Mplayer(MEncoder)、FFMpeg(libavcodec,libavformat)、独自エンコーダを組み込んで構成されているので大差ありませんが、GUIに組み込む際にそれぞれのバージョンが異なる点および機能が制限されているケースさらにはプリセットやデフォルト値がことなるために出力結果に差がでてきます。

 

 

※1:()内のサイトは、導入や設定方法がわかり易いサイトです。公式とは無関係なのでその点は留意ください。
※2:OSに導入されているAVI形式用コーデックが利用可能。
※3:プラグインにより拡張可能
※4:別途Nero digital audioエンコーダの導入が必要。
※5:CUDA技術を利用したGPUエンコード、ドライバーで対応。現在は、H.264+AACのみ?
※6:出力は再生デバイスを選択。(PSP,iPod,X-BOXなどあり)ポータブルメディア機器での視聴用の動画ファイルへ変換することを目的にしている様です。
※7:Internet Explorerでは表示できない可能性あり。
※8:不明
※9:別途FLVプラグインの購入が必要。
※10:MPlayerがサポートしているもの
※11:libavcodeがサポートしているもの、一部制限あり
 
ソフト名 種別 コーデック
および
エンコーダ
 
出力
ファイル形式
 
公式サイト
(参考サイト※1)
 
AviUtl フリー ※2 ※3
AVI
 
 
http://spring-fragrance.mints.ne.jp/
(http://jumper-x.hp.infoseek.co.jp/)
 
VirtualDubMod フリー ※2 ※3
AVI
 
http://virtualdubmod.sourceforge.jp/
(http://jumper-x.hp.infoseek.co.jp/)
 
 
MeGUI フリー MEncoder
以下映像用
x264cli
XviD
Snow
libavcodec
以下音声用
FAAC
Aften
AAC+
AudX
FFmpeg MP2
FFmpeg AC3
Lame MP3
Oggenc2
※4
Nero digital audio
Vorbis
 
AVI
MP4
MKV
 
http://x264.nl/
Windows
Media エンコーダ
 
無償配布 WMEnc ASF
(.wmv)
 
http://www.microsoft.com/
(http://jumper-x.hp.infoseek.co.jp/)
 
Badaboom 製品版
評価版
 
※5 MP4
※6
 
http://www.badaboomit.com/
※7http://www.nvidia.co.jp/
 
TMPGEnc 4.0 XPress 製品版
評価版
 
※8 AVI
ASF
MP4
MOV
MPEG
DiVX
3GPP
3GPP2
※9
FLV4
 
 
http://tmpgenc.pegasys-inc.com/
Super C フリー MEncoder 
FFmpeg
libavcodec
x264
ffmpeg2theora
theora/vorbis
RealProducer plugIn
 
AVI
ASF
MP4
MKV
MOV
MPEG
3GPP
3GPP2
FLV
SWF
OGG
RM
 
http://www.erightsoft.net/
(http://soft2.pcgenki.com/)
 
MediaCoder フリー こちらを参照ください。
 
AVI
ASF
MP4
MPEG
MKV
OGG
 
http://www.mediacoderhq.com/index.htm
(http://www13.atwiki.jp/mediacoder/)
 
 
AutoMen フリー 【ビデオ】※10
3ivx
Cinepak
DivX
DV
H.263
H.264/MPEG-4 AVC
Huffyuv
Indeo
MJPEG
MPEG-1
MPEG-2
MPEG-4
RealVideo
Sorenson
Theora
WMV
XviD
【オーディオ】
AAC
AC3
ALAC
AMR
FLAC
MP3
RealAudio
Shorten
Speex
Vorbis
WMA
3GPP
AVI
ASF
Matroska
MOV
MP4
NUT
Ogg
OGM
RealMedia
FLV
 
http://www.mediacoderhq.com/index.htm
 
 
HandBrake フリー 【libavcodec】※11
Asus v1
Asus v2
AVS
Bink
CamStudio
Cinepak
Creative YUV (CYUV)
DNxHD
DV
Duck TrueMotion v1
Duck TrueMotion v2
Flash Screen Video
FFV1
FLV1(Sorenson Spark)
Fraps
H.261
H.263
H.264/MPEG-4 AVC
Huffyuv/ffvhuff
id Software RoQ Video
インテル Indeo2,3,5
LOCO
Mimic
Microsoft Video 1
MJPEG
MPEG-1
MPEG-2/H.262
MPEG-4 Part 2
MS-MPEG4v1/v2/v3
On2 VP3
On2 VP5
On2 VP6
Apple Computer QuickDraw
QuickTime Graphics SMC
RealVideo RV10
RealVideo RV20
RealVideo RV30
RealVideo RV40
VC-1
Smacker video
Snow
Sorenson SVQ1
Sorenson SVQ3
Theora
Sierra VMD Video
VMware VMnc
VP8
Westwood Studios VQA
WMV 7/8
WMV 9
Wing Commander/Xan Video

