メインで使用しているデスクトップPCのマザーボードは、「ASUS P8Z77-M PRO」です。
このマザーボードは、Micro ATXのボードですので、同シリーズのATXボードと比較すればサイズが小さくなった分、I/Fが少なくなっています。
USBポートはUSB2.0がMAX8ポート、USB3.0がMAX6ポートです。
付属品だけで利用できるのは、USB2.0が2ポート(背面)+2ポート(前面)、USB3.0が4ポート(背面)です。
USBポートへ接続している機器
USBポート | 接続機器 |
---|---|
USB3.0 PORT1(ASMEDIA Turbo Boost/UASP) | USB2.0 HDD |
USB3.0 PORT2(ASMEDIA Turbo Boost/UASP) | High Speed USB2.0 フラッシュメモリ |
USB3.0 PORT3(ASUS Turbo Boost) | High Speed USB2.0 4port HUB(self buspower) |
USB3.0 PORT4(USB BIOS Flashback) | 予備 |
USB2.0 Port5 | キーボード |
USB2.0 Port6 | マウス |
USB2.0 PORT11(前面) | Bluetooth 3.0+EDR USBアダプタ |
USB2.0 PORT12(前面) | 予備 |
持ち運びで使用しているUSBフラッシュメモリを接続する場合は、HUBに接続していました。
このデスクトップPCは、この先、故障がなければ2・3年は使う予定でいます。
3Dゲームでは少々物足りない感がしますが、大容量の記憶スペースがあるので動画をダウンロードするだけのスペースは十分あります。
CPUはIntel Core i5 3570KですのでGPU内蔵で、描画にはこのGPUのみ使用しています。
とりあえず動画再生支援機能があるGPUですので、動画再生では不便を感じていません。
あるとすれば、USBフラッシュメモリなどからのファイル転送速度です。
マザーボードはUSB3.0が主になる構成ですが、USBフラッシュメモリがHigh Speed USB 2.0のものがほとんどなので、3.0対応に買い替えていこうと考えています。
しかし、最新はUSB3.1ですので、今更、3.0対応に買い替えて・・・というのも、長い目でみると今と同じような状況にいづれなると考えられます。
そこで、USB3.1対応になるよう拡張ボードと既存USBハブの代わりになるものを購入しました。
REX-PEU31-AC
購入したのがRATOC社が販売している「REX-PEU31-AC」です。
RATOC社の拡張ボードはサポートOSがキチンと記載してあることです。
USB3.1の拡張ボードは他社からも販売されていますが、搭載されているチップは同じ製品がほとんどです。
異なるのはサポートOSやI/F(PCI Express x4/x1など)やあとは搭載ポートの種類と数です。
また、USB3.1はGen1とGen2があるのでその点も注意が必要です。
※USB3.1だからすべての製品が、USB3.0の2倍高速にデータ転送可能とか電力供給100W(出力20V/5A)までできるとかというわけではありません。
この製品はUSBでいうところのホストになります。
この製品に決めたポイントは以下の通りです。
- PCI Express Rev3.0 Gen3対応
- USB3.1 Gen2対応
- 最大5.0V/3.0Aのバスパワー供給が可能
- USB TypeCとUSB TypeA両ポートあり
PCI Express Rev3.0 Gen3
ASUS P8Z77-M PROのPCI ExpressはPCI Express 3.0でGen3サポートはCPUと拡張ボードに左右されます。
CPUのintel Core i5-3570Kは、Ivy Brigde世代(Intel Core iシリーズ 第3世代)のデスクトップ向けCPUで、PCI Express 3.0(Gen3)対応です。
今回購入したPCI ExpressボードにはPCI Express 3.0(Gen3)対応を選びました。
これにより、理論上はリンクスピード8.0GT/sなので高速なUSB3.1 Gen2の性能を発揮できるだろうという考えです。
USB3.1 Gen2対応
「USB3.1は10Gbpsのデータ転送速度でUSB3.0の2倍」と言われているのは、USB3.1 Gen2のことで「Super Speed Plus」と表記されたりします。
一方、USB3.1 Gen1はUSB3.0と同じで「Super Speed」と表記され、理論上は5Gbpsです。
UAS(USB Attached SCSI)モードに対応している点も魅力です。
最大5.0V/3.0Aのバスパワー供給が可能
これまでメインPCからはスマホやタブレットの充電ができませんでした。
REX-PEU31-ACのUSB TypeCからは5.0V/3.0Aの電力供給が可能で、USB TypeAからは5.0V/2.1Aの電力供給が可能です。
どちらに接続してもスマホやタブレットの充電が可能になります。
ただし、実際にどれくらいの電力供給ができるかは接続ケーブルと接続機器に左右されます。
所持しているスマホやタブレットのUSBポートはmicro USBなのでUSB規格上は2.0ですが、内部に急速充電用の回路が搭載されています。
これがうまく動作すれば1.5A以上の急速充電が可能になるはずです。
USB TypeCとUSB TypeA両ポートあり
USB TypeCがあることでUSB3.1のフルスペックに対応可能です。
USB TypeCはmicro USBとサイズはほぼ同じで上下の向きがありません。
また、ホスト側はUSB TypeAで携帯端末はmicro USB TypeA、ノートPCなどの大きな機器だとUSB TypeAといったように接続機器で形状が異なるため、2種類のケーブルを使い分ける必要がありました。
今後、すべての機器がUSB TypeCを搭載するようになれば、ケーブルは1種類で済みます。使い分けるなら高電力供給用とそれ以外になると思います。
USB3.1のフル機能はUSB TypeCケーブルが前提になりますが、TypeCポートがあるからといってUSB3.1というわけではありません。
