先日、「地デジの録画環境の構成」について記載しましたが、使用するチューナーボードにIOデータから発売のGV-MVP/XSWを購入してみました。
※GV-MVP/XSWの製品仕様はこちらです。
※PT2とは方向性がことなり、著作権保護機能をそのままで「長期間使えるのか」、「今後どういった機能の製品があればよいのか」を見極めたく購入しています。
日本のデジタル放送は「録画したPCや機器でしか再生できないようにしてあります」
これは、そういう仕組みでないと製品として販売できないことを意味しています。
そのためには、録画したPCや機器であることを識別する必要があり、これがもし何らかの影響で変わってしまうと別のPCや機器と誤認識され、これまでに録画した番組がすべて視聴できなくなってしまう可能性が考えられます。
この最悪な事態に対処するには、まずどういった事をすると録画番組が視聴できなくなってしまうのかを事前に把握しておくべきですし、それを回避する方法があるのであればその準備をしておく必要があります。
今回の購入目的はそれらの事項を実際に調査したかったためです。
GV-MVP/XSWは、Wチューナー&Wトランスコード搭載の地上・BS・110度CSデジタル放送対応TVキャプチャーボードです。
チューナにはSONY製シリコンチューナを、トランスコードチップには富士通セミコンダクタ製(MB86H58)を搭載しています。
MB86H58は低消費電力、H.264/MPEG-2双方向変換対応、フルHDトランスコーダという特徴があります。詳細についてはこちらを参照してください。
付属ソフトウェアは以下になります。
・録画・視聴用ソフト mAgicTV Digital (mAgicTVガイド Digitalで録画番組の視聴や番組予約ができます。デバイスドライバを含みます)
・リモート予約用ソフト(操作側) どこでもmAgicTV Digital Client(iEPGで録画予約できます)
・リモート予約用ソフト(サーバ側) どこでもmAgicTV Digital Server
・DLNAサーバソフト DiXiM Media Server 3 for mAgicTV(DTCP-IP機能付き)
とりあえず製品自体がどの程度のものなのかを把握いたく、まずは現行アナログ放送録画機のVistaマシンで動作確認を行いました。
その前にGV-MVP/XSWの機能と特徴について
GV-MVPシリーズはGraphic and Video-mAgicTV Productsの略になります。
映像をH264/AVC形式で圧縮してくれますのでMPEG4ファイル形式かと勘違いしそうですが、録画データのファイル形式はmAgicTV独自形式です。
そのため、mAgicTV Digitalでないと録画番組の視聴ができません。※ネットワーク配信する場合は別
対応OS
Vistaでは32bitのみ対応になります。
現在、Vista Home Premium 32bit版を使用しているので問題なしです。
※サポートソフトV4.10の中にはVista x64用ドライバソフトが入っているのですが、ドライバだけあってもつかえないわけですし、未対応なのでしょう。
ダビング10
そもそも放送局から送られてくる放送データにデジタルコピー制御情報(Copy Control Infomation)が付与されており、コピーフリー(録画自由)、コピーワンス(1回のみ録画可)、ノーモワコピー(録画後複製不可、移動は可)、コピーネバー(録画不可)が放送局側で設定できるので、ダビング10に対応しているからといってどの放送でも録画できるわけではありません。
PCI Express x1
PCI Express1.1では、1レーン(x1)で250MB/sの転送速度になります。PCI Express 2.0で500MB/sです。
PCI Express x1スロットが無くても、PCI Express x16スロットで使用できます。
P5E-VM HDMIはPCI Express x1が2スロットあるので問題なしです。
アンテナ入力端子
チューナーの入力端子は、地上放送用と衛星放送用に分かれているので、1本のアンテナ線に混合してある場合にBSや110度CSデジタル放送も視聴するのであれば分配器もしくは分波器(分岐器)が必要になります。
前者は入力信号を同じ周波数で複数にわけるものでその数によって信号強度も弱くなります。後者は、入力信号を周波数で分けるもので信号強度はほとんど変わりません。
屋内の配線や壁のコネクタはCATVにした時点でBSに対応しているはず&現在TVで問題なく視聴できているので壁までは問題ないはずです。
アンテナの接続方法やケーブルはアナログ放送録画のときのまま使用します。
ちなみに分配器は全端子電流通過型2分配器、ケーブルはマスプロのS4CFBタイプです。
分配器はTVとPCの分配に使用し、衛星放送は視聴できないので地上放送用のVHF/UHF入力端子だけ使用します。
分配器と分波器の違いはこちらが参考になります。
ケーブル線についてはこちらが参考になります。
最低グラフィック性能
オンボードのIntel系の場合はIntelG33以上とあります。P5E-VM HDMIはG35なので条件はクリアしています。
ただし、HD動画再生支援機能はG45からなので非搭載です。視聴の際のCPU負荷が気がかりです。
あとCOPP対応が必須になりますが、これはアプリケーションとGPU間での著作権保護機能のコントロールを行う技術です。
GPUだけでなくそのドライバーソフトも対応していなければなりません。G35は対応しているようですがドライバーソフトには明示されていません。
当然OSもCOPP対応でないとダメなはずで、WindowsXPの場合はSP2以降です。VistaやWindows7は対応しています。
仕様欄には明記してありませんがSP2以降でなくてもいいのだろうか疑問です。ちなみにWindows Home ServerはCOPP非対応です。
あとは、デジタル接続でモニタに表示するにはHDCP対応も必要です。
この場合は、グラフィックボードとモニタの両方が対応していないといけません。
HDMI端子があるのでHDCP非対応なわけがなく・・・もちろんP5E-VM HDMIは対応しています。
モニタに使用するのはHDMI端子付きプラズマTVですので同じくHDCP対応です。
