DiXiM SeeQVault Server Proにて、録画番組はWindows 10搭載PCに格納し、このPCからストリーミング配信しています。
その際の問題点として、「フォルダー分けができない」です。
これはこの製品に限らず、SeeQVaultの仕様だと思われ、おそらくデータが階層を持つことができないようです。
そのため、100タイトル、1000タイトルと増えていくと、ディーガからどのタイトルがムーブできていてどのタイトルができていないのか?
全くわかりません。
これを解決するには、外部アプリでフォルダー分け相当の機能があれば便利です。
物理的に階層が持てないのであれば、フラットに保存されているデータをタイトルなどでまとめて表示してくれるだけで助かります。
PC TV Plusのシリーズ表示
調査したところ、SONY製の以下2製品がヒットしました。
どちらもPlayerですが、いくつかある機能の中に「シリーズ表示」があります。
今回は、この「シリーズ表示」機能にフォーカスをあてて記載します。
なお、調査には2番のPC TV Plusを使用しました。
※どちらの製品も14日間の無料体験期間があります。
※1番のほうは過去に無料体験をしていたようで使用できなかったため2番にしました。
PC TV Plusのインストール
インストールはサイトからインストールプログラムをダウンロードして、起動するだけです。
機器登録
インストールウィザードが終了すると機器登録が行われます。
Playerなのでサーバをその都度選択できるのかと思いましたが、ここで登録した機器しか使用できないようです。
他の機器を使用する場合は追加登録が必要です。
DiXiM SeeQVault Server Pro(Windows 10PC)を登録
ホームサーバ機能の説明
設定
以下のような設定項目があります。
DiXiM SeeQVault Server ProのPCを登録したので、録画機能などが非表示になっています。
登録した機器にあわせて機能がアクティブになるようです。
シリーズ表示とは
お目当てのシリーズ表示です。
そこそこの精度でシリーズ表示できています。
しかし、そのままの状態ではシリーズ表示が使える精度にはないと判断しました。
シリーズ表示の機能自体は是非とも使いたい機能です。
これを都合よくコントロールできれば、PC TV PlusをPC用録画番組再生アプリとして使用する十分なメリットです。
これ以降は、シリーズ表示の精度を上げることが可能なのかまた具体的に何をすればよいのかを調査します。
※この記事ではタイトルに使用される英数記号はすべて全角を想定しています。
シリーズ表示は番組タイトルのパターン一致
タイトルのパターンが一致する場合にまとめられシリーズ表示されています。
DiXiM SeeQVault Serverにてタイトル編集が可能ですので、タイトルの文字列の編集のみでシリーズ表示をコントロールできれば好都合です。
次の例は、タイトルの完全な一致によってシリーズ表示されている結果です。
次の例は、ジャンル分けは関係ないことを示す結果です。
次の例は、チャンネルは関係ないことを示す結果です。
次の例は、タイトルが異なるけどもシリーズ表示されている結果です。
次の例は、タイトルが同じだけどもシリーズ表示されなかった結果です。
以上から、シリーズ表示にはタイトルの文字列が使われているのは確実ですが、うまくいっていないのがあるのでそれだけではないようです。
パターン一致のルールとは
どうやら同一シリーズとみなすためのルールがいくつかあるのだと思われます。
シリーズ表示で使われるタイトルこそが、シリーズ表示機能によってシリーズ名と判断された文字列に違いありません。
シリーズ表示のタイトル(シリーズ名)に使われているものとそうでないもののパターンをいくつか見ることである程度の規則性(ルール)が判明します。
この規則性(ルール)をすべて把握できれば完全なコントロールが可能になります。
タイトル欄のすべての文字列が使われているわけではない。
タイトル欄に含まれる文字列は一般的には番組表データで設定された番組タイトルです。同じタイトルの番組でも送信された番組表データによってタイトルの表記はことなる可能性があります。
同じサービスの番組表でもサブタイトルや放送回数や文字放送のマークなどが含まれているケースがあります。初回の場合の[新]、最終回の[終]、特別な回だとスペシャルといった文字が付与される場合もあります。
