iPhone 12 miniで録画番組を視聴する

iPhone12 mini ブラック

スマートフォンをXperia 1からiPhone 12 minに機種変更しましたが、いろいろと変わってしまいました。
その一つがスマートフォンによる録画番組の再生です。

目次

iPhone 12 miniで録画番組を視聴する

著作権保護

まず、録画番組についてですが、日本ではTV放送の地デジ化により、放送番組およびその番組を録画したデジタルデータはすべて著作権保護がされています。これはデジタルデータ間の複製は劣化がないと判断され著作権保護の重要性が認められたためです。この著作権保護は大別すると以下の2点です。

有料とは

著作権法により「私的録音・録画補償金制度」が適用されていて、この補償金の支払い方法として、メーカから機器や媒体を購入する際に補償金を含めています。なので、無料のDTCP-IPプレイヤーは存在しません。あるとすれば研究や試作段階のもので将来的に安定して利用できるものではありません。

コピーガード機能とは

主になるのは暗号化です。データの送信側受信側だけでなくその経路でも暗号化により適切な機器間でしか再利用ができません。逆を言えばコピーができる製品は違法になります。必ず暗号化などの方法でコピー防止機能が実装されていなければなりません。

DLNA

DLNAとは、Digital Living Network Allianceの略です。家庭内で電子装置間のネットワークを可能にする業界標準です。
DLNAは規格ではなくガイドラインです。
DLNAにはv1.0 v1.5 v2.0(August 2009) v3.0(December 2011) v4.0(June 2016)があります。

Apple社はこのDLNAの加盟企業には含まれていません。

UPnP

Universal Plug and Playの略です。
“Universal Plug and Play Forum”で規定されたネットワークに接続する機器同士を、接続しやすくするための機能です。

内容については関連記事をご覧ください。

Apple社は、iTuneに実装されているBonjour(ボンジュール)を使用しています。

Media Format

Media Formatは、写真、音楽、動画などのコンテンツを形成するデータのファイル形式を規定するものです。
映像データ、音声データやその他文字データなどをエンコードして写真や音楽や動画が形成されています。
どのようなファイル形式でどのようなコーデックで形成されているのか?
その情報を交換することで対応している機器で再生(デコード)が可能になります。
機器のOSによって対応しているMedia Formatが異なりますしアプリによっても異なります。

Device Class

DLNAの機器の役割による分類です。
DMS(Digital Media Server)、DMC(Digital Media Controler)、DMP(Digital Media Player)
DMR(Digital Media Renderer)などがあります。移動端末用にはMobileが先頭に付きます。

DLNAガイドラインは10パートに分かれて説明がありますが、利用者には必要ないと思うので割愛します。

家庭内ネットワークおよびインターネットを経由して録画番組を再生/視聴する場合、このDLNAの技術が利用されています。

DTCP-IP

DTCP-IPとは、主にDLNAと一緒に用いられ、著作権保護されたデジタルデータを暗号化して安全に保護する技術(DTCP:Digital Transmission Content Protection)をIPネットワークに流用したものです。この技術により、レコーダで録画した孫コピーできない番組タイトルをネットワーク上の他のデバイスから再生したり送受信(アップロード/ダウンロードムーブ)することで再利用が可能になりました。

これまでの説明では、Apple社のデバイスで録画番組が再生できるのか?
Apple社は独自路線をいっているようで不安になります。
以下、試してみました。

録画番組再生テスト

以下のデジタルメディアサーバ(DMS)からDTCP-IP機能を使用して、iPhone 12 miniで再生ができるのかをテストしてみました。

iPhone 12 miniにはDTCP-IPプレイヤー機能がないので、今回は、アプリをインストールしました。

iPhone 12 mini

  • iOS 15.5
  • WiFi IEEE802.1ac 5GHz (MU-MIMO ビームフォーミング対応ルータに接続)

インストールしたアプリ(DMP DTCP-IP対応)

  • DiXiM Play for iOS (2.0.4(222))

使用したDMS DTCP-IP対応(LAN有線接続)

  • DiXiM SeeQVault Server Pro (ver.2.0.37.0)
  • Sony PC TV Plus + アドバンスドパック(v5.1.0.14100)
  • Panasonic DIGA DMR-BWT660(2013年モデル)

テスト結果

DiXiM Play for iOS
発見番組リスト再生
DiXiM SeeQVault Server Pro×
Sony PC TV Plus +アドバンスドパック×
Panasonic DIGA DMR-BWT660
Serviio(DTCP-IP非対応 DMS)

発見では、ネットワーク上でDMSが発見できたかを示しています。すべて発見できました。
番組リストでは、番組のタイトルを表示し選択することができるかを示しています。▽はオプションを変更することでグレイ表示(選択不可)からアクティブ表示(選択可)になりました。変更したオプションはどちらのケースも「問題解決オプション>再生判定を厳しくする」をOFFにしています。
再生では選択した番組リストが再生できるかを示しています。×はエラーが発生または読み込み中でいつまでたっても再生できなかったDMSです。

DIGA DMR-BWT660で配信している番組およびTV視聴が可能ですが、PCにインストールしているDMSからでは番組リストがグレイ表示だったり再生ができませんでした。※Android OS のTabletやスマートフォンからは問題なく再生ができます。
著作権保護のないコンテンツの再生では、Serviioから問題なく再生ができました。

再生判定を厳しくすると番組タイトルを選択できないことから原因はMedia Formatにあると推測します。
iPhone本体側になんらかの機能があれば再生できるのかもしれません。
またDMS側にトランスコード機能があってもApple iOS端末がサポートするMedia Formatに変換できないのであればどうしようもありません。

レコーダーのバックアップとしてまたは家中に配信するサーバとしてSeeQVault Server ProやPC TV PlusをPCにインストールして使用していましたが、iPhone 12 miniから再生できないのでは使えません。

2022年12月5日更新

iPhone12 mini でPC TV PLusおよびDiXiM SeeQVault Serverから配信しているコンテンツが再生できるようになっていました。
あれから変わったといえばiOS 16.0.1になったこと、Netgear R7800のファームウェアが何度かアップデートされたこと、PC TV Plusのバージョンがアップデートされたこと、PCのOSをWindows 11にしたことくらいです。
DiXiM SeeQvalut Serverのバージョンは変わっていないのでiOSのバージョンアップで可能になったと推測しています。

スマートフォン視聴とは?

