デジタル放送技術基準
種類 | 地上デジタル放送 | BSデジタル放送 | 110度 CSデジタル放送 (広帯域伝送方式) |
CSデジタル放送 (狭帯域伝送方式) |
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※1:変調方式に64QAMを用いた場合の最大値 |
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放送方式 | ISDB-T | ISDB-S | DVB-S | |
使用周波数帯 | UHF (473.0~767.0 MHz) |
11.7~12.2 GHz | 12.2 ~12.75 GHz | 12.2 ~12.75 GHz |
伝送帯域幅 | 5.7MHz | 34.5MHz | 27MHz/36MHz | |
搬送波 | マルチキャリア (OFDM) |
シングルキャリア | シングルキャリア | シングルキャリア |
変調方式 | OFDM (DQPSK, QPSK, 16QAM, 64QAM) |
TC8PSK,QPSK,BPSK | QPSK | |
誤り訂正方式 |
内符号:畳込み符号(符号化率7/8、5/6、3/4、2/3、1/2)
TC8PSKはトレリス符号化2/3 TMCCは畳込み符号またはリードソロモン符号 |
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外符号:短縮化リードソロモン(204,188)符号
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情報ビットレート |
23.234Mbps
(※1)
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51Mbps
(TC8PSKの場合)
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MAX 34Mbps | |
限定受信方式 (スクランブル) |
MULTI-2 | |||
多重化方式 | MPEG-2 Systems | |||
信号形式 | MPEG-2 TS | |||
映像符号化方式 | MPEG-2 Video | |||
音声符号化方式 | MPEG-2 AAC |
MPEG-2 AAC
MPEG-2 BC |
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データ符号化方式 | BML |
衛星放送
BS | CS | ||||
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項目 | BSアナログ | BSデジタル |
東経110度CSデジタル (広帯域伝送方式) |
スカイパーフェクトTV! (東経124度/128度、狭帯域伝送方式) |
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衛星名称 |
BSAT-1a
BSAT-1b
|
BSAT-2a
BSAT-2c
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N-SAT-110 | JCSAT-3 |
JCSAT-4A
|
衛星軌道位置 | 110度 | 110度 | 110度 | 128度 | 124度 |
放送用トランスポンダ数 | 4 | 4 | 12 (24) |
20 (28) |
16 (32) |
偏波 | 円偏波(右) | 円偏波(右) | 円偏波(右/左) | 直線偏波(垂直/水平) | |
1チャンネル帯域幅 | 27 | 34.5 | 34.5 | 27/36 | |
番組数 |
SDTV :3
HDTV :1
音声 :1
データ:1 |
HDTV :7 SDTV :3 音声 :19 データ:8 |
HDTV :13 SDTV :83 データ:2 |
SDTV :178 音声 :102 データ:37 |
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備考 | 平成23年中に放送終了 | DVB-Sの第2世代であるDVB-S2になるとSD画質からHD画質へと変わり、同時にMPEG4放送になります。 |
CATV
CATV局から受信している場合は、上記放送をCATV事業者が一旦受信したものをCATV網を使って各契約者へ送信するため、再送信放送に分類されます。
CATV局で受信した放送データは、CATVサービスにあった変調方式で変換されて再送信されることがほとんどです。
そのため、利用者は専用の機器を用いて通常の放送データに変換しなければ視聴ができません。※パススルー方式の場合を除く
その専用の機器がCATV局から支給されるセットトップボックスです。
この機器にはCATV局の独自サービスを受けられるようにしたものもあります。
CATVの伝送方式による分類
パススルー方式 | トランスモジュレーション方式 | ||||
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同一周波数方式 | 周波数変換方式 | 複数TS伝送方式 | TS分割方式 | リマックス方式 | |
