運用開始後の問題点

Windows Home Serverを導入して約半年経ちました。

目次

1.構成

ケース:Antec NSK4480(電源なしモデル)
Mother:ASUS P5E-VM HDMI
CPU:Intel D930
CPU-FAN:ZALMAN CNPS 9500A LED
Memory:DDR2 667MHz 1GB x 2
HDD1:HDT722525DLA380(250GB SATA300 7200rpm)
HDD2:ST380817AS(80GB SATAII 7200rpm)
HDD3:HA250JC(250GB UATA 5400rpm)
HDD4:HDP725050GLA360(500GB SATA300 7200rpm)
Graphics:オンボード
POWER:Scythe CoRE PoWER 400W
OS:Windows Home Server PP1 日本語版

2.運用してみての現状の問題点

(1)プライマリHDDの容量不足

1つの大きなストレージBOXとして利用できるので、非常に便利ですが、ただHDDの入れ替え、複製機能の使用などによりプライマリーHDDの容量250GBではすぐに使用率100%になってしまいます。

HDD入れ替え時に場合によっては、プライマリデータパーティションの容量不足で複製が一時的にできなくなります。

これはデータ用に接続した各々のHDD容量が小さいためかもしれません。
データ用HDDの空きが十分ではない状態で取り外しをすると、プライマリーHDD側にデータが書き込まれてしまうためかもしれません。
一度プライマリパーティション側に書き込まれたデータをセカンダリデータパーティションに戻す方法はどうすればよいのでしょうか?
もしかすると新しいHDDを増設すると自動で移動してくれるのかもしれませんが、よく理解できていません。

プライマリデータパーティションには、本来、複製用のTombstoneファイルが書き込まれ、これ自体のファイルサイズは非常に小さなはずですので、容量不足が発生しにくいと思っていましたがそうではなかったようです。クライアントPC2台のシステム(Cドライブ)のバックアップを取っているのでその影響もあるかもしれません。

マイクロソフトの推奨では、プライマリHDDは300GB以上だったと思いますが、データ総容量500GB程度で不足気味になるのは予想外でした。

(2)音、熱、消費電力問題

そもそも、WHS用PCのマザーが不安定なのが問題で、修理から戻ってた後も完治したわけではなく、発生頻度が減少したという程度です。
症状は、電源投入または再起動時にBIOSが起動しないことがあります。
また、スタンバイモードからの復帰もできないことがあります。
これはWHSがどうこうというより、私のPC個別の問題です。

何度か電源再投入を繰り返せば起動はしていますが、ハードウェアにはあまり良いことではありません。寿命が短くなっても仕方ない使用をしているともいえます。
そのため、常時稼動させておくしかなかったわけですが、あまっているパーツで組み立てたので消費電力、音や熱は全く考慮していませんでした。

とりあえず、CPUFANにファンコントローラをつけて音に関しては対策できましたが、今後夏場を迎えるには熱対策も必要だと考えています。

3.対策案

(1)プライマリHDDの容量不足

HDDも年々安価になっています。1TBのHDDも8千円くらいで購入可能になりました。セカンダリデータパーティション用に1TBのHDDを追加し、既存500GBのHDDをプライマリHDDに使用すれば、マイクロソフトの推奨値もクリアーします。既存のプライマリHDDをその後、セカンダリデータパーティション用に使用すれば良いのではという考えに至りました。

(2)音、熱、消費電力問題

そもそもマザーボードが完全ではないため、常時稼動をしなければなりません。そこでAtoMマザーの購入をすれば良いのでは?と考えました。
仮に常時稼動しても音、熱、消費電力問題に対応できそうです。

4.対策

(1)プライマリHDDの容量不足

1TBのHDDを追加するのは、物理的な問題をクリアすればあとは簡単です。
P5E-VM HDMIはSATAポートを6つ搭載していますので、難なく終わりました。
既存500GBのHDDを取り外すのはWHSで削除(Remove)を実行すればあとは待つだけです。約2時間を要しました。
ついでに、PATA接続の250GBHDDとSATA接続の80GBHDDを取り外しました。
この時点でWHSに接続しているのは、プライマリHDD250GBとセカンダリパーデータティション用HDD1TBの2台だけです。それぞれ使用率は、100%と30%です。
共有フォルダすべて複製に設定していたため、プライマリHDD250GBの使用率が100%になっています。さらに複製ができない旨のエラーメッセージが複数表示されました。
そこで、一時的に複製をオフにし91%まで下がりましたので、とりあえずOKとしました。

次にプライマリHDD250GBを取り外した500GBへの移行です。
方法は?
①別バックアップソフトでHDDのイメージコピー
※実行後、パーティションのリサイズが必要
②WHSの修復インストール
※既存のプライマリHDDが接続されていなしと新規でもなく再インストールでもなく、修復インストールが選べるようになります。

