録画に使用するソフトウェア

 

変更履歴
2011.08.07 Bandicamを追加
 


PCで使用できる録画ソフトウェア(ビデオキャプチャソフトウェア)の紹介です。
ビデオキャプチャソフトといってもタイプはいろいろあります。
たとえば、ビデオチャットのようなネットワークを経由して送られる動画を録画するような低フレームレートの設定しかできないタイプ、映像を一旦画像ファイルとして保存しあとで動画にするタイプ、ビジネスシーンで動画マニュアルや作業記録としてデスクトップ画面を録画するタイプ、Direct3DやOpenGLなど3D映像を録画するタイプなど様々です。

ここでは、MMORPGゲームタイトルである「リネージュ2」のプレイ画面を録画できるか否かで無償または有償のソフトウェアを対象に紹介します。

リネージュ2の特徴
①32bitアプリケーション
②DirectX9c以降対応(Direct Graphics、DirectAudio、DirectInput)
④nProtect Game Guard
⑤サポートOSはXP、Vista、Windows 7(64bit版を含む)
⑥ウィンドウモードとフルスクリーンモードの表示切り替えが可能
⑦大規模攻城戦
⑧二重起動が可能(サポート対象外)
※公式には2重起動はウィンドウモードのみとありますが、実際にはフルスクリーンモードでも可能です。ただし、どちらも同じモードでなければしばらくしてアクティブでないほうが強制終了してしまいます。領地戦の動画はフルスクリーンモードで2重起動した状態で録画したものですがどちらか片方しか録画はできません。

この条件で録画が可能なビデオキャプチャソフトが必要になります。
リアルタイムで録画する場合は、ただでさえ高負荷な3Dゲームと同時にビデオキャプチャソフトを実行するため、なるべく軽い動作のビデオキャプチャソフトを選択したほうが良いと思います。
最近ではマルチプロセッサが当たり前なので神経質になる必要はありませんが、複数のプリケーションを同時に安定して実行するにはメインメモリサイズが重要です。
32bitOSではどうしても32bitアドレッシングの限界の影響がありますので、思い切って64bitOSの使用を考えるのもひとつの手段です。
マイクロソフトは32bitと64bitの両方のOS用のデバイスドライバがあって始めてVista対応やWIndows7対応と表記することを許可していますので以前ほど64bitOSの動作に不安を感じる事はないと思います。
ただし、サポーポートが終了したような古い製品や名言していないアプリケーションを利用し続けている場合には当てはまりませんので注意してください。

私は、録画用にFraps製品版を利用しています。
 


1.ソフトウェア一覧

3Dゲームのプレイ画面の録画ができそうなソフトウェアを調査した一覧です。
※OSはVistaを前提にしています。ただし、XP用のキャプチャーソフトでも動作する場合がありますが、一部機能が使用できないことがあります。

 

ソフト名 種別 入力ソース 録音 出力形式 公式サイト
Fraps

製品版
評価版

※1
FullScreen
Window
Desktop

OK AVI http://www.fraps.com/
Dxtory

製品版
評価版

※1
FullScreen
Window

OK

※5
AVI
DirectShow

http://dxtory.com/
DxRec2

製品版
評価版

※1
FullScreen
Window
※6

OK

※5
AVI

http://www.hdbench.net
Windows Media エンコーダ フリー Window OK

ASF(.wmv)

http://www.microsoft.com/
アマレココ フリー

※2
FullScreen
Window

※4
OK

※5
AVI

http://www.amarectv.com/
アマレコ・ライト フリー

FullScreen
Window

※4
OK

※5
AVI

http://www.amarectv.com/
DxCapture

フリー 

※3
FullScreen
Window

※4
OK

※5
AVI

http://maglog.jp/ryouj/
taksi

フリー

 

 

 

Window

 

※5
AVI

http://taksi.sourceforge.net/
Wink

フリー 

 

Desktop
Window

OK SWF http://www.debugmode.com/wink/
Bandicam

フリー 

 

