iPhone 12 miniの充電は何が良いのだろうか

MagSafe充電器 MHXH3AM/A

iPhone 12 miniを購入してから自宅用と外出用の充電環境を整備しました。
使い方によってはどちらかだけでもいいように思えてきました。

目次

iPhone 12 miniの充電は何が良いのだろうか

iPhone 12 mini

バッテリー容量は2,227mAh

iPhone バッテリー容量とビデオ再生時間

モデル バッテリー容量 ビデオ再生時間
iPhone 12 Pro MAX 3,687mAh 20時間
iPhone 12/iPhone 12 Pro 2,815mAh 17時間
iPhone 12 mini 2,227mAh 15時間
iPhone SE 第2世代 1,821mAh 13時間
iPhone 11 3,110mAh 17時間

iPhone 12 miniのバッテリー容量は2,227mAhです。
同じシリーズのiPhone 12/iPhone 12 Proが2,815mAh、iPhone 12 Pro Maxが3,687mAhです。
iPhone 12/iPhone 12 Proの約80%iPhone 12 Pro Maxの約60%の容量です。
こう表現するとiPhone 12 miniのバッテリー容量は非常に少ない印象を受けます。

しかし、同じ小型iPhoneでは、iPhone SE 第2世代のバッテリー容量が1,821mAhです。
iPhone 12 miniはiPhone SE 第2世代の約122%の容量です。
こう表現するとiPhone 12 miniのバッテリー容量が少ないイメージは払拭されます。

iPhone SE 第2世代は前世代のiPhone 11に搭載のA13 Bionicです。
A13 Bionicは7nmプロセス。一方、iPhone 12シリーズのA14 Bionicは5nmプロセスになっている分、同じ計算処理をした場合、微細化によりiPhone 11に比べて消費電力は抑えられます。
そのことは、iPhone 12とiPhone 11を比較した場合、バッテリー容量がiPhone 11の方が多いにもかかわらずビデオ再生時間が同じであることからも分かります。

時間当たりの処理能力はA14 Bionicの方が上なので、ある一定の時間内で消費する電力量?はとなるとiPhone 12 miniの方が計算量が増えるので消費電力は変わらないかそれ以上になる可能性もあるかと思います。

ネットサーフィン、メール送受信、SNSメッセージ、電話通話、電子ブック、文書編集程度なら人間の処理速度は大した差ではないので時間当たりの処理量は変わらず消費電力は減少し、一方、動画やゲームなどは最高性能で処理されるので時間当たりの処理量が増加し、消費電力も増加する可能性があります。4Gから5Gに対応したコンテンツになることでも情報量が増加しそれを処理する速度が異なれば消費電力も異なるでしょう。

結局、iPhone 12 miniでどんな処理をさせるのか?
で内蔵バッテリー容量が十分でないか否かも変わってきます。
また、5W(5V/1A)以上の高速充電が必要か否かも変わってきます。

Power Delivery 3.0対応

iPhone 8以降はUSB給電規格 Power Deliveryに対応しています。

USB(Universal Serial Bus)は、コンピュータ等の情報機器に周辺機器を接続するためのシリアルバス規格の1つです。
現在では当たり前の技術となりましたが、プラグアンドプレイ(Plug and Play:略してPnPと表記することもあります)がUSBの普及に大きく影響しました。
USBの電源は電圧最大5VUSB2.0電流最大0.5A(500mA)、USB 3.0電流最大0.9A(900mA)です。

USBを充電用に利用するようになると電圧(V)を簡単には変えられないので電力(W=V I)を増やすには電流(I)のみをどんどん大きくしていこうとしていた時期があります。
その弊害が、高発熱でケーブルが溶けて最悪は火災が発生するケースもありました。
電源コードは熱を持つので巻いた状態で使用すると熱がこもりコードが溶けショートしたり発火する可能性があります。コード自体の耐久性も落ちるので劣化を早めます。ドラム式電源コード(コードリール)の注意書きを見ればわかりますが、電源コードは熱を持ちます。これは電流値によって変化します。巻いた状態だとさらに危険性が向上します。