USB2.0でもUSB TypeCポートやケーブルを利用できます。
留意点
USB3.1やUSB TypeCだけを誇張して記載されている製品は特に注意して、仕様をよく読んでから購入してください。
また、高速データ転送機能とバスパワー供給機能の両方が必ずサポートされているとは限りません。
USB Type-Cコネクタ搭載USBハブを購入
USBハブはUSB規格でいうとホストと周辺機器の間に入って動作する役割の製品になります。
夏頃はまだUSB3.1対応の製品は少なくUSBハブとなるとさらに製品は少数でした。
その中で、エレコム社から販売されている「U3HC-A413BBK」を購入しました。
もう1製品、「U3HC-A412BBK」と悩みましたが、「U3HC-A413BBK」にしました。
USB3.1 Gen2をサポートする製品は見当たりませんでした。
そもそもHUBで「Super Speed Plus」を実現できるのかが疑問でしたのでUSB3.1 Gen1で妥協しました。
「U3HC-A413BBK」にしたポイントは以下の通りです。
- USB 3.1 Gen1対応
- ケーブル長
- USB TypeCとUSB TypeA両ポートあり
- Power Delivery対応
USB 3.1 Gen1対応
USBハブにはUSBメモリーを接続するケースが一番多いと考えています。
夏頃に販売されているUSBメモリーは3.0&3.1と表記されているものが人気でした。
上位にランクインしているUSBメモリもすべて3.0/3.1の表記があります。
しかし、USB3.1であっても製品仕様をみるとUSB3.1 Gen1です。
理論上USB3.0と同じ転送速度5Gbpsです。
Spuer Speed Plusの製品はまだまだこれからのようなので、ハブはUSB 3.1 Gen1にしました。
ケーブル長
パソコンの背面にあるUSBポートとUSBハブをケーブルで接続することになります。
そのため、最短でも30cmはほしくできれば50cmほしいのですが、ハブが必要になるケースは圧倒的にノートPCなので、持ち運べて近くにおいてとなるとケーブル長は10cm程度の製品がほとんどです。
延長ケーブルを使えば済みますが、何となく余計なものを間につなげるのは抵抗があります。
今では当然なのかもしれませんが、コンピュータが普及しだした頃はそうでなかっただけに神経質になってしまいます。
できるだけケーブルが長い製品をということで決めました。
この点以外は「U3HC-A412BBK」が用途にはあっていました。
USB TypeCとUSB TypeA両ポートあり
USB 3.1のフルスペックでとなるとUSB TypeC接続はできるだけ使いたいところです。
しかし、まだまだUSB TypeCポートを搭載した周辺機器は少ないので従来のUSB TypeAの両方があると安心です。
Power Delivery対応
USB Power Delivery(UPD)はUSB TypeCでかつ電源供給用の対策を施したケーブルを利用すれば最大100W(20V/5A)の電源供給が可能になります。
今回購入したPCI Expressボードとの組み合わせでは、ホストがPDをサポートしていませんので最大100Wの電力供給はできませんが、USB電源アダプターに接続すれば可能になります。
今持っているものでできるかもしれないのがAnker PowerPort 1 USB-C with Quick Chargeですが、一般的にハブを接続しての使用はサポート外です。
また、現在はUSB TypeCで電源供給する必要のある周辺機器もありませんので今後機会があればといった感じです。
私の場合は、将来的なお試し的な意味合いのものになります。
感想
電力供給と高速通信ができる環境になりましたが、今回の出費でミドルLOWくらいのグラボが買えたかもしれませんので、無理してやることでもなかったかもしれません。
ただ、ホストとハブ間の接続はUSB Type-CなのでUSB3.1 Gen1の速度で通信できるはずです。
ハブと周辺機器の速度がUSB2.0でも、ホストとハブの転送速度に余裕があればハブにストレージデバイスを複数接続しても大丈夫かなと安易に考えています。
ハブだけ購入して既存のUSB3.0ポートに接続するだけでもよかったかもしれません。
また、スマホを充電するだけなら2mくらいのUSBケーブル1本でよかったかもしれません。
少し早かったと感じました。USB3.1が当たり前になってからでも遅くないと思います。
USBポートが不足しているなら今後を考えてこういう製品もありだと思いますが、スマホやタブレットとの接続用というよりはPCの周辺機器用と考えたほうがよさそうです。
マザーボードは急速充電対応だった
拡張カードを取り付けるついでにマザーボードのBIOS設定でUSB関連の見直しをしました。
既存のUSB3.0ポート(ASMedia)から電源供給が可能ですが無効にしていたので有効に変更しました。
このポートから1.5Aの供給ができているようです。
※au 急速充電器、ANKER製やVENTURE30の充電器よりは少し劣り実測値は1A前後になりました。
急速充電には未対応
新規購入したハブ経由およびUSB3.1拡張ボード直接からではUSB2.0の500mAでの充電となります。
マザーボードのUSB3.0は急速充電に対応しているようですが、今回購入した製品は未対応のような結果です。
製品仕様なのかそれとも何かセットアップを間違えているのかのどちらかだと思います。
問い合わせした結果、500mAの充電が正常であるようです。
Xperia ZL4で試していただいたようで、急速充電には対応していないとの回答をいただきました。
Xperia ZL2を充電したときのAmpereの測定値です。
USB最大電流が500mAとなっているため、USB2.0の電力供給しかできないようです。
なので接続したHUBを使っても500mAが最大でした。
スマホやタブレット用充電器は試しで買った製品がありますし、マザーボードのUSB3.0(ASMedia)からは最大1.5mAで充電できるのでよしとして、今回購入したパーツは、USB3.1の転送速度を必要とする機器を接続するための準備段階ということになりました。