IOデータのHVL-RSの機能を見ていると、「スマートフォン視聴」という言葉が出てきます。
そしてこの機能があるのはHVL-RSのみのようです。

この機能はどの機能を指しているのか不明です。
スマートフォンから再生ができるという意味なのか?
外出先でスマートフォンから再生ができるということなのか?
逆に、HVL-RS以外の機器では再生ができないということ?

これはDiXiM SeeQVault Server Pro や Sony PC TV+アドバンスドパックで再生できなかったのと同じ理由?
スマートフォン視聴という機能がなければできないということなのか?

であるならば、このHVL-RSを購入すれば解決するわけでしょうか?

そして、それにプラスして「同一番組のコピーカウントを複数保有しても同じ番組が2重化しない」機能が手に入ります。
この機能をわかりやすく説明します。

HVL-RSはマルチカウント機能搭載

レコーダでTV番組を録画するとダビング10のコピーガード機能で管理されます。
ダビング10は、9回コピーで最後の1回は移動です。
ある番組を別のDTCP-IP機器にムーブする場合を考えます。
それを極端な話、10回繰り返すとどうなるか?
ムーブ先の機器には同じタイトルの番組が10タイトル存在してしまいます。
タイトル一覧を表示させて同じタイトルがずらりと並ぶと表示スペースが占有され操作も面倒です。
これはタイトル数だけではなく容量の問題も発生します。
1タイトルで1GBの容量であれば10タイトル分で10GBを占有します。
もとは同じでもムーブ先ではそれぞれ別のもの扱いです。
これが従来の機器です。

しかし、HVL-RSは2重化しないとあるので、移動先には10カウントの番組タイトルが1つだけ、容量は1GBしか占有しないということです。要するに結果としてダビング10の残り回数を移動できることになります。
マルチカウント機能はレコーダに撮りダメした録画番組のバックアップや整理には非常に便利な機能です。
ただし、仕様通りに実際に動作した場合の話です。

HDDの容量は2TB/3TB/4TBの種類があります。
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RECBOXのデメリット

メリットしか書かないのは良くないので、私が思うデメリットです。

何かあれば本体買い替えです。
汎用機ではないことで個人でHDDの交換ができません。
HDDが壊れたからといってHDDのみの交換も当然できません。
修理対応は基本部品交換なので内部のデータの保証はありません。
結局は本体買い替えしかありません。
ハードウェアは日々進化してすぐに前世代は老朽化していきます。
アップデートして性能を向上させたくてもパーツ交換はできません。
故障以外の交換もできません。

2年や3年ごとに定期的にRECBOXの本体を買い替えできるのか?
購入前に検討が必要です。
一番壊れやすいパーツはHDDだと思います。
診断ミレルでHDDの健康状態の診断や温度と稼働時間を確認できますが、メリットのようで実はデメリットでもあります。
稼働時間で警告が出ます。そのタイミングは約2年だったと思います。
この警告が出ると気になって仕方がありません。
4TBのHDDが壊れるということはデータが突如使えなくなります。
警告通りだったら?チャンスは今しかないのかも?
2年ごとにRECBOXを買い替えていたら家中RECBOXだらけです。
結局、メッセージで教えてもらえても行動はできませんでした。
いまだに使用していますがずっとメッセージが出力されたまま正常に使用できています。
一般的なHDDの寿命は、外付けの場合は3年、内蔵は4年といわれています。
レコーダのDIGAは内蔵HDDですが、2013年モデルなので9年目です。
PCなどの汎用デバイスに接続した場合ならフリーソフトなど使ってS.M.A.R.T情報(対応しているHDDの場合のみ)でもっと実用的な指標で判断できます。RECBOXの場合は、メーカーが用意した方法でしかできません。
ずっとRECBOXを使っていたころは10年以上経過してもHDDは故障しませんでした。
それより本体の性能が低くなって使わなくなりました。
その後も何台か購入して、購入後5年くらいでHDDが壊れた経験をしました。
何も保存していなかったので被害はありませんでしたが、使用中のRECBOXだったらと恐怖です。
今はRECBOXを使っていません。1台ネットワーク上には接続していますが使用していません。

HDDを長く持たせるにはずっと電源をいれて一定の速度で回転させておくことだと思います。
良くないのは電源投入時のHDDが回転を始める動作(起動回数)、いきなり電源が落ちた瞬間。
落下などの衝撃、たばこのヤニなどの異物、磁気、高熱です。

RECBOXに関しての感想

DTCP-IP対応製品は、スマートフォンのように2年で買い替えのアップグレードサービスがあればよいと思います。2年でなくても4年でもいいです。
そうすれば利用者は増えることでしょう。

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この記事を書いた人

大阪府門真市に生まれ、高校卒業まで京都府福知山市で育ち、大学は工学部電子工学科を卒業。半導体設計会社に勤務ののちインフラエンジニアとして監視基盤の運用設計業務に就く。現在は都内の施設に勤務。横浜在住。人の役に立てることができればいいなと日々思っています。

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