X264

【libavformat】
ASF
AVI
Matroska
NUT
FLV
WAV
QuickTime
3GPP
MPEG-1
MPEG-2
MPEG-4
SMAF(MMF)
OpenMG
TwinVQ
Ogg/FLAC
Monkey’s Audio
WavPack
TTA
http://www.mediacoderhq.com/index.htm
Avidemux フリー FFmpeg
以下映像
H263
Motion Jpeg
Xvid
x264
Huffyuv
FF Huffyuv
FFV1
livavcodec
mpeg2enc
Snow
以下音声
Twolame
FFmpeg MP2
FFmpeg AC3
Lame MP3
FAAC
Vorbis
Wav PCM
Wav LPCM
 
AVI
MP4
OGM
MPEG
MKV
FLV1
 
http://fixounet.free.fr/avidemux/
携帯動画変換君 フリー FFmpeg
livavcodec
 
MP4
3GPP
3GPP2
ASF
(.asf)
 
http://mobilehackerz.jp/

 


エンコードソフトの機能(概略)
・映像と音声の分離(※ファイル形式によっては、字幕などその他を分離)
・映像加工(フレームカット、連結、リサイズ、クロップ、ノイズ除去、色補正、字幕タイトル追加など)
・音声加工(ノイズ除去、ボリューム調整、多重化など)
・映像圧縮
・音声圧縮
・映像と音声のMUX(※ファイル形式によっては、字幕などその他もコンテナに格納)
・その他 JOB登録実行、プロファイル登録、プロジェクトファイル登録など

※動画圧縮には、コーデックが使われています。一般的にコーデックはライブラリですので、それだけでは操作できません。
それをコントロールできるプログラムが必要になります。
そのコーデックとプログラムをあわせて、またはそのプログラムのみをエンコーダといいます。
動画を圧縮変換するには、映像・音声それぞれのコーデックに対応したエンコーダが必要になります。
エンコードソフトウェアはさらに映像と音声加工や映像と音声の分離をしたり、逆に合成したりする機能を備えているものがほとんどで、実際はそれぞれ外部ソフトウェアを使用しています。

MEncoderやFFmpegが、livavcodec(映像・音声両方に対応した多種のコーデックライブラリ)を利用しており、マルチエンコーダとしての機能があります。またlibavformat(音声・映像コンテナライブラリ)を利用しているので、ファイル形式(コンテナ)の変換やコーデックの変換が相互に可能であり、マルチコンバータとしても機能します。※一部外部コーデックが必要なケースがあります。

MEncoderとFFmpegはCLIプログラムですので、実行の際にはコマンドオプションの設定が必要になります。このわずらわしさをGUI操作で容易にしたのが、ここで紹介する動画エンコードソフトでもあります。

ここで紹介している動画エンコードソフトは、特定のエンコーダもしくは複数のエンコーダに対応したGUI操作のフロントエンドソフトウェアです。

GUI操作のフロントエンドを利用するとで簡単で便利になりますが、その反面エンコーダ自体のオプションがすべて利用できるとは限りませんので注意してください。多くの場合、使用できるオプション設定がフロントエンド側で制限されています。また、同梱しているエンコーダを独自でコンパイルしているケースがあり、エンコーダのみを他のサイトからダウンロードしたものに置き換えると動作しなくなるケースがあるので注意が必要です。

 


お勧めソフトウェア

・AVIUtl 
AVI形式用の編集ソフトですが、プラグインを利用すれば直接ASF(.wmv)、MP4、FLVなどの動画を作成できます。
多くのプラグインが公開されていますし、利用者が多いので情報が豊富です。
このソフトがあれば動画作成全般で困ることはないと思います。

