LIVA-XにCentOS 7をインストール

CentOS

背景

LIVA-Xは、Windows 8 ProからWindows 10へ無償アップグレードし、最近、Windows 10 Creators Updateのタイミングでクリーンインストールを行いました。

追加したアプリケーションは以下の通りです。

  • カスペルスキーセキュリティ2017
  • Serviio 1.8

主にNASとして利用しているため、追加したのはセキュリティソフトとDLNA Media Serverのみという非常にシンプルな状態です。

Windows 10 Creators Update後は、5日くらい経過するとLIVA-Xがフリーズするようになりました。

復旧は、強制電源OFFしてから電源ONで正常に動作しますが、根本的には解決していないのでこの繰り返しです。

リモートデスクトップ接続でアクセスしていると、復帰後はサクサク動作します。

しかし1日後、2日後と時間が経過するにつれ重くなっていくのが体感でわかります。

LIVA-Xのハードウェアはこれ以上性能アップは望めません。

状態が悪くなることはあってもよくなることはありません。

今後、Windows 10でアップデートがあるたびに、何らかの問題が発生するのは懲り懲りなので、思い切ってLinuxに変更することにしました。

今のLIVA-Xの用途であればLinuxにしても問題はありません。

あるとすれば、Windows ライセンスコードが余ってしまうということくらいです。

LIVA-Xのスペック表
製品名 LIVA X
型番 LIVAX-C0-4G-64G-B
JAN 4580137829225
カラー ブラック
OS 無し
プロセッサー プロセッサー Intel® Celeron® Processor N2808
コア数/スレッド数 2/2
ベース動作周波数 1.58 GHz
バースト周波数 2.25 GHz
キャッシュ 1MB
グラフィックス Intel® HD Graphics
メモリ 規格 DDR3L
容量 4GB
動作周波数 1333MHz
定格動作電圧 1.35V
ストレージ 規格 eMMC
容量 64GB
拡張スロット 1×mSATA(SATA 3.0Gb/s)
映像出力 出力端子

1×HDMI 1.4a

1×D-sub

最大解像度

HDMI:1920×1080 @60Hz

D-sub:2056×1536 @60Hz

有線LAN Realtek RTL8111G Gigabit LAN(10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T)

無線LAN

(NGEF Key E Type)

Wi-Fi 802.11b/g/n
Bluetooth 4.0
オーディオ Realtek ALC283 2ch
インターフェース

1×HDMI

1×D-sub

1×ギガビットLANポート

1×USB 3.0

2×USB 2.0

1×音声出力とマイクインの3.5mmコンボジャック

1×給電用DCポート

冷却方式 ファンレスヒートシンク
対応温湿度 動作時温度/動作時湿度 0~40℃/ 20%-80% R.H.
非動作時温度/非動作時湿度 -20~60℃/ not over 90%R.H
ACアダプタ

入力:AC100-240V

出力:DC12V/3A

消費電力 最大消費電力 約15W
待機時消費電力 約3W(S3待機時)
対応OS

Windows 8.1 64Bit(UEFI)

Windows 7 64bit(mSATAをインストールドライブとした場合のみ利用可能)

保証 1年間
付属品

1×クイックインストールガイド

1×VESAマウント

1×ネジセット(VESAマウント用)

1×mSATA固定用ネジ

1×ACアダプタ

1×ACプラグ形状変換コネクタ-Aタイプ(日本などの東南アジア地域の100Vコンセントに対応した変換コネクタ)

1×ACプラグ形状変換コネクタ-Cタイプ(主に欧州地域の200Vコンセントに対応した変換コネクタ)

1×ACプラグ形状変換コネクタ-BFタイプ(一部の東南アジア地域などの200Vコンセントに対応した変換コネクタ)

1×ドライバDVD

製品寸法 135mm×83mm×40mm
製品重量 約445g
パッケージ寸法 270mm×138mm×65mm
パッケージ重量 約970g

Linuxディストリビューションの選択

多くのディストリビューションが存在していますが、今回はCentOS 7にしました。

選択の理由は以下の通りです。

  1. ホスティングサーバでCentOS7を使っている
  2. サーバー向けである

Fedoraで新しい機能を積極的に開発テストして、それを成果物として製品版も含めRedHat Enterprise Linux(有償)へ、RHELの有償のものを除きCentOSとなります。

