MeGUIのOne-Click Encode

以前紹介したMeGUIもあれから進化しており、インストーラ形式からポータブル版として解凍するだけですぐに使用することができるようになりました。またブルーレイのビデオタイトルを想定したツールも加わり、またOne-ClickEncodeやAutoEncode機能も追加されています。

ここでは、One-Click EncodeとAutoEncode機能の使い方と将来的にバッチスクリプトへの移行を想定していますが、その際に困惑するコマンドオプションについて決め方を紹介します。

【前提条件】
・Avisynth2.5.8以降がインストールされていること(※別途ダウンロードが必要)
・NeroAACEncがインストールされMeGUIでパスが設定済みであること(※別途ダウンロードが必要)
・MeGUIが導入済みでかつ初回Updateが完了していること
・MeGUIにAviSynthプロファイル、映像用プリセット、音声用プリセット、One-Click Encode用プロファイルが登録済みであること
※説明で使用しているこれら一式のファイルはこちらの【配布物】のページからダウンロードできますので、ZIP形式のままMeGUIでインポートすればそのまま使用できます。
※自分で用意した場合は、以下説明文の該当箇所は読み替えてください。
1.プリセット一式のインポート

※すでにプリセットが登録されていれば必要ありません。
以降の説明ではダウンロードしたプリセットを使った説明になっています。
①zoome.zipを上記リンク先からダウンロードし、適当な場所に保存します。
②MeGUIを起動します。
③File⇒Import Presetsを選択します。
④ファイルブラウザーを操作して①番で保存したzoome.zipを選択します。
⑤以下の画面が表示されますので、すべてチェックしてImportをクリックします。

以上でプリセットのインポートは完了です。

2.One-Click Encode

①MeGUI画面の右下にある「One-Click」ボタン(※Ctrl+F1でも可)をクリックします。

②Input file 欄右のボタンをクリックし、変換したい動画ファイルを選択します。
※Target欄のOneClickProfileが「zoome」になっていることを確認してください。
※Configボタンをクリックすれば内容確認、変更や新規登録ができます。
※OneClick Profile内では、Video Preset:zoome改良、Audio Preset:zoome、Avisynth Profile:zoomeになっているはずです。

④右下のGo!ボタンをクリックするとJOB Queueに登録されます。
※Options⇒SettingsメニューでAutostart Queueにチェックしている場合はすぐにJOBが実行されます。そうでない場合は、Queueタブを表示して左下のStartボタンで開始してください。

⑤JOBが開始されると以下の進捗画面が表示されます。
※OneClickEncode用のJOB1とJOB2が実行されます。
※JOB2が終了するとこの画面は消えますが、新たに登録されたJOBが開始されます。
※このときは、以下のような進捗画面は表示されません。

⑥進捗画面が消えた後はQueueタブを使用してJOBの実行状況を確認してください。
※これらのJOBが実際に変換を行う処理になります。
※出力先は基本的には入力ファイルと同じ場所です。
※中間ファイルはJOB6で削除されます。

⑦JOBの結果はLogタブで確認できます。
※赤線で囲んだ箇所が実際に実行したコマンドオプションです。job commandline:が目印です。
※この画面では表示できるだけでコピーはできません。
※画面内で右クリックをするとTEXT Viewerを起動できます。このTEXT Viewer内であればコピーができます。(右クリック⇒Edit text⇒logで起動)

⑧Text Viewer起動画面です。
※画面右端のスクロールバーで操作すると内容が確認できます。
※Job commandline:の箇所が実際に実行されたコマンドオプションです。
※この箇所をコピーすればバッチスクリプトの作成が容易になります。
※そのままでは、同じファイルに対してしか処理ができませんのでファイル名の箇所は変数に置き換える必要があります。

以上でOne-Click Encodeは完了です。

3.AutoEncode

MeGUIは直接変換対象のファイルを読み込むわけではなく、AVSファイルを介して読み込みますので、かならずAVSファイルが必要になります。One-Click Encodeの場合は、最初のJOB2でAVSファイルを作成していますが、AutoEncodeの場合はAVSファイルの作成が必要になります。
そこで、AVS Script Createrで作成するところから紹介します。

