DiXiM MediaServer 3 for mAgicTVでムーブ/コピーに失敗する

特定のタイトルだけがムーブに失敗

録画も安定してできるようになったのでローカルディスクには50タイトル以上の録画番組がたまっていました。
一度見れば削除するバラエティのような番組は削除し、連続ドラマなどはRECBOXへ保管しました。

しかし、一部の録画データは転送に失敗してしまいます。
何度やっても改善はしません。

画像は転送が成功するものを最初に処理されるように実行したときのものです。

転送エラーが発生するタイミングは、進捗バーが表示され緑色のバーが見えるかどうかくらいで発生します。
しかし、RECBOX側は事前にアクティブにしてありますので、復帰のタイミングが遅くて転送に失敗しているわけでもありません。(上の画像参照)
失敗した番組データについては、コピー残り回数は9回と正しく表示され、mAgicPlayerやDiXiM Digital TVで正常に再生ができます。
mAgicPlayer で再生できるということは、著作権保護機能が正常に働いているいうことでもあり録画したデバイスで再生していると認識されていることを意味しています。ま た、DiXiM TVで再生できるということはストリーミング配信およびDTCP-IPの機器認証も正常であるということになります。
しかし、転送だけが失敗します。

何が原因なのか?

転送に成功した録画データと失敗した録画データにはっきりとした違いがありません。
同じ連続ドラマであっても結果が異なります。
たとえば、番組名「JIN-仁-」では、8話、11話と再放送の2・3話、7・8話の放送分が失敗し、その他は成功しています。

画像は転送(コピー)が成功したタイトルです。

RECBOX上で何らかの問題が発生してファイルを作成できず失敗しているのかもと推測できるのですが・・・
空き容量は400GB以上あるのでスペースの問題ではありませんし、ファイル名に特殊文字があってファイルが作成できないというのであれば上記同じ連続番組で結果は同じになるはずです。
タイトルごとに結果が変わるそのほかの要因が思い浮かびません。
録画日時については、とくにこの期間がダメということもありませんので、録画の状態は関係ないようです。

画像は約30タイトルを一括転送し、成功したものは削除、失敗したものはそのまま残した状態のものです。
※黄金伝説は成功例のサンプルで残してあります。

こうなるとRECBOX側が疑わしいのですが、RECBOXが機器認証に失敗しているのであれば同時に転送したタイトルすべてが失敗しそうに思います。
またアクセス制限はネットワークアダプタのMacアドレスで制限できるのみなので、結果は機器ごとで変わる可能性があるのみです。
機器単位でなくファイル単位で特別なチェックがあるのかRECBOX独自の処理でエラーが発生していると考えられます。
しかし、ローカルで再生できかつストリーミング配信でも再生できる時点で通常のファイル単位のチェックはOKであると思っています。
RECBOX独自の処理でとなると、データベースへの書き込みやファイル名の取得がうまくいっていないなどいろいろ可能性が考えられます。

何が原因でなにをどうしたら正常に転送できるようになるのやら・・・
「転送に失敗しました」というエラーメッセージだけではどうしようもありません。
RECBOX側にもログ機能があれば原因の究明も楽なのですが、内部でなにが起こっているのかがわからないのではどうしようもありません。
コンソールでログインできるように改造しようかとさえ思ってしまいます。

複数ネットワークアダプタが原因の可能性

※タイトルごとに結果がことなるという事象には当てはまりません。
実は、録画PCにはHYPER-Vを構成していた経緯がありネットワークアダプタが2つあります。
1つは内蔵、もう1つが後付けです。
mAgicTVなどの一連のアプリケーション導入時には後付けのアダプタのみ有効にして導入しました。
※OS起動時にこのアダプタが優先になるため。
しかし、このネットワークアダプタではWOLのMagicPacketの設定ができないため、内蔵のネットワークアダプタを使用するように設定を変更しました。
※PCのIPアドレスは、ネットワークアドレスが同じですがIPアドレスは変わっています。
現在では内蔵のネットワークアダプタのみを使用しています。
この変更をしたのが7月5日ごろです。
切り替えた直後は転送時にRECBOXが見えないなどの問題がありましたが、PC側を再起動することで改善したように思えました。

※ネットワークアダプタが複数あるケース(たとえば無線と有線があるノートPCなど)は、以下の操作で優先順位を変更できます。

①ネットワーク管理画面で「alt」または「F10」キーを押す(メニューが表示される)
②詳細設定⇒詳細設定を選択(詳細設定画面が表示される)

ネットワーク管理画面

③右にある矢印で優先順位を変更
④OKをクリック

詳細設定画面

IPアドレスが変わってからどうもDiXiM Media Serverの挙動が変に思います。
転送時には、「ローカルループバックアドレス+ポート番号」を指定してDiXiM Media Serverと接続するようですがこれで接続できないことがあります。
また、以前はリモートデスクトップ接続でも転送ができていましたが、転送先のデバイスが表示されずできなくなりました。