ただ、DVI端子の場合はデジタル信号のみのDVI-dとデジタル信号とアナログ信号兼用のDVI-iがありますので、グラフィックカード側がDVI端子に接続しているからかならずモニタにデジタル接続しているとは限りませんし、HDMIの場合とことなりDVI端子があるからといってHDCP対応とは言えません。
(例)モニタがHDCP非対応
メインPC(GF8800GTとLCM-T193AD/SをDVIケーブルで接続)の場合です。
解像度が低く制限されますがアナログ接続にすればとりあえず表示は可能になります。
地上・BS・110度CSデジタル対応Wチューナ
自宅は、JCN横浜CATVと契約しているので、地上デジタル放送はパススルー方式(同一周波数)、BSデジタル放送はトランスモジュレーション方式です。
BSデジタル放送はSTBを接続しないと残念ながら視聴できません。CSデジタル放送も同じくSTBがないとできませんし、視聴契約により限定受信が制御されてスクランブル解除されないと視聴できません。
※当初、CATVでは「トランスモジュレーション方式で送りなさい」となっていたためであり、現在は規制がないので今後はパススルー方式のところが増えてくるかもしれません。ちなみにフレッツTVだとパススルー方式です。
自分の部屋はSTBがないのでパススルー方式の地上デジタル放送しか受信できません。そのため、BSデジタルと110度CSデジタル放送については試すことができません。
ただ、Wチューナなので2番組同時録画が可能です。PT2を使った際に2番組同時録画が便利だと感じたのでWチューナの製品にしました。
※110度CSデジタルと明記してあるとおり、当然124/128度CSデジタル放送の“スカパー!HD”は非対応です。
※どの製品でもそうですが、トランスモジュレーション方式に非対応です。
※アンテナから受信する場合やフレッツTVの場合ではBSデジタル放送はパススルー方式ですのでSTBなしで視聴が可能です。
Wトランスコード
デジタル放送の映像はMPEG2形式で送られてきますがそれをMPEG4-AVC/H.264へ変換するトランスコードチップを搭載しているので録画データの容量を気にする方は再圧縮する手間は必要ありませんし、ハードウェア処理なのでPC負荷が気になりません。
PT2で問題になった録画データの圧縮変換処理の手間がなくなります。
画質はトランスコードのプロファイルしだいであり、また実際にどのモードに設定して録画するかによります。
※著作権保護解除機能はありませんので、トランスコード後の録画データは著作権保護機能の制限を受けます。
※トランスコードなのでエンコードした場合とは品質がことなりますが、トランスコードの場合は変換時間が大幅に短縮できます。
※画質とファイルサイズはトレードオフの関係になりますので、ファイルサイズが小さくなれば画質は悪くなります。ただ、画質の違いが人の目で気になるかどうかは視聴環境や個人の価値観でかわります。
録画・視聴ソフト – mAgicTV Digital –
番組録画、視聴や録画した番組の視聴はこのソフトウェアで行います。
録画番組はmAgicTV独自ファイル形式で保存されますので、このソフトウェア以外では視聴できません。
アナログ放送の録画では10フィートUIに対応したWindows Media Centerを利用していたので操作性が気になります。
操作性に満足できないからといって別のソフトウェアで視聴できるわけではないので困ります。
番組予約はEPGの番組データを受信してからになります。
Windows Media Centerで連続ドラマなどのシリーズ予約(自動予約)機能がうまく作動せず録画もれをしたことがあります。
このソフトではどうなのか?また、番組検索機能の使い安さは?が気になります。
DVDやブルーレイへCMカット編集後にムーブ・コピーができますが、使う予定はありません。
使うとするとDTCP-IP対応のDLNAサーバへのムーブ・コピーですが、DiXiM Media Server 3 for mAgicTV を導入しないと使えません。移動先でのファイル形式がどうなるのか興味があります。ただし、録画モードの制限がありそうです。もう1台、DTCP-IP機能付きのDMSが必要になるので環境を整えるのが困難です。
※ムーブ対応はDTCP-IP 1.2からです。DLNAのバージョンとは別ですので注意が必要です。
リモート予約ソフト – どこでもmAgicTV Digital-
外出先のPCのようなインターネット経由の接続先や別の部屋のPCのようなLAN内の接続先のPCからmAgicTV Digitalに番組予約を登録するためのクライアント用ソフトとmAgicTV Digitalを導入している側に導入するサーバ用ソフトがあります。両方をインストールしないとリモート予約はできません。
インターネット接続の場合はダイナミックDNSの登録が必要になります。
ブロードバンドルータがUPnP対応であれば使用ポートの設定などを自動でしてくれます。
※外出先(インターネットを経由しない)から番組録画することがない場合はダイナミックDNSの登録やルータの設定は不要です。
※リモート番組予約は「テレビ王国」からiEPGをダウンロードして行うことになります。
DTCP-IP機能付きDLNAサーバソフト – DiXiM Media Server 3 for mAgicTV –
録画番組をストリーミング配信する場合に使用するソフトです。再生機器に合わせてトランスコードして配信しますが、その際のトランスコードにどの程度かかるのか気になるところです。DTCP-IP機能つきなので他のDTCP-IP機能付きDLNAサーバソフトまたは機器にムーブすることができるのか?またそのときのファイル形式は何になるのか?非常に興味があります。また、録画モードによってその可否が異なってくるのかも気になります。
for mAgicTVが付いているので、mAgicTV独自ファイル形式に対応しているわけですが、DMPをはじめDMC、DMR機能搭載のソフトウェアや機器との連携がどの程度できるのか接続性が心配です。
※ライセンス規約上、チューナと同じPCにしかインストールはできません。
以上、いろいろ記載しましたが使った感想などは、後日記載する予定です。
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