携帯動画変換君を使ってみる

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携帯動画変換君を使ってみる

「MeGUIのOne-Click Encode」に記載したように最初はGUIアプリで作業して、フローや設定が固定になってくればGUI操作よりバッチスクリプトのほうが便利に思えてくることもあります。
バッチスクリプトの方法は、WindowsコマンドスクリプトやPowershellスクリプトを紹介済みですので、ここでは携帯動画変換君をカスタマイズする例を紹介します。

【前提条件】

・Avisynth2.5.8以降がインストール済みであること
・携帯動画変換君を設置済みであること
※D:tools3GP_Converter034(※以下導入フォルダと呼ぶ)に設置してあるとして説明します。
・携帯動画変換君のSetup.exeをまだ実行していない状態であること
・AVS2WAVが導入済みであること(ファイルサイズが2GB以上に対応版)
・NeroAACEncが導入済みであること
・MeGUIが導入済みで初回Updateが完了していること
※携帯動画変換君には直接変更をなるべく加えないように配慮しています。
 

1.カスタマイズしたdefault_settingフォルダ内にカスタム設定ファイルを作成

導入フォルダのdefault_setting以下に作成したカスタム設定ファイル(Transcoding_XXXX.ini)を配置します。
※XXXXの箇所はユニークな名前です。
※説明に使用しているファイルはこちらの配布物のページに用意しましたのでご利用ください。
(この中にAVS_AVI.avsも含んでいますのでそれぞれ適切な場所へ移動してください)
※ダウンロードした中にあるファイル名「Transcoding_PC_H264+AAC.ini」です。

【ダウンロードファイルの説明】

①scripts.zipを解凍します。
②解凍してできたscriptsフォルダを導入フォルダ(3GP_Converter034)直下に移動します。
③移動したscriptsフォルダ内の「Transcoding_PC_H264+AAC.ini」をdefault_settingフォルダ内に移動します。
※この作業をすれば次の2番と4番の作業は不要になります。

2.scriptsフォルダを作成

導入フォルダ以下にscriptsフォルダを作成します。
※名前はユニークでOKです。
※主に外部プログラムを配置するフォルダとして使用します。

3.外部プログラムを配置

外部プログラムはダウンロードしたものを直接ここに配置してもよいですし、他のフォルダにあるものをコピーしてもよいですが、ここでは、紹介としてシンボリックリンクを利用する方法を説明します。
UNIXやUNIXクローンではよく使われる機能ですが、Windowsではあまり知られていません。
※シンボリックリンクを使えば管理が楽になるケースがあります。
※scriptsフォルダがシステムドライブ内の場合はうまくいかないかもしれません。

①管理者権限でコマンドプロンプトを起動します。

②カレントディレクトリを導入フォルダのscriptsへ移動します。

③mklinkコマンドでシンボリックリンクを作成します。
コマンド構文は以下の通りです。
mklink 【作成するファイル名】 【実体があるパスを含むファイル名】

リンクを作成するのは、今回は以下の6つです。
avs2wav.exe
neroAacEnc.exe
x264.exe
mp4box.exe
js32.dll
msvcr100.dll

※js32.dllとmsvcr100.dllはmp4boxで使われるライブラリファイルでmp4boxと同じパスにないと読み込まれないので作成しました。
※シンボリックリンクと似たものでショートカットがありますが、この場合は、コマンドプロンプトでは実行できますが携帯動画変換君内部では実行できませんでしたので、cmd /c で囲めば実行できるはずです。その際は、x264.exeならx264.exe.lnkになります。
※今回はX264CLIを使用しましたが、MeGUIに付属しているffmpegでlibx264を利用してエンコードすることも可能ですが、ffmpegでH264エンコードする場合の詳細オプションを理解できていないので説明は省略させていただきます。

4.AVSファイルの雛形を作成

scriptsフォルダ内にファイル名「AVS_AVI.avs」を作成します。
※ファイル名はユニークです。
※ファイル名は3GP_Converter.iniファイル内の記述と一致させてください。
※このファイルは拡張子.aviを読み込む場合に使用します。

以上の作業が完了するとscriptsフォルダ内は次の画像のようになっています。

5.初期設定を実行

①携帯動画変換君のSetup.exeを実行します。

②「MP4(H264/AVC+AAC)への変換用」を選択し、「設定」ボタンをクリックします。
※この作業で、「3GP_Converter.exe」の起動に必須である「Transcoding.ini」を生成します。
※「Transcoding.ini」は選択した設定ファイルをコピーしてリネームしたものです。

③ドラッグ&ドロップの画面が表示されますが、一旦終了します。
※初期設定直後の画面ではドラッグ&ドロップできないようですので再起動します。

④起動画面内で右クリックし、オプションを選択し設定画面を表示します。
「外部プログラムを起動します」にチェックを入れます。
※上記カスタマイズをすると進捗バーが表示されなくなりますので、処理が終了したことがわかるようにメッセージBOXを表示させることにしました。

⑤3GP_Converter.iniにAVI用のAVSファイル設定を追加
以下の1行を追加します。
Ext3=AVI:scriptsAVS_AVI.avs
※この作業はSetup.exe実行前でも可能かもしれませんが、何らかのタイミングで初期設定にもどってしまっているようだったので、ここで設定しました。

⑥ファイルをドラッグ&ドロップして実行します。
※今回用意した設定には平均ビットレートと品質ベースの2種ありますので、プルダウンリストで選択してからドラッグ&ドロップしてください。
※画像は進捗がわかるようにLog画面を表示させていますが、標準出力が流れてしまっていますのであまり役には立ちません。

⑦処理が完了すると以下のメッセージBOXが画面に表示されます。
※ファイルの出力先は、出力先ディレクトリで指定した場所です。
※指定していない場合は入力ファイルと同じ場所です。
※Transcoding.iniファイル内に構文エラーがあってもスルーされ同じメッセージ画面で終了します。

留意点

・「処理中のファイルを中断」ボタンで中断させようとしてもプログラムは中断しません。タスクマネージャから該当プロセスを終了させるか、3GP_Converter.exe自体を終了してください。
なおCtrl+Shift+ESC同時押しでタスクマネージャが起動します。
・AVISynthを使用する場合は<%InputFile%>の箇所がAVSファイル名に置き換わります。
・AVSファイルに関するファイル名の置換、作成は内部で自動的に行われます。
・AVSファイルはユーザ環境変数%TEMP%(※通常は%USERPROFILE%AppDataLocalTemp)以下に作成されます。
・その他の中間ファイルもそれにあわせて%TEMP%に作成していますが、処理の最後に削除するようにしてあります。
・品質ベースの設定のほうはビットレート値が高くなる傾向にあるため、ファイルサイズが大きくなりっています。

以上のように、バッチ化は携帯動画変換君の機能を利用する例を紹介しました。ここで紹介した方法は一例にすぎませんので自分のやりやすい方法を見つけてください。

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この記事を書いた人

大阪府門真市に生まれ、高校卒業まで京都府福知山市で育ち、大学は工学部電子工学科を卒業。半導体設計会社に勤務ののちインフラエンジニアとして監視基盤の運用設計業務に就く。現在は都内の施設に勤務。横浜在住。人の役に立てることができればいいなと日々思っています。

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