ほんとうに再構築してくれるのでしょうか?やったことないだけに不安です。

とりあえず、①を試してみました。

実際の方法は、
・KnoppixをCDに焼いて起動
・DDコマンドでイメージコピー ※コピー元とコピー先デバイス名に注意
・もとのプライマリHDDを物理的に取り外してWHS起動
※chkdskが実行される
・バックアップの修復 ※バックアップサービスが起動しなかったため
※このままだとパーティション情報もそのままコピーされているのでDドライブ(プライマリデータパーティション)が容量不足のままです。
※HDD名がもとのHDD名で表示されますがレジストリを修正すれば変更できます。
・KnoppixをDVDに焼いて起動 ※CD版だとntfsprogパッケージが使用できなかったため
・ntfsresizeでDドライブ側パーティションサイズを拡大
・もとのプライマリHDDを物理的に取り外してWHS起動
※chkdskが実行され、エラーおよび修復が実行される。
※いくつかのWHSサービスが起動していないようで、コンソールが起動できなくなる。

DVD版のKnoppixで何度かDDを実行するがエラーが発生していました。
気になったのでntfscloneも試しましたが、リサイズするとどうしてもWHSがうまく起動できませんでした。

DDコマンドとntfsprogを使用していろいろやってみたあげくには、もとのHDDで起動した際、プライマリHDDが追加されていない状態になってしまい気持ち悪いので、再インストールを実行しました。これにより正常な状態になりましたが、振り出しにもどっただけです。

②の方法を試そうとしていますが、
この方法での懸念点は、本来セカンダリデータパーティションに保存されるデータがプライマリHDDに書き込まれていた場合にロストしてしまうのでは?という点です。
なので、念のため共有フォルダの内容をLandiskにバックアップしてから作業しました。

②の場合、結果からいうとうまくいきました。ただし以下の条件がありますので注意してください。

条件1、複製設定している共有フォルダのデータのみ
条件2、クライアントPCのバックアップデータは消えると思ったほうがよい。

作業に入る前に、現在2台のHDDでは複製設定にすると容量不足が発生してしまうため、先ほど外した250GBのHDDを再度接続し、複製を正常にすませておきました。
このとき複製処理は継続的に行われています。Disk Managerなどのアドインを利用していない場合は、HDDのアクセスランプが点灯しなくなったなどで確かめるしかないと思います。

※万が一、作業中にミスをしてしまい、WHSが起動しなくなった場合、安易に新規インストールを実行するのはやめたほうが良いです。新規インストールは確実に接続しているすべてのHDDをフォーマットしますので、データの復旧は容易にできなくなります。
通常プライマリHDD以外は、他のWindowsPCに接続すればそのまま利用可能です。
※作業前には必ず、最悪ケースを想定して元に戻せる用に準備しておく必要があります。まぁシステム管理者の基本的なことですが・・・

作業手順

1.完全に複製が終わったら、PCを一旦落としてプライマリHDDを外します。
(電源ケーブルとSATAケーブルを抜くだけでOK。)
2.新プライマリHDDを接続します。
3.WHSインストールCDでブート。
4.プライマリ用HDDが認識されていることを確認し、修復インストールを実行
WHSインストール時と同じ用に何度か再起動があります。途中、POPアップメッセージなどでますが放置でマウス操作はしないほうが賢明です。
5.ドライバの導入、WindowsUpdate、ユーザアカウント登録、バックアップの構成、アドインの導入など

※もしバックアップサービスが起動しない旨のエラーが発生する場合は、WHSコンソールの設定からバックアップの修復をすれば治ると思いますが、バックアップデータは消えてしまうと思ってください。

以上で、正常にプライマリHDDの450GBを利用できるようになりました。
ただし、WHSコンソール上ではディスク名の表示が前のままでしたのでレジストリの該当箇所を修正しました。

事後作業

PATAのディスクはケース内フローを考慮するとケーブルが邪魔で外したかったので、旧プライマリHDDを別PCで一旦フォーマットしてからデータ用に増設しPATAのHDDと入れ替えました。

(2)音、熱、消費電力問題

これに関しては、金銭的な余裕ができてからになります。
現在、AtoM用のマザーはSATAポートが2ポートだけですし、PCI-EやPCIスロットが1スロットのみだったり、ネットワークが100Baseだったりしてなかなかこれだ!というのがないので急ぐ必要もないと思っています。

私なりに推奨するWHSのHDD構成

①プライマリHDDは500GB以上

運用を考えるとプライマリHDDの容量は500GB以上あったほうが良いと思います。クライアントPCのバックアップや共有フォルダのデータ量、ファイル数にも依存してきますので、データ用HDDサイズとのバランスも重要に感じます。

②データ用HDDは2台以上

プライマリ1台とデータ用1台の2台構成では、データ用にいくら空き容量があっても複製設定をするとプライマリHDDの領域を使用してしまいますので、データ用は2台以上必要だと思います。また極端にサイズ差があると結局不足するとプライマリを使用してしまうので意味がないと思います。今回、複製用に250GBのHDDを接続しましたが複製を有効にしただけで91%の使用率になってしまいました。

運用していて思うのが、共有フォルダにデータを移動する際は、1回で多数のファイルを移すのではなく、何回かに分けたほうが接続されているHDDを均等に使ってくれるはずなので、特にHDDの接続数が少ない場合は1台だけ使用量が増えてしまうという傾向がなくなると思います。

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この記事を書いた人

大阪府門真市に生まれ、高校卒業まで京都府福知山市で育ち、大学は工学部電子工学科を卒業。半導体設計会社に勤務ののちインフラエンジニアとして監視基盤の運用設計業務に就く。現在は都内の施設に勤務。横浜在住。人の役に立てることができればいいなと日々思っています。

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