ライセンス移行
LIVA-XにインストールしたDiXiM SeeQVault Server Proですが、NUC7I3BNKへライセンス移行してみました。
ライセンス移行は、移行可能数の制限がありますので注意が必要です。
※2回まで。毎月1日にリセットされます。
このカウントが消費されるケースは、とにかくDiXiM SeeQVault Server Proを再インストールし、ライセンスを有効にするアクションをする都度です。
同じPCでOSをクリーンインストールや初期化したりした場合でも、DiXiM SeeQVault Server Proのインストールを実行しなければならないのでライセンス移行のカウントが消費されることになります。
LIVA-XからNUC7I3BNKへの移行にカウントが消費されました。
また、NUC7I3BNKでは基本動作確認を終え、最後に一通りのメニューを表示してみたところ、「画質選択」メニューでは、トランスコード機能が利用できないため画質選択は利用できない旨表示されてしまいました。
画質選択機能
Quick Sync Video対応であれば使えるものと思っていましたがそうではないようです。
グラフィックドライバーの影響も考えられますので、いろいろなバージョンを試しました。
それでも変化はありませんでした。
Intel ドライバーアップデートユーティリティを使った際に、チップセットドライバーが失敗のステータスで終了した点、何度インストールしてもマネージメントエンジンのバージョンがアップデートされない点が気になり、OSを初期化しました。
その効果を確認するためには、Pro版でないといけませんので、再度、ライセンス移行の操作を行いました。
しかし、改善されませんでした。
次は、LIVA-Xと同じWindows 10 Proにして試してみましたが、同じく改善はしませんでした。
そうこうしているうちに、移行可能回数が0になり、LIVA-Xへ戻すこともできないので、サポートに問い合わせしました。
結果、カウントはリセットしてもらえましたが、画質選択機能が使えない原因はまだ調査中です。
4月7日の時点で、マイクロソフトのサイトからインストールメディアを作成してインストールしたWindows 10はCreators Update(バージョン1703、ビルド15063.138)でした。
LIVA-XはWindows 10 Anniversary Update(バージョン1607、ビルド14393.953)です。
そのほか、LIVA-Xのデバイスドライバーのバージョンはすべて古いものになるはずです。
そうしたOSバージョンやドライババージョンの相違が原因なのか、それともKaby LakeでOpenCLのバージョンが新しいからなのか、考え出すとあれもこれも怪しく思えてきます。
以下にデバイスドライバーインストールに関して記載しておきます。
NUC7I3BNKのデバイスドライバーのインストール
NUC7I3BNKは2017年3月3日に海外で発売され、日本では4月5日に発売されたようです。
Intel 600p シリーズではブートできない。ファームウェアバージョン0042で対応済みといった情報は海外のサイトの情報です。
まず、Windows 10 バージョン1703のインストールメディアでOSをセットアップ後の状態では、「ほかのデバイス」が3つある状態です。
デバイスドライバーのインストールはインテルのダウンロードサイトからダウンロードしますが、その方法は何通りかあります。
※NUC7I3BNKはWindows10 64bitのみのサポートです。
- ドライバーの自動アップデート
- ダウンロードの検索
- 製品の選択
1番はIntel ドライバーアップデートユーティリティを利用する方法で、このプログラムをインストールしたのち、PCをスキャンし現状と最新版のバージョンを比較してアップデートが可能になっています。
2番は従来からある検索方法で製品名やキーワードを自由に入力し検索する方法です。
3番は製品を選び、順に絞り込んでお目当てを見つける方法です。
試した方法は1番と3番です。
Intel ドライバーアップデートユーティリティ
ドライバーアップデートユーティリティをインストールし、起動します。
初期設定では表示が英語になっているので、設定から好みの言語を選択し変更できます。
あとはスキャン開始を実行し、結果が表示されるのを待ちます。
「インストール済みバージョン」と「最新バージョン」のバージョン番号が表示され、自動で最新バージョンのほうが新しいものが選択された状態になっています。
ダウンロードボタンを押せば、選択したドライバーのダウンロードとインストールが開始されます。
実際に実行してみましたが以下の不具合がありました。
- チップセットドライバーが失敗のステータスで終了し、最新バージョンにならない
- 何度やってもマネージメントエンジンのバージョンが最新バージョンにならない
- アップデート実行後にesrv.exeのアプリケーションエラーが発生する
1番はログを見る限り、エラーステータスが0以外の処理がありますがよくわかりません。
2番に関してはすでにドライバーがインストールされていると削除か修復しか選択できませんので、削除してからインストールが必要になり、再起動もそのたびに必要になります。
3番に関しては、Intelアップデートユーティリティをアンインストールすればエラーはなくなります。
ダウンロードからインストールまで順番に実行してくれますが、すべてのドライバーのインストーラには対応していない印象です。
製品の選択
次のように製品を絞り込みます。
「ボードおよびキット」
「インテル ネクスト・ユニット・オブ・コンピューティング・キット」
「インテル NUCキット NUC7I3BNK」
表示されるページは、製品紹介のページの最下部にある以下リンクボタンをクリックして移動するページと同じです。
BIOS and driver updates
ページを表示すると、バンドルドライバーを一括ダウンロードできるようになっています。
ダウンロードしたファイル名はIntel-NUC-Kit-NUC7i3BNK_Win10-64_Drivers.20170405でサイズは約1GByteです。
インテルドライバーアップデートユーティリティで表示される最新バージョンと同じですが、バンドルドライバーにはBIOSファームウェアの最新版などが含まれています。
デバイスドライバーのバージョン比較
OS標準 | Intel Update Utility | bunDle driver | |
---|---|---|---|
オーディオ | 不明 | 6.0.1.7982 | 6.0.1.7982 |