現在の環境で「DiXiM Media Server」のみ再インストールすると、リモートデスクトップ接続でも転送できるようにはなりました。
しかし、転送で失敗するのは変わらずですので、ネットワークアダプタが複数ありインストール時のものとは異なる方を利用しているというのは無関係だったようです。

不適切なCCI情報が原因の可能性

あとは、放送データ自体のコピー制限による可能性が考えられます。
CCI(Copy Control Information)によって転送が失敗しているタイトルは、もしかするとダビング10が無効にされコピーワンスの状態なのかもしれません。
しかし、その場合は違ったメッセージが出そうにも思いますし、コピー回数9とでるのもおかしな話なので可能性としてはゼロに近いとおもうのですが・・・

コピーワンスから現在はダビング10に移行しています。
これを実現するために従来のCCI情報の2bitにさらにダビング10用に1ビットが付加されています。

有料放送以外(NHKや民放各局)

 CCI
(10はコピーワンス)
 ダビング10フラグ
(0は無効、1またはなしは有効)
 1  0  1

※コピーされたくない放送とコピーされることにそれほど警戒しなくてよい放送とものにCCIは10(コピーワンス)で送信されるのが通常である。
※ダビング10未対応器は最初の2ビットしか識別しないためコピーワンスとなる。(放送局が起点となるので録画=コピーとしてカウントされています)
※有料放送などのコピーされたくない放送ではダビング10を無効にする。
※コピーワンスとダビング10では起点がことなり、前者は放送局、後者は録画機である。

2008年の改定(Wikipedia:ダビング10より引用)

コピー・ワンスとダビング10の信号
2008年2月7日にDpaから公開された放送運用規定の改訂案では主に以下の2点が主要な要目であり、現在運用されている規定となっている。
1.コピー制御信号(CCI)のうちの録画の扱いを決める2ビットの制御フラグ(digital_recording_control_data)をダビング10でもコピー・ワンスと同じ「1世代のみコピー可」と定義した。
2.ダビング10のための新たな1ビットの制御フラグ(copy_restriction_mode)をCCIに加えて「0」はNGであり、ダビング10での録画を不許可とし「1」ではOKとしてダビング10での録画を許可する。このフラグを含まない放送信号は「1=OK」(ダビング10での録画を許可)として扱うものとした。

上記の規定によってWOWOWのような有料放送を扱うためにダビング10での録画を不許可としたい放送局だけがダビング10のための放送機材への設備改修を行い、他の多くの無料放送での放送局は設備改修を行なわなくて済む事となった。ダビング10対応に改修しない(copy_restriction_modeを送出しない)放送局からのテレビ電波をダビング10対応の録画機器で受信すれば9回までダビングが可能になる。また、テレビ録画を行なう受信機側でも、コピー制御信号の新たな1ビットの読み取りを実装するだけで対応が可能になっている

実際のCCI情報がどのようになっているのかを確かめる場合、PT2であればCCI情報はそのまま残っているようなので解析できそうですが、通常の場合は暗号化されているので確かめようがありません。
しかし、仮にCCI情報がコピー禁止になっていた場合、mAgicガイドでエクスポート操作時にエラーが発生するはずでしょうから今回の原因の可能性は極めて低くなります。
※実際に確かめたわけではないので可能性がゼロではない。

どれも原因としては可能性がゼロといえないまでもそれに近いレベルであるため、原因として想定できません。
それ以外の原因も思い浮かびません。

RECBOX側でなにが起こっているのかがわからなければこれ以上どうしようもありません。

ギブアップ!

結局、安心して使える環境というのはいつになれば構築できるのやら・・・


2011.09.11 サポートへの問い合わせ結果

RECBOXのほうを疑いサポートへ問い合わせを行いましたが、結局、本体を郵送してチェック&修理で対応したいという話になりました。
しかしながら、内部のデータはすべて消去されてしまいます。
現状では、RECBOXからムーブできるDMSがありませんし、バックアップするためのRecINカートリッジもありません。
仮にカートリッジがあったとしても、内部パーツを交換されてしまうとカートリッジのバックアップは意味がなくなります。
いろいろ考えてこのまま使うしかないという結論に至りました。

それはある時に気付いていたことですが、DRMがかかったコンテンツの場合、バックアップはブルーレイやDVDメディアにするのが確実ということです。
そうすると、「ネットワークダビング対応外付けブルーレイドライブ」が1台あればよさそうです。
「できる」と「使える」はことなるわけで、今回同様に「安定して使えない」となると無駄な機器が増えてしまうだけです。

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この記事を書いた人

大阪府門真市に生まれ、高校卒業まで京都府福知山市で育ち、大学は工学部電子工学科を卒業。半導体設計会社に勤務ののちインフラエンジニアとして監視基盤の運用設計業務に就く。現在は都内の施設に勤務。横浜在住。人の役に立てることができればいいなと日々思っています。

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