Desktop
Window

OK AVI http://www.gomplayer.jp/bandicam/

※1:Direct3Dアプリを自動識別しています。
※2:Plug-INが必要になります。Direct3D10用Plug-INは無いと思います。
※3:Direct3Dアプリを自動識別していますが、Direct3D10には対応していません。
※4:サウンド設定の録音ソースにステレオミキサーもしくはそれに変わるものが必要です。
※5:コーデック選択可能。

※6:ターゲットを識別できていないようです。以下、試した結果です。

ソフトウェアタイトル

nProtect GameGuard

ターゲット

FPS
表示

Hotkey
使用

録画 判定
LineageII

OK

OK OK NG ×
Lineage OK NG OK NG ×
Windows Media Player OK OK OK OK
Ghost Recon Advanced Warfighter OK OK OK OK

結果から、nProtect GameGuardの影響が考えられます。
※ROで録画できるという情報があったので、nProtect GameGuard対応なのかと思っていましたが、ROは一時期、nProtect GameGuardをやめていました。今はまた採用してるみたいですが・・・
また、DxRec2の公式サイトでは、nProtect GameGuardについての記載を見つけられませんでした。できないことも記載してくれると、親切だと思うのですが・・・
ROプレイしている人は、今もDxRec2使えているのでしょうか?RO公式でDxRec2を推奨していたみたいなので、疑問です。

2010.6.27 修正(上表の赤字部分含む)
DxRec2でも動作するようですが、私の環境では録画データが真っ黒な状態でした。Frapsと同時に動作させていたことが原因かもしれませんし、アンインストーラがOSを再起動しないと動作しなかったことから、何らかのエラーが発生していてプロセスが正常に動作していなかったのが原因かもしれません。

2.ポイント
・動画キャプチャーの基本動作
取込み⇒変換⇒書込み の動作を行っています。
リアルタイムに処理するのでスループットが重要視されます。
ソフトウェア自体の処理方式でもスループットに差がでますので、ソフトウェア選びは重要です。
※一般的に、キャプチャー機器(ハードウェア)のほうがソフトウェアより処理が速いですが、高価になります。

①取込み
入力ソースは、画面に表示されている映像とサウンドカードに入力している音声になります。
TV番組の録画をイメージすると分かりやすいと思います。
TV番組録画の場合は、入力ソースがTVチューナーからの映像・音声データという点が異なります。

 ②変換
取込んだ映像・音声を動画フォーマット形式のデータに変換します。
データ圧縮や加工(サイズ変更、クロップなど)を同時にすることが可能です。
動画変換ソフトなどと同じ様にエンコードを行います。
CPU・GPUの処理速度が重要視されます。

 ③書込み
変換したデータをファイルに書込みます。
HDDのWrite速度が重要視されます。

①から③の一連の動作で、遅延が発生するとコマ落ちや映像・音声悪化になります。
最悪、操作ができないくらいPCの動作が遅くなったりします。

攻城戦の場合は2時間の動画データになります。
その場合、ファイルサイズは膨大になり数百GBにもなります。
設定次第では、ファイルサイズは小さくなりますが、その分②の処理が多くなり、結果CPUへ負担をかけます。
設定のみで対処するのではなく、HDDを別途用意したり、録画する元画面のサイズを小さくする方がお勧めです。

・入力ソース(録画対象)には、以下が考えられます。
①フルスクリーン表示画面 ※Vistaの場合は、Direct3D10対応必須?
②ウィンドウ表示画面 ※フリーソフトでも可能。XP用のソフトも使用できる可能性大。

・録画方法には、以下が考えられます。
①リアルタイム録画
②プレイ後に録画(リネ2の録画機能で録画後、リプレイ再生画面を録画する)

