Windows8の仮想マシンでWHS2011を稼動させていましたが、一旦、WHS2011の使用をやめました。
その理由
- バックアップ構成が複雑になる
- リモートWEBアクセスに関するセキュリティ上の不安
- Windows Update以降に動作が不安定
- Windows8で代替可能
1については、ネットワーク上のWindowsOSマシンとWHS2011自体のバックアップ構成を考え場合、まずWindows8のバックアップはWHS2011以外で取得しなければならない点、WHS2011のバックアップをHyper-Vのスナップショットでとるには実ディスクを一旦切断しなければならない点、この2点によって、これまでWHS2011で可能だったことが容易ではなくなったのが1番の理由です。
2については、ルータにTCPポート80番、443番、4125番への許可を与えかつ、ISPから付与されたグローバルIPにダイナミックドメイン名を割り当てないといけません。Windows Liveアカウントに登録していればXXXXX.homeserver.comのダイナミックドメイン名が取得できますが、これは、homeserver.comに登録されているIPアドレスはWHSが稼動していてかつリモートWEBアクセスが可能であるという情報が提供されているようなものです。
通信の暗号化はされているものの個別認証はおこなっていないのでWHS2011に登録されたユーザIDとパスワードで接続が可能です。
ハードウェアの進化によって総当り攻撃も効率よく行えるようになっている今日で非常に危険な環境であると判断しました。
3については、クライアントからのダッシュボードの接続で一部機能がエラーになったり、クライアントのリモートバックアップができなくなったりといった事象が発生しました。時期的にはWindows Update以降およびリモートWEBアクセスを有効にしたのと一致しており、なんだか気持ちの悪い状態でした。WHS2011は正常に動作している分には何も問題ありませんが、なんらかの不都合が発生すると、その原因究明が容易ではありません。これはWHSに限らずWindows OS全般に感じることです。イベントログには無数のログが表示されていますがそのログは正常なときにも出力されており、原因究明を一層混乱させまています。また、日本語での情報サイトも少なく、何がトリガーになって発生したのかを調査するにはそれなりの知識と経験が必要になり、WHSはServerOSをWHS用にカスタマイズしているため、情報がさらに少なく、同じような事象を検索するのも一苦労です。一番早い解決方法はバックアップからリストアするかもしくはクリーンインストールになってしまいます。
4については、WHS2011で利用している主な機能が以下の通りであり、その機能であれば、Windows8でも可能であると判断しました。ただし、サーバOSとクライアントOSとの違いにより操作性や管理のし易さなどは犠牲にしなくてはなりません。
WHS2011の主な機能とWindows8での代替案
WHS2011 | Windows8 |
---|---|
Windowsファイル共有 | Windowsファイル共有 ※同じユーザ名と同じパスワードのユーザを作成 ※共有したいフォルダごとに共有設定とアクセス権の設定が必要 Windows 7以降はホームネットワーク |
メディアサーバ | Windows Media Player 12+Windows Media Player Network Sharing Service ※WMP12はDLNA1.5準拠のDMP+DMS ※サードパティ製が使用可能 例)DiXiM MediaServer 3 for I-O DATA(GV-MVP/XSW付属DTCP-IP対応DMS)、Serviio、PS3 MediaServer、TVersityなど |
リモートWEBアクセス | Sky Drive ※スマホおよびWindows8へアプリをインストールすれば同期が可能 ※使用にはWindows Liveアカウントが必要 ※容量は7GBまで無料 |
リモートクライアントバックアップ | クライアントOSそれぞれでバックアップを実施することで可 ※Windows Vistaはバックアップデータをネットワークドライブへ保存することは不可 |
Windows8でも可能ですが、WHS2011に比べ設定操作が面倒だったり、管理画面がなかったりするので不便さは感じると思いますが、ホームユースであれば度々ユーザを追加することもありませんので、設定は最初の一度行えばそれっきりということも考えられるためそれほどデメリットではないと思います。
WHS2011ダッシュボードでクライアントPCからリモート接続でWHS2011の設定管理ができましたが、Windows8Proであればそのままリモートデスクトップ接続が使えるので問題ありません。
WHS2011コネクターを導入すれば各クライアントに関するセキュリティ関連やバックアップ関連の監視メッセージが表示されていましたが、その点だけはどうしようもありません。
PCが2・3台ならそれほどデメリット感はなく、逆にセキュリティ対策ソフト(例カスペルスキーマルチプラットホームのプライベートライセンスは個人使用デバイスであれば台数制限なし)を導入できるなどのメリットのほうが大きく思いますし、クライアントOSにすることでサードパティ製の導入の敷居が低くなります。
WHS2011を使うとすれば、中古ノートPC(ThinkPad X61相当)を購入して、リモートクライアントバックアップ用でバックアップ時のみ電源をONにする運用で使ってもいいかなぁと思います。
このときには、Windows8に接続しているRDHM-U500BはノートPCに接続してWHS2011のバックアップ用ドライブに使います。
Windows Vistaもそろそろ買い替え時かと思いますが、5千円程度で購入したWindows8を何万もだして購入するのはバカらしく、どうせなら7月ごろまで待ったほうがよさそうかと思っています。