USB給電規格のUSB Battery Chargingは電流をより多く流し電力供給を増やそうとした規格です。
USB B.C 1.2では、SDP(Standard Downstream Port)が従来通り、CDP(Charging Downstream Port)とDCP(Dedicated Charging Port)が最大1.5A(1500mA)、TYPE-Cが最大3Aです。

USB PDはより多い電力供給を実現するための世界標準規格です。
USB PDでは電流だけでなく電圧を変更することでより電力供給を増加させています。

USB PD ソース・パワールール

USB PD出力 最大出力電流
5V固定 9V固定 15V固定 20V固定
PDP < 15W PDP ÷ 5
PDP = 15W 3A
15W<PDP<27W 3A PDP ÷ 9
PDP = 27W 3A 3A
27W< PDP < 45W 3A 3A PDP ÷ 15
PDP = 45W 3A 3A 3A
45W < PDP <60W 3A 3A 3A PDP ÷ 20
PDP = 60W 3A 3A 3A 3A
60W < PDP < 100W 3A 3A 3A PDP ÷ 20
※1
PDP = 100W 3A 3A 3A 5A
※1
※1:3A以上の出力には5Aケーブルの利用が必須

 上記ソース・パワールールは電力を供給する側のルールです。

標準的に使用される電圧は、5V/9V/15V/20Vの4種類であること
どの電圧を出力できるかはUSB PDで何ワット出力できるか (PD Power Rating) によって決まります
標準的な電圧以外(Optional Voltages)も使用できます。
例えば12V対応がそれですが、Optional Voltagesのみでなく必ず標準電圧のサポートが必要です。
例)PD対応最大20W電源アダプタの場合
標準5V電圧で3A出力、標準9V電圧で20÷9≒2.22A、15V/20Vは供給できなくても構いません。
例)PD対応最大30W電源アダプタの場合
標準5V電圧で3A出力、標準9V電圧で3A、15Vは30÷15=2A。20Vは供給できなくても構いません。

 

PPS(プログラマブル・パワー・サプライ)
SourceとSink間の充電効率の最適化のためより細かいステップで電圧と電流の変化を要求できる技術です。

その他、USB給電に関しては各メーカー独自技術があります。
QUALCOMM社Quick ChargeAnker社PowerIQRAVPower社iSmartなどです。

USB Type-C規格

USB Type-C規格では電力供給は15W(5V/3A)までです。
USB Type-Cは、双方向に電力の供給が可能です。

必ずSource(USB Host)とSink(USB Device)の関係で接続します。
接続時にどちらがSourceでどちらがSinkかのコンフィグレーションが行われます。
PD対応であればSourceとSinkの関係が確立されたのちパワーネゴシエーションが行われます。

充電器

付属ケーブルをそのまま使用するのであれば充電器はUSB Type-Cポート搭載モデルを購入すればよいでしょう。
どういった充電器を購入すれば、iPhone 12 miniで理想の充電が可能なのか?
iPhoneユーザーガイドの iOS14に関するマニュアルを参照しました。

ポイント
iPhone 12モデルはLightningコネクタ
iPhone 12 mini Lightning
付属ケーブルはUSB Type-C to Lightningケーブル

電源アダプタ

iPhone12モデルに電源アダプタは付属していません。
iPhone12モデルを充電するには電源アダプタが別途必要になります。

もっともお手軽な方法として、付属ケーブルと電源アダプタを使ってiPhone12本体を充電することができます。
電源アダプタは付属していませんので別途購入が必要です。
付属ケーブルを使用して電源アダプタを接続するには電源アダプタにUSB Type-Cポートが必要です。

高速充電には、iPhone 12モデルの場合、Apple 20W USB電源アダプタなど、最低出力20Wの電源アダプタが必要になります。他社製の電源アダプタを使用する場合は、次の推奨仕様を満たしている必要があります:
周波数: 50~60 Hz、単相
線間電圧: 100~240 VAC
出力電圧/電流: 9 VDC/2.2 A
最小出力電力: 20 W
出力ポート: USB-C

iPhone 11モデル以前は5Wの電源アダプタが付属しているようです。高速充電を行うにはiPhone 8以降は最低出力18Wの条件でしたが、iPhone 12モデルでは最低出力20Wとなっているので注意が必要です。