番組タイトルは、どうやって決まるのかはおそらく以下になると思います。
- 番組表データの番組タイトル
- 録画機器のタイトル生成ルール
番組表のデータは通常は、放送波で送られてくる録画機が受信する番組データです。
それ以外にはリモート録画予約で使用した番組表のデータが考えられます。
番組のタイトル名=シリーズ名だと仮定して、番組のタイトル名で検索しても完全一致するものはほとんどありません。
それでは完全一致でなく部分一致ですればよいということになりますが、部分一致の場合はどの部分を一致させるかのキーワードが必要です。
このキーワードになるのがシリーズ表示に使われるタイトルすなわちシリーズ名です。
ある番組タイトルから不要な文字列を削除すればそのシリーズ名が自動で生成できるはずです。
その削除される文字列がわかれば、その逆が残る文字でシリーズ名ということになります。
実データをもとに調査した結果、以下がシリーズ名に使われない文字です。
“[]”
[デ][文][ニ][再][新][終][S][SS][5.1]など、順にデータ放送、文字放送、二か国語放送、再放送、新番組、最終回、ステレオ、ステレオサラウンド、5.1chを表す文字列はシリーズ名に含まれていません。
“#n”と”第n話”(nは全角の数字)
タイトル #5、タイトル 第5話、タイトル 第5回など、放送回数や第何話目かを表す文字列はシリーズ名に含まれていません。
たとえば”タイトル第5話・第6話”とあると”タイトル・”だけになります。
“「」”と”【】”
タイトル「サブタイトル」、タイトル【サブタイトル】といった場合に”「」”や”【】”の箇所の文字列はシリーズ表示のタイトルには含まれていません。
タイトル~サブタイトル~の場合は、そのままシリーズ名になります。
サブタイトルが毎回変わるような場合は「」や【】を使い、固定の場合は~を使えばよいことが推測されます。
”<>”
“<木曜劇場>タイトル”と”木曜劇場 タイトル”では、シリーズ名は前者は”タイトル”で後者は”木曜劇場”になります。
場合によっては後者はシリーズ表示されず、木曜劇場 タイトルA、木曜劇場 タイトルB、木曜劇場 タイトルCとなる可能性もあります。
“「」”と”#n”、”第n話”の複合(nは全角の数字)
“日曜劇場「タイトル」 第n話”といった場合には日曜劇場の文字列しかシリーズ名には含まれていません。
日曜劇場はクールでタイトルが変わるはずですので、8話から10話くらい同じタイトルが存在するはずですが、日曜劇場でシリーズ表示されます。
これをドラマのタイトルごとでシリーズ表示するのであれば、”<日曜劇場>タイトル 第何話”というようになるように変更するだけかと思います。
以上から、ある記号で囲まれている文字列のみ消去、もしくはある記号がでてくるとそれ以降の文字列は消去といったルールがあるようです。
そうやって生成されたタイトル名をシリーズ名に設定し、それに一致するタイトルが同じシリーズに含まれるのかと思われます。
例外として、上記ルールでタイトルに何も残らない場合は、優先的に残す箇所が決まっているようです。
その箇所を使ってシリーズ名にしています。
処理順序によって結果が異なります
同じ番組でもタイトルが途中で変わるケースがあります。
視聴率アップとか注目させたいといった理由でキャッチコピーを入れるケースです。
入る可能性があるのが初回、最終回、あとは前編後編に分かれている場合の変わり目や~章といった場合です。
次は「タイムスクープハンター」と「信長のシェフ」とで比較してします。シリーズ表示に含まれる結果が異なります。
タイムスクープハンターの例、”タイムスクープハンター セレクション”がシリーズ表示”タイムスクープハンター”に含まれている。
信長のシェフの例、”信長のシェフ 初回2時間スぺシェル”がシリーズ表示”信長のシェフ”に含まれない。
この2つの事象を考えると、どちらも”タイトル 文字列”という同じパターンです。
