さくらのVPSのOSをCentOS6.XからCentOS7.Xに変更しました。
この場合、アップグレードは推奨されていませんので、既存の環境をすべて削除して新規にCentOS7をインストールすることになります。
別の物理ディスクを準備してマルチブート環境を構成できるのであれば、別のサーバを準備する必要も上書きする必要もなくなります。
ただ、この場合はサービスの提供を停止する期間が長くなります。
バックアップ
通常は既存の環境がすべて消えてしまいますので、消えて困るものはPCなどへバックアップして、新しい環境へリストアする必要があります。
VPSの契約更新に併せて、新規VPSへ乗り換えるのも1つの選択肢だと思います。
新規VPSを追加すると2週間のお試し期間がありますので、その間に環境構築と稼働テストをすませてしまえば重複して費用が発生することはありません。
※支払方法によりお試し期間中は制限があったりしますので注意してください。
バックアップでデータをまとめて圧縮してしまうと中身のファイルを確認するのに非常に面倒です。
新旧のサーバが稼働していれば、以前はどういった設定にしていたかの確認が同時に行えるので便利です。
ディスクドライブを複数準備する方法もマウントして参照できるパーティション構造にしてあるのであれば同じく便利です。
また、例えばPCにバックアップデータをダウンロードし、それを新規サーバへアップロードした場合、私のネットワーク環境ではISPの使用パケット通信料の制限を超え規制される可能性があります。
過去、動画ファイルを扱っている際に何度かメールでの通知が来たことがあります。
そのため、バックアップデータをPCからサーバへアップロードする行為には抵抗があります。
さくらのVPSの場合、同じデータセンター内のサーバ間であれば、スイッチを作成しローカルネットワークを構成できます。
そうすればサーバ間でのデータ転送が可能になりますので、わざわざISPの規制にかかるような作業をする必要がなくなります。
新規VPSを契約したので、バックアップはとらず、サービスも移行するまでは停止せずに、新規VPSの環境構築に専念することにしました。
カスタムOSのインストール
さくらのVPSでインストール可能なOSは提供OS一覧をご覧ください。
CentOS7はカスタムOSインストールからインストール可能です。
新規サーバには標準OSのCentOS6がセットアップされていますので、新規サーバでも再インストールになります。
※標準OSについての詳細は「OSセットアップ情報」をご覧ください。
※都合によりスクリーンショットは、既存サーバのものですが、新規サーバでも同じです。
OSの選択
コントロールパネルにログインして、OSインストールするサーバを選択します。
インストールメニューからカスタムOSインストールを選択します。
インストール可能なOSの一覧が表示されますので、「CentOS 7 x86_64」を選択しました。
セットアップ
インストールの設定を行います。
さくらのVPSの場合は、新規サーバでも標準のCentOS 6がインストールされた状態です。
カスタムOSインストールを選択することで選択したブートイメージでサーバが起動して、インストールが開始されます。
OSインストール用のブートイメージが起動し準備ができるとVNCコンソールの選択メニューが表示されます。
今回は「VNCコンソール(HTML5版)を起動」を選択しました。
次のように、HTML5版のVNCコンソールが表示されます。(デフォルトのブラウザーにしているFirefoxで起動します)
そのまま、【ENTER】を押して進みます。
インストール設定
以下のようなインストールメニュー画面が表示されます。
各設定項目の下に設定値が表示されています。
デフォルトでは設定されていない(Not Configured)の項目や既定値を変更したい項目を変更していきます。
LANGUAGE SUPPORT(言語サポート)
言語選択の既定値は英語のみになっているので日本語を追加しました。
※適用は左上の【DONE】(完了)ボタンで行います。この先の操作はすべて同じです。
SOFTWARE SELECTION(ソフトウェアの選択)
サーバ用途なので最小構成にしました。
のちほどインストールしなければならないのがわかっている開発ツールも一緒に選択しました。
INSTALLATION DESTINATION(インストール先)
インストール先の設定をします。要はパーティション設定です。
既定値は自動作成になっていますが、用途に合わせて自分で設定することにしました。
VPSの契約によってHDDまたはSSDになります。
また容量や台数も契約内容で異なります。
パーティションの設定についてはCentOSのドキュメントを参考にしてください。
必ず、/bootパーティションは物理ディスクに作成します。
