マイクロソフトから2021年10月5日にWindows 11がリリースされました。
これを機にWindows 11対応のDTCP-IP対応メディアプレイヤーを調査してみました。
Windows 11でDTCP-IP対応メディアプレイヤーを試す
Windows OSの標準アプリでは再生できません
Windows 11では、「映画&TV」とWindows Media Playerが使用可能です。
しかし、国内のデジタルTV放送のコピーガードは、日本独自の仕様であるため海外製品では考慮されておらず機能しません。
そのため、Microsoft社が開発したWindows OSの標準アプリでは再生できません。
もう少し詳細を説明すると、家庭内ネットワークを介してコンテンツを配信して再生する技術はDLNAがもとになっています。
アナログTV放送時代はコピーガードは一部の有料番組だけでした。それ以外はコピーガードがないため、この世界標準のDLNA対応機器であれば番組などのコンテンツを配信し再生ができました。番組のコピーや移動も通常のファイルと同じように行えました。
このDLNAに対応しているのがWindows OSの標準アプリです。
映画&TV
Windows 10同様にWindows 11には「映画&TV」アプリが標準でインストールされています。
この「映画&TV」には、DLNAのDMPの機能があります。
このアプリの説明に「すべての映画やTV番組を1箇所に集めてすべてのデバイスで再生できます」というのは、「購入済み」タブすなわちMicrosoft Storeで購入したコンテンツだけです。日本の事情は考慮されていないので注意が必要です。
Microsoft Japanの担当者が日本仕様にしてくれればよいのでしょうが、これまで通り期待はできません。
Windows Media Player
Windows 11にもWindows Media Player 12がオプション機能としてインストールされています。
利用する場合はセットアップが必要ですが、映画&TVアプリでサポートしていないコンテンツを再生する以外にWindows Media Playerを使用する理由はないと思います。
メディアストリーミングを有効にするとDLNAのDMSになります。
DTCP-IP対応の必要性
デジタルTV放送になって、無劣化で番組を送信できるようになりました。そのため著作権保護の観点からコピーガード機能が追加されました。
このコピーガード機能の核になるのは暗号化です。
デジタルTV放送は伝送経路のすべての区間で暗号化が行われ不正・複製・傍受ができないような仕組みになっています。
録画した番組はコピーワンスまたはダビング10のコピーガードおよびコピー制限の範囲で利用が可能です。
コピーワンスおよびダビング10はデバイスバインド方式で暗号化されるため録画機器以外では利用ができません。
これでは家庭内での再利用が非常に不便なため、著作権保護を十分に施していればネットワーク上で再利用できるように緩和が行われました。それがDTCP-IPです。もともとあったDTCPといわれるコピーガード技術のネットワーク版という意味です。
当初はルーターをまたぐ配信・ムーブはできませんでしたがDTCP+(DTCP-IP 1.4)で自宅外からの利用が可能になりました。(2013年以降)
4K/8KはDTCP2
東京オリンピック2020を目標に4K/8K放送の実現化を目指しました。
高画質・高音質の追求、究極の映像と音質の臨場感、現実と見間違えるほどになり、4K/8Kコンテンツは著作権保護の観点からさらに厳しい要求があります。
DTCP-IPは4K以上のコンテンツの著作権保護の要求を満たしていません。
この4K/8Kの著作権保護に対応するのがDTCP2です。
DTCP2が策定されたのが2018年ごろなので2018年以前の機器ではDCTP2対応はしていないと思います。
我が家の、DMP(Digital Media Player)の条件としては以下の通りです。
- DTCP-IP対応
- 地デジ放送の録画番組の再生※1
- アナログTV放送の録画番組の再生/ホームビデオの再生
※1:我が家では地上デジタル放送の受信しかできないため、対象は地デジ放送の録画番組のみとさせていただきます。4K/8Kの配信/ムーブ・コピーに関しては当サイトでは扱っていません。
興味がある方はDTCP2を検索してください。
DiXiM Play Windows版
DigiONのDiXiMシリーズの製品です。
動作環境にWindows 11 Home/Proが含まれているので対応しています。
