WinSCPの導入と設定

WinSCPは、Microsoft社 Windowsで動作するオープンソースのグラフィカルインターフェイスのFTP/FTPS/SFTPクライアントソフトウェアです。ローカルコンピュータとリモートコンピュータを間の接続を暗号化してファイルのコピーが可能です。ファイルマネージャーの機能があるのでリモートコンピュータのファイル操作も可能です。別途言語ファイルが提供されていますので導入すればメニューは日本語で表示されます。

目次

WinSCPの導入と設定

公式サイトWinSCP

WinSCPはグラフィカルな操作でコンピュータ間のファイル転送が可能なクライアントソフトウェアです。
外部プログラムにPuTTYを利用することもできますし、ファイルの中身を参照する場合に使用するテキストエディタも好みのエディタを設定することが可能です。

WinSCPのダウンロードとインストール

インストーラ版とポータブル版がありますのでお好みでインストールしてください。

今回はポータブル版をダウンロードしました。2021.8.5現在の最新バージョンは5.19.2です。

公式サイトのページにあるDownloadからソフトウェアのダウンロードが可能です。
以下はポータブル版の場合です。

WinSCPのダウンロード

ポータブル版をダウンロードするにはOTHER DOWNLOADSのボタンをクリックします。

WinSCP 

Portable executablesにあるDOWNLOADボタンをクリックします

ボタンをクリックするとダウンロードが開始されます。
ダウンロードしたファイルは利用しているブラウザー設定のダウンロード先(ダウンロードフォルダ)に保存されます。

ダウンロードファイルの解凍

ZIPで圧縮されているのでOS標準の機能で解凍できます。
解凍したフォルダー名は「WinSCP-バージョン番号-Portable」です。

WinSCPのインストール

ポータブル版の場合は、解凍したフォルダーごとインストール先(D:\tools)に移動すればインストールは完了です。
(インストール先は任意です。ポータブル版の場所をD:\tools以下にまとめている場合の例です)

タスクバーへの追加

インストーラを使用していないのでスタートメニューには追加されません。
WinSCPの起動を簡単にするために「タスクバーにピン留めする」を選択します。

次回からはタスクバーに表示されているWinSCPのアイコンをクリックすれば起動できます。

バージョンアップの場合

ポータブル版を使用していてバージョンアップを行う場合、ダウンロードと解凍をすると別のフォルダーに新しいバージョンが配置されます。
これまでの設定を引き継ぐ場合は、WinSCP.iniを現在のフォルダーから新しいフォルダーへコピー&ペーストすれば大丈夫です。
バージョンアップした場合は、タスクバーにピン留めをするのと日本語対応はその都度必要になります。

日本語対応

日本語対応は別途言語ファイルをダウンロードしてWinSCPにロードすれば日本語表示になります。
言語ファイルはWinSCPのバージョンと言語ファイルのバージョンが一致していないとエラーメッセージが表示されますので、WinSCPの環境設定から言語ファイルのダウンロードサイトにアクセスするのが確実です。

日本語ファイルのダウンロード

WinSCPを起動します。
以下のように標準では英語の表記になっています。

WinSCP

左下にある「Tools」→「Preferences…」を選択し、Preferences画面を表示します。
次に「Environment」の中の「Languages」を選択します。
現在インポートされている言語の一覧と選択されている言語が表示されます。
WinSCP

右下にある「Get More …」ボタンをクリックすると、その他の言語ファイルがダウンロードできるサイトにアクセスします。
サイトにある一覧から「Japanese」をダウンロードし、解凍します。
解凍したフォルダーにある「WinSCP.jp」をWinSCP本体があるフォルダーに移動します。
移動後のWinSCPフォルダーは以下のようになります。
WinSCP

日本語ファイルのロード

WinSCPをいったん終了して再度起動したのち、先ほどと同じ「Languages」の画面を表示すれば、一覧に日本語が追加されています。
日本語を選択しOKで保存します。
WinSCP

もう一度、WinSCPを再起動すれば日本語表記に変わります。
WinSCP

WinSCPの設定

新しいサイトの作成

ポイントSFTPサーバでパスワード認証が有効であれば接続できる設定です。
まず、新しいサイトを押してセッションの編集ができるようにします。
次に転送プロトコル、ホスト名、ポート番号、ユーザ名を入力し、「保存」ボタンでとりあえず接続設定を保存します。
今回は次の表の内容で設定しています。

