無線ルータを買い替えてもうすぐ2年になるかと思います。
ISPからレンタルしている光電話対応ルータ(PR-200NE)は、無線を使用するには無線親機をスロットに挿入することで使用は可能ですが、レンタル料が発生する点、LANポートが100Mbpsである点、Syslog転送できない点で、家庭内LANでWiFiが使えるようにと別途無線ルータを用意していました。
WZR-600DHP
現在使用しているAirStation WZR-600DHP/Y(バッファロー)は、MN-8300W(NTT-ME)からの買い替えになります。
WZR-600DHPは、とにかく設定変更が反映されるまで遅い(長い項目で120秒)かつ再起動が必要のない変更のはずが再起動(80秒)しないと反映されない。
設定変更で一瞬接続が切れる。設定変更の反映作業後に無線が接続できなくなることが多い。
使えば使うほど不満がでてきます。
MN-8300Wでは、設定の更新は瞬時で、再起動が必要な項目はちゃんと更新時にメッセージがでました。
設定が反映されなくて再起動しないといけないということもありませんでした。
例えばMACアドレスフィルターをGUIで登録する場合、1項目ごとに設定反映が必要なのは両者同じですが、MN8300Wは1秒かかるかどうか、WZR-600DHPは56秒必要と表示され実際にそれくらいの時間を要しています。
また、別の設定項目へ遷移するときにユーザIDとパスワードを再入力をしないといけないのでWZR-600DHPで設定を確認変更するのは非常に面倒です。
WZR-600DHPはデフォルトで使用する人向けのルータといった印象です。
WZR-600DHPは販売も終了していますし、IEEE802.1ac未対応なのでこれから購入する人はいないと思いますが、非常に癖のあるルータに思えます。
バッファロー製ははじめてだったのですが、ヨドバシモデルとかの時点で廉価版だったのかなぁとか感じています。
今回の買い替えは上記以外にIEEE802.11ac対応を使ってみたいと思ったのが一番の理由です。
WZR-600DHPを購入した当時はスマホはIS12Sを使っていたのでIEEE802.11acは不要でしたが、現在使用しているXperia ZL2/Z-Ultraでは対応しています。
隣の部屋で録画番組をWiFi経由で再生しているとどうしてもネットワークエラーが発生します。
135M~150Mあたりで接続できていると表示はされていますが、これはLINKスピードなので実際のデータ転送速度はそれ以下になります。
多くの無線機器が接続されているとさらにデータ転送速度は落ちますし、電波状況もあまりよくない環境だと瞬断する可能性も考えられます。
デジタル放送の録画番組を再生(DTCP-IPを使っている)しているのでビットレート分の帯域は安定して確保できていないと通信が途絶えてネットワークエラーになるんだと思います。
録画番組は録画機のトランスコード機能で15倍録画しているのでビットレートは約1.6Mbps(bit/秒)です。音声分でさらに必要になる場合があります。
トランスコードしない場合は、地上デジタル放送で約17Mbpsになります。BSデジタル放送やCS放送になるとさらに高ビットレートになります。
ストリーミング再生するということはストリーミング用メディアサーバとプレイヤー間の通信帯域が安定してそのビットレート分利用できなければなりません。
メディアサーバ側が接続したプレイヤーに合わせてトランスコードで低ビットレートに変換してくれるのであれば必要帯域も少なくてすみます。
アンテナ出力が大きければ大きいほど遠くに飛ばせるでしょうし、アンテナ数が多ければそれだけ同時に受信できる数も増える(結果帯域が増加する)ように思います。
ただし、電波法などで規制されているので限界は存在します。
ちょっと前までは本体からアンテナが出ている製品がいかにもな感じでいいのかなぁと思っていましたが、最近ではプリント基板上に搭載した小さなチップに変わっているので外見ではわかりません。
そのため、製品仕様をみないとアンテナが何本あるのかわかりません。
チャンネルボンディングとMIMO
IEEE802.1nはチャンネルボンディングとMIMO、IEEE802.1acはそれぞれの拡張により速度強化されています。