必要な容量はカーネルのサイズに左右されますので複数のカーネルを使用する場合は注意が必要ですが、通常は256MBあれば十分だと言われています。
bootパーティション以外はLVMで作成しました。
ただLVMを選択しただけでは、デフォルトの長い名前で作成されるためボリュームグループ名を【VgSystem】に変更しました。
次にそれぞれ必要なパーティションを作成しました。
マウントポイントの名前はこれも長い名前が自動で生成されるので変更しました。
右の画面で個別の設定を変更した場合は右下のボタンで更新すれば変更内容が左の画面に反映されます。
※最終的には左の画面の内容でフォーマットされます。
左下のピンク色の部分にパーティション設定したサイズが表示されています。右側のグレイの部分に選択したドライブの総容量が表示されています。
LVMにしてあるので、あとで追加変更も可能ですから各パーティションのサイズはおおまかに設定しました。
/var/lib/mysqlのようにミドルウェア用のパーティションを個別で用意しておくと、バージョンアップや障害時などに役立つことがあると思います。
スワップは物理メモリが4GB以内であればその2倍あればよいと思います。
NETWORK&HOSTNAME(ネットワークとホスト名)
さくらのVPSはNICが3ポート(eth0~eth2)あります。
サーバ情報にあるネットワーク設定はeth0に反映されています。
サーバのコントロールパネルのネットワークインターフェースの項目にそれぞれのインターフェースがどこに接続しているかを確認できます。
デフォルトではeth0がインターネットでその他は未接続です。
今回、同じデータセンター内の2台目のサーバになりますので、サーバ間通信のためスイッチを作成しローカルネットワーク接続できるようにします。
コントロールパネルで行うスイッチの作成とそれぞれのネットワークインターフェースの設定はすでに済ませた状態です。
eth1のネットワークインターフェスをローカルネットワーク接続に使用することにしました。
インストール後にもできますが、この場で行うことにしました。
次にIPの設定を行います。
右下の【Configure…】ボタンをクリックすると設定メニューが表示されます。
IPv4に固定IP(ローカルIPアドレス)を割り振りました。
以上でインストールの設定が完了です。
インストールの開始
いよいよインストールの開始です。
スクリーンショットにはありませんが、右下のボタンをクリックすればインストールが開始されます。
インストール中に管理者(root)のパスワードと追加するユーザの登録を行います。
今回はrootのパスワードはRoboformで生成したものを使用しました。
※12文字以上にすればGoodになるようです。
追加するユーザはこのあとsshでの接続用に使用するので少なくとも1ユーザは作成することをお勧めします。
rootへスイッチユーザできるユーザを作成する場合は、管理者ユーザとして作成すればwheelグループに追加してくれます。
インストールが完了するとサーバは停止した状態でしたので、この先は別の記事にします。
※もし稼働中の状態でこのまま放置していると、sshdの設定がデフォルトのままなのでrootでのログイン試行をされ最悪乗っ取られる可能性があります。
※稼働中で放置する場合は最低でもsshdの設定を行い安全性を高めるところまでは作業するようにしてください。
追記
リブート後にローカルネットワーク用のeth1の設定でブート時に自動接続の設定ができていなかったので、以下を行いました。
NetworkManagerのnmtuiコマンドを実行して、自動接続にチェック。
もしくは、/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth1に「ONBOOT=yes」を追加
ifup eth1
で接続します。
サーバのコントロールパネルについて
コントロールパネルからはOSインストールやレスキューモードで起動してシステムの修復をしたり、ローカルネットワークの構成をしたりなど行うと思います。
ログイン方法が2通りあり、1つ目が会員IDを入力する方法、もう1つがサーバのIPアドレスを入力する方法です。
それぞれログイン後に表示されるサーバ情報がことなります。
仮にサーバAのIPアドレスを入力してログインした場合は、コントロールパネルのサーバ一覧には、サーバAのみ表示されます。
コントロールパネルで行う作業内容に応じてログイン方法を使い分ければよいと思います。
例えば、ローカルネットワーク接続を構成する場合は、まずコントロールパネルから複数のサーバのネットワークインターフェースに対して設定変更が必要になります。
会員IDを入力してログインしていれば、コントロールパネルのサーバ一覧には、契約しているすべてのサーバが表示されますので、作業がスムーズになります。