チップセット | 10.1.1.38 | 10.1.1.42 | 10.1.1.42 |
ワイヤレス | 19.1.0.4 | 19.40.0 | 19.40.0 |
BlueTooth | 19.50.0.5 | 19.40.1702 | 19.40.1702 |
カードリーダ | 不明 | 10.0.14393.2909 | 10.0.14393.29093 |
赤外線 | 5.2.2000.0 | 5.3.2.0 | 5.3.2.0 |
グラフィック | x.x.x.4534 | x.x.x.4590 | x.x.x.4590 |
イーサーネット | 12.15.22.6 | 22.0.1 | 22.0.1 |
インテルマネージメントエンジン | 11.0.0.1166 | 11.6.0.1136 | 16.6.0.1136 |
不明となっているのはデバイスマネージャでほかのデバイスとなっていたものです。
オーディオとカードリーダのデバイスドライバーソフトウェアをインストールすれば「ほかのデバイス」はなくなります。
グラフィックドライバーでは、2番の方法でIntel HD Grpahics 620で検索すると最新バージョンはx.x.x.4627です。
USB3.0ポートの問題か
画像選択機能が利用できない件に関して、DiXiMの技術部門から回答がくるまではどうしようもありません。
それまでの間、自分で調査してみました。
そこで気になったのは、録画用USB HDD製品の中にはUSB2.0では動作には問題なくUSB3.0ポートで問題が発生するものがあるようです。
※DiXiM SeeQVault Server Proでの話ではありません。
USB3.0チップメーカによって問題が発生するとか・・・らしいです。
Windows7のUSB3.0事情はWindows10とは全く異なりますのであまり期待のできない内容です。
今回、LIVA-XではたまたまUSB2.0ポートに接続していました。
NUC7I3BNKはUSB3.0ポートのみです。
USB3.0ポートの問題の可能性が考えられます。
※別途USBHUBを利用して接続した場合、SeeQVault機器としては認識できなくなります。
LIVA-Xでテスト
LIVA-Xへライセンス移行をして再現するのかを試してみました。
USB2.0/USB3.0
どちらのポートに接続しても、画像選択機能は利用可能な状態でした。
USB3.0云々が原因ではないようです。
Windows 10 Creator Update
OSを1703へバージョンアップを行いましたが、画像選択機能は利用可能な状態でした。
OSバージョンの相違が原因ではないようです。
画像選択機能の条件
- インテル社の第3世代インテルCoreプロセッサー「Ivy Bridge」以上
- インテルRHDグラフィックス 2500/4000以上
- ドライバーバージョン15.28.13.64.2963または15.31.64.2989以降
ドライバーバージョン表記が変に思いますが、最後の4桁の数字(ビルド番号)だけみておけばよいと思います。
バージョン表記はドライバー内の表記とWindowsにインストール後のMicrosoft Windows上の表記との2種類があるのでややこしいですが、以下のバージョン表記の見方をご覧ください。
http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/support/graphics-drivers/000005654.html
これによると条件にあるIntel HD Graphics 2500/4000は第3世代になると思うわけで・・・なぜBase Lineが15.28とか15.31になるのか?なぜRevisionが64固定なのか?
汎用ドライバーとそれ以外では表記も異なるのかもしれません。
NUC7i3BNKでは以下の3バージョンを試しましたがダメでした。
- 15.45.14.4534
- 15.45.14.4590
- 15.45.16.4627
とりあえずは、すべて条件は満たしているのになぜでしょう。
Liva-XとNUC7i3BNKのCPU比較
DiXiM SeeQVault Server内部で行っている画像選択機能の判定条件に合っていないだけなのかと思えてきました。
今のところ、画像選択機能が利用できないことで不自由に思ったことはありません。
他の機器からの再生(DTCP-IPストリーム配信)は問題なくできていますがトランスコードしているかは不明です。
LIVA-XとNUC7i3BNKを比較すると、普段使用することの多いSeeQVault ServerへのDTCP-IPムーブインがNUC7i3BNKのほうが速いのでNUC7i3BNKを使いたいのだけども、今月のライセンス移行回数を使い果たしたので来月にすることにします。
2017.5.4追記 画質選択機能が使えるようになりました
DigiOnのテクニカルサポートセンターから送られてきたメールに差し替えのモジュールが添付されていて、手順通り置き換えて問題なく画質選択が有効になりました。
実際には4月中にメールを受信していましたが、ライセンス移行制限がリセットされる5月になるのを待っていたため遅くなりました。
うまくいった旨は連絡しておいたので一般的な問題であるならそのうち修正のためバージョンアップされるのではないでしょうか。
ためしに約11GBのDRモードで録画したデータをHD画質を選択してダウンロード(DTCP-IPムーブ)すると約4GBでした。
とにかく11GBもあるデータをダウンロードすると終了するには1時間くらいかかります。
画質選択で変換した場合はどれくらい時間がかかるかを見たかったのですが終了しているのに気が付かずで時間はよくわかりません。
2018.6.30追記 画質選択機能は使えません。
あれからWindows 10の大規模アップデートが何度かありましたが、現在の1803でもその前でも画質選択機能は使えないとの表示のままです。
また、専用モジュールを入手しないとだめなのかもしれません。
2018.11.26追記 原因はインテル® マネジメント・エンジン
インテル® マネジメント・エンジンのファームウェアとドライバはセットで使用するもので、BIOSアップデートの中にインテル® マネジメント・エンジンのファームウェアのアップデートも含まれています。このアップデートに失敗しているとドライバのインストールが失敗します。
この状況では画質選択機能が使えません。
BIOSアップデートを実施すると前回失敗していた旨が表示されそれ以降進めませんでした。
BIOSレスキューで戻してから最新のBIOSをインストールしてドライバーのインストールまで無事終了しました。
これで画質選択機能が有効になりました。