チェンネルボンディングは1チャンネル20MHzを束ねて帯域幅を増加される技術、MIMOは通信経路を複数用いることで同時に使用できる経路を増やす技術です。
IEEE802.1n | IEEE802.1ac | |
---|---|---|
1チャンネルの周波数[MHz] | 40 | 最小80、最大160 |
最大アンテナ数(送信x受信) | 最大4×4(4ストリーム) | 最大8×8(8ストリーム) |
ポイントは5GHz/2.4GHz帯それぞれに何本アンテナが用意されているのか?です。
仕様書をみてどういった製品なのかを理解するには事前に知識が必要です。
無線LANに関する情報はこちらが参考になると思います。
5GHz帯と2.4GHz帯のそれぞれのアンテナ数が異る製品もあるので、それを理解して2.4GHz帯と5GHz帯を使い分け子機をセットアップすることでベストな通信速度が確保できそうです。
具体的にはIEE802.1n対応と未対応、AES認証可と不可の子機を5GHz帯と2.4GHz帯に分けて接続する必要がありそうです。
それを踏まえて、WZR-600DHP(5GHz帯IEEE802.1n)とMN8300W(2.4GHz帯IEEE802.1g)を使ってWiFi環境を再構築してみました。
テストに使用したのはXperia ZL2(IEEE802.1n/a/g/ac対応)で、親機の側で使用しました。
※WZR-600DHPのみで検証できるのですが、WZR-600DHPの性能にも疑いがあったので2.4GHz帯の比較のためMN8300Wを使うようにしました。
結果
5GHz帯での接続時のリンクスピードは135Mbpsまたは150Mbpsの表示でした。
2.4GHz帯での接続時のリンクスピードは54Mbpsでした。
※ちなみに、WZR-600DHPの2.4GHz帯での結果は65Mbpsまたは72Mbpsでした。
※Z-UltraではLINKした瞬間は1Mbpsとか9Mbpsといった低い数値が表示されますが時間が経つとZL2と同じくらいの数値になっています。
インターネットのサイトを閲覧してみましたが、2.4GHz帯では少しもたつきを感じますが、そもそも5GHz帯でいつも使っているので遅く感じただけかと思います。
実用にはどちらも問題ありませんでした。
5GHzと2.4GHzの使い分けでは、接続台数が1台と少ないため効果はわかりませんでしたが、きっと台数が増えると効果が現れると思います。
5GHz帯で150Mbpsになるのは、チャネルボンディングの効果で2倍以上の速度にはなるものの、Xperia ZL2のアンテナ数が1本であるためMIMOの恩恵が得られず150Mbpsが最大になるのかと思います。これにより、IEEE802.1ac対応ルータを使った場合は、チャネルボンディング拡張分の効果しか得られないと推測されます。
それでも最低300Mbpsにはなるのでかなりの速度アップは期待できます。
新規ルータの調査
ADSLのころから住友電工の製品を気に入って使ってました。
ホームユース用では、NTT-MEが販売終了したため、どこで手に入るのかがわからず、いろいろネットで調べましたが不明のままです。
とにかく管理画面が使いにくかったバッファーローは今回の選択からは省きました。
今回、候補に上げたのは以下の製品です。
WG1800HP2(NEC)
とにかくNECのフラッグシップモデルというだけの理由です。
次は失敗したくない。ただそれだけです。
WPA2 mixedモードについて明確に記載がないので不安があります。
WG1400HP(NEC)
価格的にこれくらいのグレードがお買い得感があるのかなぁという理由です。
WN-AC1600DGR3(IO-DATA)
中身はNEC製なのかなぁ?と思った次第です。
NECの型番の中間なので割安感があるかもと勝手に思っています。
多機能ですが使わない機能は無駄なだけでなくそれが足を引っ張ることもあるので使わないならないほうが良いとも思います。
設定のコピー機能は制限が多いのでまだ実用的ではないかもしれません。
WRC-1750GHBK2-I(エレコム)
新製品である点、今回の買い替え理由とは異なりますが固定DHCPでコメントが設定できる点で興味を持っています。
これができないためにMACアドレスだけではどのデバイスなのか全く不明で、わざわざFreeBSDでDHCPサーバを立ち上げて対応しています。