電源アダプタがあればUSB Type-C to Lightningケーブルでの充電とMagSafe充電器を使用したワイヤレス充電とに使用することができます。
次のMagSafe充電器の項に記載した内容も満たしていると色々使えて非常に便利な電源アダプタといえます。

MagSafe充電器

MagSafeはiPhone 12モデルの新機能です。
本体背面に埋め込まれたマグネットの吸引力を使ってワイヤレス充電器やケースなどをくっつけることができます。
マグネットはワイヤレス充電の充電コイルの周辺に埋め込まれているため、ワイヤレス充電器がぴったりと正しい位置に吸引されます。充電中に振動などで動いてしまい充電が中断してしまうようなケースはなくなることでしょう。
MagSafeは確実にワイヤレス充電が可能です。

MagSafe 充電器の USB-C コネクタを 20 W (ワット) 以上 (推奨) の Apple USB-C 電源アダプタまたは互換性のある他社製 USB-C アダプタに接続します。Mac や Windows パソコンの USB-C ポートに接続してもかまいません。

MagSafe 充電器は、iPhone 12 をすばやく安全にワイヤレス充電できるよう作られています。このシステムは状況に賢く適応し、iPhone 12 をできるだけ効率よくピーク時最大 15 W の電力供給で高速ワイヤレス充電できるように働きます。iPhone に実際に供給される電力量は、電源アダプタのワット数やシステムの状況によって違ってきます。iPhone 12 mini に関しては、MagSafe 充電器はピーク時最大 12 W の電力を供給します。

iPhone を MagSafe 充電器に置く前に、MagSafe 充電器を電源につないでおくことが重要です。そうしておけば、MagSafe は最大電力を供給しても支障がないと判断します。MagSafe 充電器を電源につなぐ前にその上に iPhone を置いてしまった場合は、MagSafe 充電器から iPhone をいったん取り外し、3 秒待ってから置き直してください。電力供給が最大電力で再開されます。

MagSafe 充電器を USB PD 対応の電源アダプタで使う場合、最大電力 9 V (ボルト)/3 A (アンペア) でネゴシエーションする設計になっています。MagSafe は iPhone に供給する電力量を動的に最適化します。iPhone 12 への電力供給量は、温度やシステムの稼働状況など、さまざまな要因によってつど変化します。

電源アダプタはそれぞれ定格出力電流や定格出力電圧が違います。MagSafe 充電器で高速ワイヤレス充電をするには、以下の定格値が必須となります。

USB-C コネクタ。USB-A には対応しません。
9 V/2.22 A または 9 V/2.56 A 以上。
iPhone 12 mini は最大 12 W の高速ワイヤレス充電に対応しますが、9 V/2.03 A 以上の電源アダプタが必要です。
9 V/2.56 A 以上の高ワット数の電源アダプタも、ピーク時最大 15 W で iPhone 12 に電力を供給します*。
ヘッドフォンなどの Lightning アクセサリを接続している場合は、規格に従い 7.5 W での充電に制限されます。

* MagSafe 充電器は、最低 12 W (5 V/2.4 A) の電源アダプタでも使えますが、充電速度は遅くなります。

 

「MagSafe充電器」とは、Apple純正のMagSafe充電器(MHXH3AM/A)のことです。
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MagSafe充電器(MHXH3AM/A)

iPhone 12/iPhone 12 Proは最大15W、iPhone 12 miniは最大12W
iPhone 12には9V/2.22Aまたは9V/2.56A以上の電源アダプタが必要です。
PD対応電源アダプタの場合は9V/3Aでネゴシエーションする設計になっています。
iPhone 12 miniには9V/2.03A以上の電源アダプタが必要です。
MagSafe充電器にiPhone12を置く前にMagSafe充電器と電源アダプタを接続しておくことで最大の電力供給が行われます。
最大の電力供給量は電源アダプタの能力、温度、システムの稼働状況などさまざまな要因で変化します。

RAVPower RP-PC144

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iPhone 12 mini用に購入した電源アダプタはRAVPower RP-PC144です。
USB Type-CType-Aのポートがそれぞれ1ポートあります。
2ポート同時使用時の最大出力は20W+10Wです。
USB Type-Cポートの出力は、PD3.0 5V/3A,9V/2A,9V/2.22A,9V/2.77A,15V/2A 30W Maxです。
RP-PC144ならMagSafe充電器で最大電力供給するための条件を満たしているようですが・・・