転送プロトコル SFTP
ホスト名またはIPアドレス ik1-438-51137.vs.sakura.ne.jp
ポート番号 11022
ユーザ名 sakura

接続先のサーバーではUNIX系がほとんどです。UNIX系であればOpenSSHがインストールされているケースが多くその場合はSSH、SCP、SFTP接続が利用可能です。
接続先のサーバーでどのサービスが稼働しているのかを確認の上、転送プロトコルおよびポート番号を設定してください。
ここではさくらのVPSを想定しています。SSHのサービスポート番号は11022に変更して稼働している例です。

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保存すると左の画面の一覧に設定が追加されます。
設定名は「ユーザ名@ホスト名」で作成されます。名前を変更したい場合は、管理メニューから行います。

WinSCP

ポイント設定変更する際、編集ボタンから操作を開始します。設定変更した場合は保存すれば、ログインやツールメニューや管理メニューなどその他の操作ができるようになります。

接続時にパスワードの入力を省略したい場合は、パスワード欄にパスワードを入力して保存すれば、セッションの保存名のポップアップウィンドウが表示されます。
「パスワードを保存」にチェックすれば毎回パスワードを入力せずに接続可能になりますが、安全性を考慮するとおススメできません。
WinSCP

一覧にある設定名を変更する際は、管理メニューから名前の変更で行います。

秘密鍵の設定

ポイントSSHサーバーで公開鍵認証が有効な場合に設定します。

詳細な設定は、編集ボタンをクリックした後、その横にある設定メニューから設定を選択して行います。
高度なサイトの設定画面が開きますので、以下のように使用する秘密鍵を設定します。

ここでは、「C:\tools\keys\id_ed25519.ppk」の秘密鍵を設定しています。
WinSCP

設定を変更したので保存ボタンをクリックし保存します。

外部プログラムの使用

WinSCPはSSH端末ソフトやテキストエディタソフトに外部プログラムを設定できます。
その設定は「ツール」→「環境設定」で行います。

テキストエディタの変更

標準設定の内部エディタを普段使用しているエディタに変更する方法です。
ここでは、ポータブル版のサクラエディタに変更しています。
エディタを選択したのち追加ボタンをクリックします。
WinSCP

以下のように、サクラエディタを追加します。
※プログラムファイル(拡張子.exe)を選択します。
WinSCP

つぎに優先順位を一番上に変更します。
WinSCP

OKで閉じます。

外部アプリケーションの変更

続いて、外部アプリケーションにPuTTYrvを設定します。
統合の中になるアプリケーションを選択します。
標準ではインストーラ版のPuTTYの設定になっているので変更しました。
WinSCP  
OKで閉じます。

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INIファイルから設定の読み込みと書き込みを行っている場合は、PuTTYのレジストリ設定は無視してください。

WinSCPからPuTTYrvやサクラエディタを使用できるようになりました。
あと、PuTTYに付属のpegeantを起動してAddKeyを行いパスフェーズを入力し終わっていれば、WinSCPからの接続時のパスフェーズの入力を省略できます。

隠しファイルを表示

WinSCPのデフォルト設定のままでは、ドットで始まるファイルやディレクトリ(フォルダ)を表示できません。
UNIX系ではホームディレクトリ直下にある環境設定ファイルや環境設定用ディレクトリがドットで始まります。
たとえば、「.ssh」ディレクトリが表示できるように隠しファイルを表示する設定に変更します。

一般の項目にある「隠しファイルを表示する」を☑に変更します。
WinSCP

以上でWinSCPのインストールと設定は完了です。

この記事では基本的な設定の変更のみですので、お好みでいろいろ設定を変更してみてください。
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この記事を書いた人

大阪府門真市に生まれ、高校卒業まで京都府福知山市で育ち、大学は工学部電子工学科を卒業。半導体設計会社に勤務ののちインフラエンジニアとして監視基盤の運用設計業務に就く。現在は都内の施設に勤務。横浜在住。人の役に立てることができればいいなと日々思っています。

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