①Tool⇒AVS Script Creater(※Cntrl+Rでも可)を選択します。

②以下の画面が表示されますので、Video Input欄の右のボタンをクリックしファイルブラウザを操作して変換対象ファイルを選択します。
※AviSynth profileが「zoome」になっていることを確認します。

③「DirectShowSource」ボタンをクリックします。
※One Click Encodeボタンをクリックすると先に説明したOne-Clickボタンをクリックしたときと同じ画面になります。

④I/OタブではCropやResizeの設定が可能です。
※映像に黒い不要箇所がある場合はAutoCropボタンをクリックすると自動でCrop値を設定してくれます。DVDビデオなどで役立ちます。

⑤Filtersタブでは、インタレース除去やリサイズに使用するフィルターを選択できます。
※メニューで選択できるのはMeGUIで用意されている標準的なフィルターのみです。
※別のフィルターを使用したい場合はScriptタブで直接記述します。
※Analyseボタンで解析が行われ自動的に設定してくれますが、うまく解析できないケースもあります。
※PCで録画したファイルの場合はProgressiveを指定すれば問題ありません。

⑥Scriptタブでは、AVSファイルの記述の確認と、直接フィルターの記述が可能です。
※映像用と音声用のAVSファイルを兼用するため、audio=trueに修正します。
※この作業をしないと別途音声用の入力設定が必要になります。
※直接フィルターを記述する際は、使用するフィルターを配置した場所にもよりますが、プラグインを読み込む記述も必要になります。
※Avisynth導入フォルダのPluginsフォルダ以下に配置している場合は不要です。(Ver2.5以降)
※SaveボタンをクリックすればAVSファイルが作成されます。

⑦MeGUIメイン画面に戻ります。準備が完了しましたので右下の「AutoEncode」ボタンをクリックします。

⑧それぞれ赤線で囲んだ箇所を確認して「Queue」ボタンをクリックすればQueueに登録されます。
※字幕ファイル、チャプターファイルがある場合のみ「Add additional content」のチェックは入れてください。

⑨Subtitle欄には字幕ファイルがある場合に設定します。GoボタンでQueueに登録されます。
※字幕を映像に合成してエンコードすると再生時に切り替えできなくなりますがどのプレイヤでも表示できます。ここで指定した場合はこのケースになります。(ハードコーディング方式)
※それに対してソフトコーディング方式とよばれるものがあります。この場合はプレイヤに字幕用スプリッタ機能がなければ表示・非表示が切り替えられません。このケースを使用する場合は、映像ファイル、音声ファイルを合成する段階で字幕ファイルも一緒に合成します。
※MP4でサポートしている字幕ファイルはSRTなどのテキスト文字です。画像文字の場合はMKVがサポートしています。ソフトコーデング方式は、ニコニコ動画やzoomeのテロップ表示/非表示切り替えをイメージするとわかりやすいと思います。
※Options⇒SettingsメニューでAutostartQueueにチェックしている場合はすぐに処理が開始されます。

これ以降はOne-Click Encodeの場合と説明は同じですので省略します。

どちらのケースでも使用しているプリセットが同じであるためできあがる動画ファイルの解析結果は同じになります。

以上、MeGUIを使った2通りのエンコード方法を紹介しました。

One-Click EncodeとAutoEncodeの相違点
・ffindexとAVSファイル作成用JOBが登録される(One-CLick)
・進捗画面が途中の処理までしか表示されない(One-Click)
・映像用と音声用の2種類のAVSファイルを作成する(One-Click)
・AVSファイルの個別カスタマイズが容易である(AutoEncode)
・不要と思える処理がある(One-Click)
・バッチ処理と大差ない操作で実行できる(One-Click)
・手順が多い(AutoEncode)
・出力ファイルは入力ファイルと同じ場所(One-Click)
・出力ファイルはOptions⇒Settingsメニューで指定した場所、指定がない場合は入力ファイルの場所(AutoEncode)

共通点
・AVS Script Createrから起動可能
・AviSynthプロファイルや映像用と音声用プリセットを事前に準備しておけば便利

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この記事を書いた人

大阪府門真市に生まれ、高校卒業まで京都府福知山市で育ち、大学は工学部電子工学科を卒業。半導体設計会社に勤務ののちインフラエンジニアとして監視基盤の運用設計業務に就く。現在は都内の施設に勤務。横浜在住。人の役に立てることができればいいなと日々思っています。

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