IPフィルターやスタティクルーティングについて設定できないようなのでちょっと残念です。
IPフィルターは専門知識が必要ですが本機のファイアーウォール設定のようにMACアドレスでアクセス制限ができるほうが他のDLNA機器と同様な点で家庭向けかもしれません。
R7500(Netgear)
その他、調べているとNetgear製を見つけ、R7500かR7000が欲しくなりました。
機能自体は他の機種と変わりないように見えますが、それがどの程度まで可能であるか?が全く異る様に思います。
動画を見る限り、設定反映までの時間も短そうですし、USB3.0やeSATAポートを備えているので、今、Windows8.1の記憶域に利用している裸族のインテリジェントビル(HDDケース)をそのまま接続できればなぁとか妄想しています。
外付けHDDに関連して小型PCを購入するか迷っていたので、Netgear製ならこれ1台ですませることができるかもしれません。
そう考えると1万円くらい出費を抑えることが可能になります。
写真は、100円ショップで30cmX30cmのラックのパーツを買ってきて組み立て、IRIS OHYAMAのメタルラック60cmX45cmに乗せてみました。
ぎりぎり外付けHDDと並べて設置出来ました。
ラック価格:ネット1枚300円x3+ポール1本100円x4+留め具4個100円x3=税込みで1800円でお釣りがあるくらいです。
一番上のネットだけ向きが異るのですが、組み立て時に体重をかけすぎて曲がってしまい一本折れて付け替えが困難なのでそのままです。
下のメタルラックとは強度が全然違いますし、溶接部がもろいので注意が必要です。
まだ、仮置きの状態なのでLANケーブルや電源ケーブルが適当ですが・・・
ルータとブリッジ
ひかり電話ルータ(PR-200NE)は光ケーブルの長さが30cmほど足りず、PCモニタの右後ろあたりに設置してあり、ルータモードで稼働してあります。
MN8300がNATルータで、WZR-600DHPをブリッジにしてあります。
※PR-200NEがISPの認証用です。(PPPoE)
ルータ2台あるためLANは2セグメント(ネットワークアドレスが2種類)になります。
MN8300Wの上に設置してあるのがNetgearのGS108E(8ポートスイッチングHUB)でラック一番下の段にあるコレガのスイッチングHUBとMN8300Wの間に接続しています。
家庭内LANのその他機器は同じネットワーク内に接続しないとUPnP機器が発見できないので、すべてスイッチングHUBに接続しています。
WiFiと有線LAN
一応、MN8300WのWiFiも利用していて(先のテスト環境のまま)、MN8300WでIEE802.11g、WZR-600DHPでIEEE802.11n/aにしてあります。
MN8300Wを無理やり使用している感がありますが、WZR-600DHPの設定更新のたびにすべてが切断するのに耐え切れずそうしました。
有線と無線が接続する機器を分離してあるのでWZR-600DHPの設定変更で有線LANに接続した機器が切断しないようにできています。
WZR-600DHPの隣にあるのがIS12Sです。
WiFiに接続してありますが、通常は置き時計として使っています。
DNSとDHCP
手前にあるThinkpadx21は、MACアドレスを管理したいだけのために、FreeBSDをインストールして、DNSとDHCPサーバを稼働させています。
MN8300Wを稼働させるならMACアドレスにアドレス名(テキスト)が設定できるので不要になります。
Thinkpadを操作する際は、このままでは体勢がつらくなるので、メタルラックの回転台を使っています。
SSHでリモート操作できるので、コンソール画面で操作するとき以外は必要ありませんが・・・
パッケト解析
あとは、Windows8.1のPC(写真左側)はNICを2枚差しにしてあるので、Vmware PlayerのゲストOSにFreeBSDをインストールしてGS108Eのポートミラーリングの1VS多に設定したポートに片方のLANケーブルを接続し、WireSharkでLAN内のパケットキャプチャーを可能にしてあります。
以上で、この30cmX30cmのラックに設置する新規購入したルータが届くのを待つ準備が整いました。