3.キャプチャーソフトの機能 ※青色文字は、お勧め機能です。
①フルスクリーン/ウィンドウ表示画面録画※どちらか一方しかできないソフトが多い。
②Hotkeyと設定変更(録画開始・停止・一時停止などのキー割り当て)
※フルスクリーンで録画するにはHotkeyは必須。(マルチディスプレイを除く。)
 ③録画対象選択(自動、ディスクトップ全体、ウィンドウ指定、範囲指定、プロセス指定など)
※フルスクリーンの場合は、Direct3Dアプリを自動識別するようです。XP用ソフトだと動作しないケースがほとんどです。
④録音ON/OFF機能、入力ソース切り替え
※XP用ソフトの場合は、録音デバイスにステレオミキサーがないと録音できません。
 ⑤カーソル表示/非表示設定
⑥エンコード機能
 
※圧縮率と変換速度のバランスを考えて独自コーデックを使用しているケースもあります。
 ⑦コーデック選択 ※映像/音声のコーデック選択が可能な場合があります。
⑧出力先指定
⑨ファイル分割機能

 ※長時間録画するのであれば、ファイル分割したほうが安全です。
 ⑩ファイル名連番機能
⑪AVIファイルフォーマット出力
 ※AVI形式であれば、多くのソフトで再利用可能です。
 ⑫画面サイズ変更 ※リサイズ処理は、ソフトによって方式が異なります。画質が落ちることがあります。
⑬フレームレート表示機能
⑭nProtect GameGuard対応

※フリーソフトの多くは、Windows XP用に開発されています。Vistaで動作する場合もありますが、すべての機能が動作するとは限りません。中には、Hotkeyが使用できないものもありました。
※Vistaでは、デバイスドライバー周りの仕様変更がありました。その影響で、グラフィックカードやサウンドカード用に導入しているドライバーが、Vista用かXP用かで結果が異なります。

Vistaの場合、XP用のドライバでも一応動作しますが、Vistaの機能は利用できなくなります。
グラフィックに関しては、こちら
サウンドに関しては、こちらこちら。(XP編はこちら)

※XP用ソフトを利用する場合は、管理者モードで実行すれば動作する場合もあります。
※nProtect GameGuard未対応の場合、起動順序があり面倒です。最悪、利用できないこともあります。

機能性、安定性、動作の軽さで選べば良いと思います。

ただ機能は多すぎても使いませんし、その影響で不安定になることもあります。

お勧めは以下の通りです。(※OSがVistaの場合)
・機能性では、Dxtory製品版
・安定性では、Fraps製品版
軽さは、PC性能、構成、設定に左右されるので使ってみてくださいとしかいえません。
・フルスクリーン画面なら、DxtoryかFraps。
・ウィンドウ画面でよければ、アマレココ(※専用コーデックは有料です)

※製品版を購入する場合は、必ず評価版で動作確認をしてからにしてください。
※初めて挑戦するのであれば、リプレイ再生を録画する方法でキャプチャーソフトは評価版を使用するのがお勧めです。この方法であれば低スペックのPCでも動画が作成できると思います。

※2009.03.30現在、リネージュ2はDirectX9(Direct3D9)のアプリケーションです。DirectX10(Direct3D10)用には最適化されていませんので、キャプチャーソフトではDirectX9(Direct3D9)アプリとして認識されます。ただ、VistaはDirectX10を使用しているため、フルスクリーンで録画する場合は、直接キャプチャーソフトがDirectXに命令を送ることになり、DirectX10(Direct3D10)対応でないとコントロールできないのかもしれません。そのために、ターゲットを認識できなかったり、HotKeyが使えなかったりしてしまうのだと思います。ウィンドウモードの録画では、WindowsXPで開発されたキャプチャソフトの多くはGDI APIが使用されています。Vistaはこの過去の資産を利用できるような対策を講じており、DWMがGDI APIとDirectXへの橋渡しをしているため、うまく録画できるのだと思います。これはWDDM対応(Vista用)ディスプレイドライバを使用している場合の動作であり、XP用ディスプレイドライバをVistaに導入している場合はこの限りではありません。

WDDM非対応(Vistaがリリースされた当時のドライバ、マザー付属のドライバ)では、アマレココやWindows Mediaエンコーダでフルスクリーン画面をキャプチャできたように思います。ただし、録画した動画を再生するとチカチカと点滅していた記憶だけはあります。どっちにしろフルスクリーンモードでは使えないと思います。