これらのディストリビューションのパッケージ管理はすべてRedhat Package Manager(RPM)を利用します。

いわゆるRedhat系です。

パッケージは今では当たり前に使用できて当たり前に何事もなく無事終了するようになりましたが、当初はそうではありませんでした。

そのころでも強固なパッケージ管理で定評があったのがdebパッケージを使用するDebianでした。

現在、Debian系では主にデスクトップ用途のUbuntuが有名です。

今回は、GUI環境は必要ありませんのでUbuntuやFedoraは選択肢から省きました。

CentOSはどうしても他のディストリビューションに比較するとカーネルや各アプリケーションのバージョンが古くなってしまいますが、ソースコードからコンパイルすれば対応できるのでそれほどデメリットではありません。

Windows 10 から CentOS7への移行手順

手順概要

  1. 既存共有データの取り扱い
    • 既存の共有データ(Windows 記憶域ブール)を退避
      • 2台の外付けHDDケースをそれぞれ別々の記憶域プールになるように再構成(共有用,その他)
      • 共有用(消えると困るデータ)の外付けHDDケースを別のWindows 10 PCへ接続
    • 作業中に共有していたデータにアクセスしたい場合の対応
      • 共有用データはLIVA-Xのローカルアカウントのユーザ(SID)になっているため別のWindows 10 PCへ接続して利用するには、アクセス権を再付与しなければアクセスできない場合があります。
    • OSセットアップ後の共有スペースの確保
      • その他の記憶域プールを消去しsamba用の共有フォルダとして利用。
    • 既存共有スペースのデータを新共有スペースへ移動
      • Windows 10 PCの記憶域プールにあるデータをSambaの共有フォルダーへコピー
  2. インストール用USBフラッシュメモリの作成(Windows 10 PCで作業)
    • CentOS ISOイメージをダウンロード
    • USBフラッシュメモリにISOイメージを展開
  3. 起動ドライブの順番の変更
    • UEFI~から始まるUSBフラッシュメモリもしくはUSBハードディスクから起動するように変更
  4. CentOSのインストール
    • 最小構成をインストール
    • 有線LANを使用
    • LVMを構成
  5. リモート接続の設定
    • sshdの設定
    • Firewalldの設定
  6. sambaのインストール
    • 共有フォルダーの構成を検討中
  7. Serviioのインストール
    • java 8のインストール
    • FFmpegのインストール

以上、現在稼働しているWindows 10からCentS7へ移行する手順ですが、いくつかポイントがあります。

これがクリアできないと結果移行できないということになりかねません。

重要ポイント

  1. 既存共有データ(記憶域スプール)の取り扱い
    • 記憶域スプールはマイクロソフトWindows 8以降の機能でLinuxでは使えない
    • 古いバージョンでは新しいバージョンの記憶域を認識できない
  2. インストール用USBフラッシュメモリで起動しない(unetbootinで作成した場合)
    • ブートシーケンス中に以下のメッセージが表示され起動に失敗する
      • “dracut-initqueue[402]: Warning: dracut-initqueue timeout – starting timeout scripts”
      • “Warning: /dev/root does not exist”
    • rufus-2.15pで作成した場合は正常に起動
  3. UEFI対応
    • UEFIを有効にする
    • 起動オプションで「UEFI」から始まるデバイスを選択する
    • UEFI対応インストール用USBフラッシュメモリの作成
    • EFI System Partition (/boot/efi) を作成する
  4. eMMC対応
    • CentOS 7.3 1611(Kernel-3.10.0 514.21.1.el7)で問題なくeMMCを認識します。
    • 認識した場合「/dev/mmcblk0rpmb」が作成されます。
  5. セキュアブート対応
    • セキュアブートを有効にした場合はelrepoのkernel-mlでは起動できない

補足

Windows 8のころからずっとLIVA-Xは、OSの選択で「Windows 8 with CSM」にし、セキュアブートを「有効」にして、使用するキーを「カスタム」に設定していました。

CentOSにする際は、一旦、キーを工場出荷状態に戻して「標準」にしましたが、これによりeMMCが認識できたようにも思います。

ただ、インストール用USBフラッシュメモリの件と重なり記憶があいまいなので正確ではありません。

OSの選択で「Windows 7 またはその他」や「手動」にするとダメなだけかもしれません。

 

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この記事を書いた人

大阪府門真市に生まれ、高校卒業まで京都府福知山市で育ち、大学は工学部電子工学科を卒業。半導体設計会社に勤務ののちインフラエンジニアとして監視基盤の運用設計業務に就く。現在は都内の施設に勤務。横浜在住。人の役に立てることができればいいなと日々思っています。

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