 

RP-PC144の場合、30W出力を謳っているのであれば、PD3.0の標準電圧は、5V/3A、9V/3A、15V/2Aでなければならず、電圧9V時、9V/3Aでのネゴシエーションができないように思います。これがPDOの値なら規格違反ではないのでしょうか?
仮に両ポートを使用した場合のType-Cポートの最大20Wであるなら、5V/3A、9V/2.22Aのみでよく、9V/2A(18W)と9V/2.77A(25W)はシンク機器の仕様を意識して表示しているだけなのか?よくわかりません。
いろいろなSinkデバイスに接続した場合に理想の充電ができるのかが不安です。
iPhone 12モデルで充電はできるでしょうが最大電力供給ができるのかは不明です。

自宅では下の写真にあるパーツを接続して使用しています。

MagSafe充電器用アルミニウムスタンド AMS-DSCHALBK

RAVPower RP-PC144は携帯できるほどに軽量で小型でプラグを折り畳み収納できますが、スタンドとMagSafe充電器は携帯には向いていません。MagSafe充電器は携帯できる重さサイズですが、コードが細いので耐久性が良いとは思えませんので固定して使用するのが良いと思います。

携帯できる電源アダプタ+ワイヤレス充電器

携帯できるワイヤレス充電器となると、高速充電はできませんが、小型であることが特徴の「OISEL MagSafeワイヤレスiPhone充電器」があります。

関連記事MEDiK 「OISLE MagSafeワイヤレスiPhone充電器」を購入したけども・・・ (2021-06-03 18:58:03)

充電能力には不満がありますが、使用しながら充電するにはすごく優れた製品です。バッテリー容量は4225mAh/3.85V/16.26Whですので、iPhone 12 miniをフル充電するだけの容量があります。
ヘビーユーザーでなければ全然ありな選択です。
この充電器だけだと5W充電しか期待できませんが、20W電源アダプタを使用すればワイヤレス充電で7.5W充電が可能になります。
そこで、RAVPower RP-PC144とOISLE MagSafeワイヤレス充電器を接続してiPhone 12 miniをワイヤレス充電することが可能です。RAVPower RP-PC144によってOISLE MagSafeワイヤレス充電器を最大18W(9V/2A)で高速充電できます。また、緊急時にはOISLE MagSafeワイヤレス充電器で有線ケーブルで充電すればiPhone 12 miniを10W(5V/2A)充電、RAVPower RP-PC144で直接有線ケーブルで充電すれば20W(9V/2.22A)充電が可能になるはずです。シチュエーションに応じて使い分けれるのでRAVPower RP-PC144+OISLE MagSafeワイヤレス充電器をセットで持ち運ぶと便利です。外出先だけでなく宅内のように寝室やリビングへ移動したときでも重宝すること間違いなしです。
RAVPower RP-PC144は2ポートなので1ポートタイプの電源アダプタにすればさらに小型化軽量化ができるはずです。
PDOに9V/3Aがある製品の方がよりと思います。

Apple 20W USB-C電源アダプタ(MHJA3AM/A)が安くて安心かもしれません。いろいろなSinkデバイスを充電するならAnker PowerPort III 65W Podプリンストン PPS-PD30Gなんかもよさそうです。

20W以上のPD対応電源アダプタにOISLE MagSafeワイヤレス充電器を常備しておけばiPhone 12 miniの充電環境は十分だと思いました。
しかし、人間の欲求はきりがないようで、OISLE MagSafeワイヤレス充電器の充電忘れ時、外出先でどうすればよいのか?
その答えが、USB急速充電器を持ち歩くことです。
そのUSB急速充電器にAnker Nano II 30Wを購入しました。いっしょにUSB-C to Lightningケーブル 15cmを購入しました。

 

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この記事を書いた人

大阪府門真市に生まれ、高校卒業まで京都府福知山市で育ち、大学は工学部電子工学科を卒業。半導体設計会社に勤務ののちインフラエンジニアとして監視基盤の運用設計業務に就く。現在は都内の施設に勤務。横浜在住。人の役に立てることができればいいなと日々思っています。

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