要するに、使用するPCのOSバージョン、ドライババージョンにより、録画できるか否かは変わってくるので、最低限自分が使ってるPCのOSバージョン(SP含む)、ドライバーバージョン、使用したいソフトウェアの要件は把握しておいてください。中には、要件にVisual C++ 2008 再頒布可能パッケージや.Net Framework 3.5など別途必要なケースがあります。.Net FrameworkはXPは1.1もしくは2.X、Vistaは3.0がデフォルトです。

これは、キャプチャソフトに限った話ではなく、動画編集ソフト、エンコードソフトやその他ソフトウェアで共通していえることです。

※WDDM(Windows Display Driver Model)とよく似た言葉にWDM(Windows Driver Model)とWHQL(Windows Hardware Quality Labs)がありますが、前者は、Windows XP 以前のデバイスドライバのフレームワークです。VistaはWDMと新しいWindows Driver Foundationをサポートしています。後者はWindows対象製品としてふさわしいと認定されているかどうかを表しWHQL認定ドライバという使い方をします。認定された製品にはデジタル署名がついています。WHQLはXPとVistaの両方で使われる言葉です。一方、WDDMはVistaのディスプレイ(グラフィック)用デバイスドライバおよびグラフィックカード(ハードウェア)で使われる言葉で、Vistaロゴの条件の1つでもあります。

 


 

★サンプル動画

お金をかけずに、上で推奨したキャプチャーソフトを利用した場合のサンプル動画です。
一例にすぎませんが、参考にしてください。

①録画条件(共通)
・リネージュ2リプレイ再生画面を録画
・画面表示:ウィンドウ画面表示
・画面サイズ:800×600(4:3)

②キャプチャーソフト(個別)
・Fraps評価版(コーデック:FPS1)
・Dxtory評価版(コーデック:Dxtory)
・アマレココ(コーデック:Lagarith) ※ムービーメーカが64bit版であるため、コーデックも64bit版でないと映像が表示できません。
・Windows Media エンコーダ(コーデック:WMV9+WMA9.2Lossless)

③ビデオ編集ソフト(共通)
・Windows ムービーメーカHD(64bit版)
・再生時間:約1分
・エンコード設定
– カスタムプロファイルを使用
– ファイルフォーマット:ASF(WMV+WMA)※拡張子.wmv
– ビデオサイズ:800×600
– フレームレート:30fps
– 映像
コーデック:WMV9
ビットレート:1450kbps(CBR)
– 音声
コーデック:WMA9.2
ビットレート:128kbps(CBR)

※以下のサンプル動画は、リネ2を起動していると再生できないと思います。
サンプル1(Fraps評価版)

 

サンプル2(Dxtory評価版)

 

サンプル3(アマレココ)

 

 

サンプル4(Windows Media エンコーダ)

 

2月24日現在、PCリストアにより症状は改善しています。

※サンプル3の動画は、キャプチャしたASF形式(拡張子.wmv)の動画ファイルを、AVIUtlを使ってAVI形式に変換し、ムービーメーカに取込むといったイレギュラーな手順で作成しています。
以下、ムービーメーカで発生した事象です。
取込んだASF形式(拡張子.wmv)のファイルをカット編集すると、
①カット編集した動画がプレビュー再生できなくなる。タイムライン上でも同様。
⇒他の動画ファイルをプレビュー再生すると直りました。タイムライン上の動画の場合は、別の動画をタイムライン上に配置して再生すれば直ります。
②発行中に毎回同じ箇所で処理が停止する。(エラーメッセージなし、時間が経過するのみ)
⇒カット編集していないASF(拡張子.wmv)ファイルであれば発行できました。
以上により、ムービーメーカでは、ASF(拡張子.wmv)ファイルを取込んで編集はできないと判断しました。私の環境だけで発生する事象かもしれませんし、取込んだ動画ファイルの圧縮設定などの問題かもしれません。

実用性を考慮すると、この手順では非常に面倒なため、特に理由がないのであればWindows Media エンコーダでキャプチャーするのは避けたほうが良いと思います。