説明 | 周波数帯および変調方式をそのまま再送信する方式 | 周波数帯をVHF帯やSHB帯などにダウンコンバートして再送信する方式 | 複数のTSをまとめて変換し、6MHzの1チャンネル内で再送信する方式 | 6MHzの1チャンネル内でTSを分割して再送信する方式 | 必要なコンテンツを抜き出し再多重後に新たにTSを生成して再送信する方式 |
主な用途 | 地上デジタル放送 BSデジタル放送 |
地上デジタル放送 BSデジタル放送 |
地上デジタル放送BSデジタル放送 | 110度 CSデジタル放送 狭帯域伝送方式のCSデジタル放送(36MHz帯) |
110度 CSデジタル放送 |
使用周波数帯 | UHF BS-IF |
UHF帯域内以外 BS-IF帯域以外 |
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変調方式 | – | – | 64QAM | ||
視聴 | 市販の機器で視聴可能 | UHF帯域以外まで帯域が拡大(全帯域)されている機器またはアップコンバータで周波数帯域をもどせれば市販の機器で視聴可能 | 専用のセットトップボックに接続して視聴可能 |
※その他、狭帯域伝送方式のCSデジタル放送(27MHz帯)の場合は、64QAM変調をしても6MHzの1チャンネル内におさまるので、そのまま再送信する単一TS方式になります。
地上デジタル放送の伝送信号パラメータ
モード | モード1 | モード2 | モード3 |
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OFDMセグメント数 | 13 | ||
帯域幅 | 5.575MHz | 5.573MHz | 5.572MHz |
キャリア間隔 | 3.968kHz | 1.984kHz | 0.992kHz |
キャリア数 | 1405 | 2809 | 5617 |
データ・キャリア数 | 1248 | 2496 | 4992 |
キャリア変調方式 | QPSK,16QAM,64QAM,DQPSK | ||
フレーム当たりのシンボル数 | 204 | ||
有効シンボル長 | 252us | 504us | 1.008ms |
ガード・インターバル | 有効シンボル長の1/4,1/8,1/16,1/32 | ||
内符号 | 畳み込み符号(符号化率1/2,2/3,3/4,5/6,7/8) | ||
外符号 | 短縮化リード・ソロモン(204,188) | ||
ビットレート | 最大23.234Mbps |
地上デジタル放送の受信機の要求仕様
項目 | 規格値 |
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入力インピーダンス | 75邃ヲ |
受信周波数 |
UHF13ch
(中心周波数473+1/7MHz)
~ UHF62ch
(中心周波数767+1/7MHz)
|
第一中間周波数 | 57MHz |
受信周波数同期範囲 | ±30kHz以上 |
受信クロック同期範囲 | ±20ppm以上 |
最小入力レベル | -75dBm以下(目標値) |
最大入力レベル | -20dBm以上 |
関連技術規格書(抜粋)
すべての技術は各規格化団体によって規格化(標準化)されています。
日本のデジタル放送についてはARIB(社団法人電波産業会)のサイトで公開されています。
ARIB Standard / Broadcastingでご覧になれます。
名称 | 規格番号 |
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ISDB-T(地上デジタル放送の伝送方式) | ARIB STD-B31 |
ISDB-S(衛星デジタル放送の伝送方式) | ARIB STD-B20 |
CATV | JCTEA STD-004 ※各地の図書館で閲覧可能かも |
MPEG2-TS | ISO/IEC 13818-1 ITU-T勧告H.222.0 |
PES(Packetized Elementary Stream) セクション |
ISO/IEC 13818-1 ARIB STD-B32 |
独立PES伝送方式(データ) | ARIB STD-B24 |
データ・カルーセル伝送方式 | ARIB STD-B24 |
RMP(コンテンツ権利保護システム) | ARIB STD-B25 |
MPEG-2 Video(ビデオ) | ISO/IEC 13818-2 |
MPEG-2 AAC(オーディオ) | ISO/IEC 13818-7 |
PSI/SI(番組配列情報) | ISO/IEC 13818-1 ARIB STD-B10 |
PESを分割したTSパケットは4バイトのヘッダ情報と184バイトの計188バイトからなります。
ISO/IEC 13818-1では、TSパケットは188バイト固定長とされていますが、拡張バイトを付与したケースがあります。
1つが FEC(Forward Error Correction: 順方向誤り訂正)の1種である短縮化リードソロモン符号化により16バイトのチェックビットを付加した204バイトのケースです。
(上の「地上デジタル放送の伝送信号のパラメータ」の外符号の項目参照)
もう1つがTTS(Timestamped TS)パケットといわれ、4バイトのタイムスタンプ情報を付加した192バイトのケースです。
ブルーレイなどではTSパケットは192バイトのようです。
TSパケットが188バイト固定のシステムでは、TSパケットエラーが発生する可能性があります。