タイムスクープハンターではシリーズ名を最初に生成した結果が、”タイムスクープハンター”であったため、それを含むタイトルがまとめられたと考えられ、一方、信長のシェフでは、シリーズ名を最初に生成した結果が、”信長のシェフ 初回2時間スぺシェル”だったけども1タイトルしかマッチしなかったのでスルーされ、次に信長のシェフ #2で”信長のシェフ”を生成したあと未処理のタイトルとマッチングをして一致したものが複数あるのでシリーズ表示にまとめられて表示されていると考えられます。この時、”信長のシェフ 初回2時間スぺシェル”は処理済みなのでマッチングの対象にならないのだと思います。
信長のシェフで1話もシリーズ表示に含めるには”初回2時間スペシャル”をシリーズ名に含まないよう修正すればよいことになります。
修正方法はいろいろありますが、今回は【】を使いました。
DiXiM SeeQVault Serverでタイトル編集
PC TV Plusのシリーズ表示を更新
シリーズ表示をOFF/ON切り替えだけでは確実ではなかったので修正しました。
DiXiM SeeQVault Server(コンテンツリスト送信側)でまずリスト更新
PC TV Plus(コンテンツリスト受信側)でリスト更新
PC TV Plusでシリーズ表示OFF/ON切り替え
正しくシリーズ表示に含まれました。
シリーズ表示がうまくいくまで、こういった修正を繰り返し行います。
一度変更したタイトルは次に変更しない限りはそのままですので1回の作業で済むはずです。
修正作業は1タイトルごと行うことになりますので、数が多いと面倒です。何度もやり直しが発生しないように事前に命名則を決定しておくとよいと思います。
例)映画の場合は”月曜ロードショー タイトル”といったように番組タイトル+映画のタイトルになることがあります。これだと映画がばらばらになってしまうので”映画 「映画タイトル」”にすれば、シリーズ名”映画”でまとめられます。映画の場合は”地上波初”とか”ノーカット”とかいろいろ番宣を兼ねた文字列がその都度入力されている場合もあるので「」で囲めばすべて無視できます。
考察
ここまでで、ある程度のルールが把握でき、コントロールといえる程度までできるようになりました。
しかし、我が家では以下の2タイトルが思い通りできていません。
- ザ!鉄腕!DASH!!
- テレビで中国語
1番のほうは、”ザ!鉄腕!DASH!!”のみと”ザ!鉄腕!DASH!! サブタイトル”とが存在します。
前者はシリーズ表示でまとめられていますが、後者のほうはそのままです。
解決:サブタイトルがあるのはスペシャルのときで数もそれほど多くはなかったので”<>”でサブタイトルを囲めばシリーズ表示できました。
タイトル数が204タイトルと多いので編集内容が反映されるのに時間がかかっていただけのようです。
2番のほうは、”テレビで中国語 第何課「サブタイトル」”です。すべてばらばらのままで一切シリーズ表示されていません。
この番組の姉妹番組であるテレビでスペイン語、テレビでフランス語などは問題なくシリーズ表示されています。
まだ把握していないルールがあるようです。
試用期間があと10日以上あるのでそれまでに2番は解決させたいと思います。
今回はシリーズ表示機能だけにフォーカスしましたが、PC TV Plusは機能が盛りだくさんです。
例えば、DTCP-IPムーブ機能はPCの所定のフォルダーへ録画番組をダウンロードすることが可能です。
DiXiM SeeQVault ServerならPC TV Plusとの間でアップロードダウンロードが可能です。
そういった機能については、時間があれば調査してみたいと思います。
とりあえず、シリーズ表示の完全なコントロールを目指します。
新機能
2018年5月24日リリースバージョンは、ディーガとRECBOXの番組再生でチャプター再生に対応したそうです。
これができるならDiXiM Digital TV Plusと比較してもPC TV Plusの方が優れているといえます。
2018年7月7日追記 2番が解決しました。
“テレビで中国語 第n課”の場合、”第n課”の”課”が”第n話”の処理とはことなるため、すべて個別タイトルと判断されシリーズ表示でまとめられないようです。
“テレビで中国語 「第n課」”に変更して、シリーズ名”テレビで中国語”でまとめることができました。
この場合、年別でまとめることができずすべて同じシリーズとして表示されます。
年別にするのであれば、番組タイトルに年を含めるのもありです。
1年は53週前後あるので、毎週放送される番組は少なく見積もっても40回は放送されると思います。
それだけの手間をかけるかどうかは個人の判断です。