また、VFAPIプロジェクトに対応していますので、対応ソフト間でプロジェクトファイルを相互に利用可能です。
たとえば、AviUtlで編集したファイル出力をさらにTMPGEnc 4.0 XPressで圧縮するといった2度にわけて変換作業をしなければならない場合、TMPGEnc 4.0 XPressでAviUTlのプロジェクトファイルを読み込めば1度の変換作業ですみます。

・MeGUI
H264/AVCエンコード用にx264cliエンコーダを利用しており、これによりすべてのCLIオプションが利用可能です。H264/AVCエンコードするのであれば、これは強力です。
CLIプログラムの集まりなので、バッチプログラムを作成すれば自動化も可能です。

また、updaterが付属しているので各プログラムの最新版管理に役立ちます。
そもそもDVDビデオからの変換を想定しているようで、DGIndexやVobsubツールを付属しています。
そのため、エンコードは映像と音声が分離されている状態からの操作になり、その点が面倒かもしれません。
※修正(2009.03.13)MeGUI内部で、音声分離用のAviScriptが実行されPCM出力されたデータを音声エンコーダにパイプで渡しています。この動作は、JOB実行後のLog画面で確認できます。以上から、AviSynthで読込んだ音声付動画ファイルをaudio inputに指定すれば、音声分離は自動で行えます。

ただし、使用する音声エンコーダが標準出力を入力ファイルとする機能がなければ不可です。
NeroAACエンコーダは、標準出力を入力ファイルにすることが可能ですので問題ありません。 

・携帯動画変換君
内部でそれぞれのプロファイルに該当するffmpegオプションを設定し実行しています。
低解像度の動画でよいなら、ドラッグ&ドロップで簡単にエンコードできます。”簡単に”がこのソフトの長所だと思いますので、バリバリカスタマイズするのであれば、AviUtl、VirtualDubMod、MeGUIの利用をお勧めします。

追記
MeGUIはDVDからDVDへの変換に対応していましたが、Blu-Rayのフォーマットに対応した「StaxRip」や「RipBot264」があります。
MeGUIと同じくDVDやBlu-Rayからの変換に必要なツールの寄せ集めです。MeGUIに近いのは「RipBot64」です。
「StaxRip」のほうはトランスコードが可能で変換ツールとか書き換えツールといったほうが良いと思います。
作成したファイルは再生できるのですが、変換後の動画ファイルのビットレート表示がコーデックチェッカで0と表示されてしまうので使用をやめました。
また「RipBot264」を使用するにはAviSynth、ffdshow、Haali Media Splitter、Javaのバージョン制限がありますので環境設定が面倒に感じます。
興味のあるかたは使用してみてください。
以前からあった「MediaCoder」や「Handbreak」などは、デジタル放送番組の録画データ(大容量データ)をトランスコードする際に利用するソフトウェアとして人気があるようです。
これらもffmpeg、Mencoderや専用エンコーダを内蔵し入力ファイルや出力設定に応じて使い分けてくれているだけで、上で説明したソフトウェアと大差はありません。
差があるとすると同梱されているそれぞれのエンコーダのバージョン、ユーザインターフェースなどが異なるくらいです。

ついでにデジタル放送番組の録画データについてふれると、原則、著作権保護により再利用できないようになっていますので、再編集可能な録画データを作成するにはそれなりの対処が必要になります。個人的には、PCでデジタル放送番組の録画をする際はトランスコードチップ内蔵のチューナカードを利用するほうが良策だと思います。
この辺の話は「PCでデジタル放送を録画」のほうで触れたいと思います。

ついでに「トランスコード」という言葉ですが、「コードを~に変換する(トランスレート)」という意味で、ここでいうコードとはファイル自体すなわち圧縮されたストリームデータそのものを意味しています。本来は、再生機にあわせてビットレートや画像サイズを書き換える程度のものですので、「今このように書かれているものをこれに書き換える」といった変換であり、ファイルの書き換えを行っていると思えば良いと思います。そのためエンコードのように一旦デコードしてそれを専用コーデックで圧縮変換したり、コンバート(フォーマット変換)のようにコンテナフォーマットを別のものに変更したりさらにはその中の一部またはすべてを専用コーデックで圧縮変換するのとは違ったテクノロジになります。
広い意味でエンコード(圧縮変換)やコンバート(フォーマット変換)も含めて「トランスコード」と表現する人もいるようですが、実際にできあがる動画ファイルの品質がことなりますので留意してください。
ただ人間の視覚でその品質の違いがわかるかどうかは別の話になります。

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