シンプルイズベストといえる製品ですが、ライセンス購入のためにDiXiM IDの登録が必要なのが面倒です。
留意点
Windows版はMicrosoft Storeからダウンロードおよびインストールを行います。
無料の表示がありますが、実際は課金しないとフル機能は利用できません。
無料なのは試用期間中のみで、機能制限があります。
機能制限中は1分間の再生が可能です。
DiXiM Playは、いろいろなデバイス向けに専用アプリが用意されています。
インストール先のデバイスによって機能や動作が異なる場合があります。
必ず試用期間を利用し動作確認をしてから購入してください。
ライセンス(利用権)は月額プランと買取りプランの2種類です。
Windows版はまれに動きが重くなったり固まったり急にアプリが落ちたりします。
他のOSより価格も高いのでおススメ感はあまりありません。
個人的にはWindows版よりAndroid版がおすすめです。
Android OSの10インチくらいのTabletにインストールして利用するスタイルが超おススメです。
DiXiM Play Windows版 新規ライセンス販売終了のお知らせ
後継製品はDiXiM Play U Windows版です。
DiXiM Play U Windows版に関する情報は以下を参照してください。
「DiXiM Play Windows版」を利用しているユーザー向けに、早期乗り換え特別優待プランが用意されています。
これを利用すれば買取プランは\550(税込)で購入できます。
期限は2022年3月31日までです。
PC TV Plus
Ver5.0でWindows 11に対応しています。
ネットワーク上のDTCP-IP対応の機器を登録して利用します。
再生できるのは登録した機器の番組とPCにダウンロードした番組です。
PCにダウンロードした番組はブルーレイやSeeQVault機器に書き出したり番組編集ができます。
さらには、番組の持ち出しも可能です。
DTCP-IPムーブができるので、DTCP-IP機器間の番組のムーブ操作が可能です。
対応機器であれば録画予約や機器コントロールができるので管理作業が容易になります。
オプションを追加購入することでSeeQVaultのメディア再生やDTCP-IP配信などの機能が追加できます。
主な機能の紹介
- 録画予約(対応機器のみ)
- 機器コントロール(対応機器のみ)
- DTCP-IP再生(登録した機器のみ)
- Playerコントロール
- 音量
- 再生/一時停止
- スロー再生/スロー逆再生
- フラッシュ送り/戻し
- コマ送り/戻し
- シーンサーチ
- チャプターリスト/次のチャプター/前のチャプター
- レンダラー(対応機器のみ)
- ミニプレイヤー表示
- 番組視聴
- ダウンロード
- 番組編集
- DVD/ブルーレイ/SeeQVaultへの書き出し
- アップロード
- シリーズ表示
- 検索履歴
あれもこれもできる多機能な製品ですが、その反面、安定性や応答性がよくないように感じます。
登録した機器に負荷がかかるようでダウンロードが失敗する頻度が増加する傾向にあります。
再生機能は十分な機能が実装されています。
特にミニプレイヤー表示はPCなら他の作業をしながら視聴するシーンが多く大変便利です。
Windows 10で紹介した以下のアプリに関しては最新情報が古く、Windows 11対応に関しての情報を見つけることができませんでした。
- sMedio TV Suite for Windows
ハイビジョン(2K)チューナー内蔵ブルーレイレコーダー
従来の高精細度テレビジョン放送(HDTV/2K)放送を受信/録画できる機種です。
4Kチューナー内蔵機種より安価なモデルが揃っています。
地デジしか見ないという人にはおススメです。
おススメの2Kチューナー内蔵ブルーレイレコーダーです。
4Kチューナー内蔵ブルーレイレコーダー
4K/8K放送(新4K8K衛星放送)で表現される超高精細度テレビジョン(UHDTV)放送を受信するには様々な制限があります。
だれでもどの放送でも無条件に4K映像を楽しめるわけではありませんのでご注意ください。
詳細は法務省のページをご確認ください。
世の中の仕様が変わる際によく知らない人を騙し不正に利益を得る行為をする人がいますので注意してください。
4K/8K放送を受信できる環境があってはじめて4Kレコーダや4Kテレビの性能が活かせます。
以下はおススメの4Kチューナー内蔵レコーダです。
HDD容量が最大サイズのモデルのみピックアップしています。
HDDサイズはお好みで選んでください。